【市役所】市長に異を唱えた係長の話。沈黙が生む、市役所の停滞
こんばんは。市役所職員のボンベイです。
これまでの働き方を振り返ってみると、私は「意見を言うタイプの人間」だったと思います。
仕事をするからには、ちゃんと自分の意見や考えを持ってやりたい。
でも、市役所では「意見を言わずに流れに身を任せるのが正解なのか?」と疑問に思うことも。
今回は、私の勤務する市役所での文化・実態を綴っていきます。
全ての市役所がそうではないですが、ご参考までに。
1.意見は自分の言い分を通すためだけのものではない
私は自分の意見を言う一方で、調和性の資質が強めでもあり、そもそも意見の不一致はあまり好きではありません。ですが、それは「お互いが納得して進めたい」という気持ちの裏返しでもあります。
意見を示すのは、相手を論破したいからではなく、より良い方向に進むための隘路(あいろ)を探したいからです。
ただ、市役所という組織にいると、意見を言う人は思っているより少ないと感じます。係長になってから特にそれを実感するようになりました。
「どうしたらいいですか?」と相談に来る職員は多いのですが、「私はこうしたいです」と自分の考えを持ってくる人は少ないのです。
私自身が上司に意見を伝えたときも、少し面倒くさそうな反応をされたことがあります。その瞬間、「ああ、こういう雰囲気が“意見を言いづらくしている”のかもしれない」と思いました。
「自分に対しては思ったこと何でも言ってきていいよ」と伝えても、長年染みついたものって変わらない。引き出すのが難しい。
2.市長の顔色を伺って意見が言えない?
市役所全体を見渡しても、「意見を出す」より「波風を立てないこと」が優先されているように感じる場面があります。
市長協議の場では、副市長以下の幹部職員は基本的に市長の様子を伺っているだけで、自分の意見を言う人はほとんどいません。
その光景を見て、「何のためにこの人たちはいるんだろう?」と思ってしまうことがあります。
それぞれの知見を生かして、市長を支える立場にあるはずなのに、ただ市長のご機嫌取りのような役割では、市長の判断の質も上がらない。
「もっと議論してもいいのでは?」と、もどかしい気持ちになります。
「自分はこう思いますがいかがでしょうか?」ぐらい言えばいいのになと。
うちの市はもう4期目の長期政権なので、これがいわゆる多選の弊害なのかもしれません。トップがコロコロ変わるのもしんどいですが、お友達内閣も良くないなと。
この空気感が、特別職→部長→課長と伝染して、組織全体が上の考えに合わせるような文化が出来上がっているのでは?と思っています。
3.予算査定で切り込んでみたが惨敗!
もちろん、公務員には「上司の指示に従う義務」があります。
それを理解したうえで言いますが、「指示に従う」ことと「考えることをやめる」ことは、全く別の話だと思うのです。
指示の意図を理解し、より良い方法を提案することもまた、組織の一員としての責任ではないでしょうか。
私はよく「自分は公務員として異質なのかもしれない」と感じることがあります。以前、私は係長のくせに、市長の肝入り事業の予算査定で、担当課からの増額要求をカットしようとしたこともあります(笑)
その事業については、私なりに「予算が足りないのではなく、企画内容をもっとこうした方がいいのでは?」という自分の考えを持っていました。
予算は市長査定で全額復活。
市長は「この事業は満額つけるように」とだけ言い、議論の機会もなく。
当時の課長は私の考えを理解してくれ、市長査定に減額のまま持っていってくれましたが、部長は困っていたと思います。
この行為も幹部職員からは異質な行為に映ったでしょうね。
でも最近は、異質であることをネガティブに捉える必要はないと思うようになりました。市役所内で「考えて、意見を持ち、伝えようとする人」が少数派になっているだけなのかもしれません。
4.意見を言う=より良い判断を生むためのもの
意見を言うことは、対立を生むためではなく、より良い判断を生むための行為だと思っています。
本来、組織は「思考する個の集まり」であるべき。
「誰かが決めてくれる組織」ではなく、「一人ひとりが考えて動ける組織」こそが、これからの時代に求められるのではないでしょうか。
私はこれからもめげずに「考えを伝え、対話で前に進む」働き方を模索していきたいと思います。それは市役所を離れても同じ。
この違和感はきっと、自分の次のステージを示してくれているサインなのだと感じています。

いいなと思ったら応援しよう!
記事を読んでいただきありがとうございます。
市役所を離れ、4月からWebライターとして新たな一歩を踏み出します。
いただいた応援は、執筆活動やスキルアップのために大切に活用させていただき、皆様へ還元できれば嬉しいです。
皆様の「スキ」やサポートが、私の挑戦の大きな原動力です。