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【市役所の仕事】移住体験ツアー担当として抱えた葛藤|移住施策のリアル

おはようございます。
市役所を退職し、
Webライターとして独立したボンベイです。

このnoteでは、
公務員からの独立のリアルを発信しています。


前回の続きです。

<前回記事の要約>
市役所の商工政策課にいた頃、
私は移住体験ツアーを担当していました。

2週間の移住体験を終えた最終日、
参加者のみなさんと記念写真を撮り、
「いい仕事をしたな」と余韻に浸りながら役所へ戻りました。

そして、報告をした瞬間。
「で、結局あの人たちは誰か移住してくれるの?」
とカウンターを喰らい、余韻はきれいに消えました。

今日は、
あの一言の正体を掘っていきます。

言っていることは正しい。
反論もできない。

それなのに、どうしても納得できない。
……そんな経験ありませんか?

モヤモヤを紐解いていきましょう。

※一部内容をぼかして書いています



1. 2回目、3回目と来てくれる人がいた

ツアーは、年に複数回実施していました。

そうすると、2回目、3回目という
リピーターの方も出てきます。

再会したときの感覚は、
久しぶりに友人と会うような懐かしさでした。

それだけこのまちを気に入って、
また来てくれた。
素直に嬉しかったです。

ツアーは移住希望者を
対象にしていますが、
個々の事情は一様ではありません。

すでに移住を決めていて、
どの市町村にするかを決めかねている方。

地方での暮らしに興味がある、
という段階の方。

温度感はさまざまですが、
いずれもその人の人生に関わる、
大きな決断です。

実際にこのまちで暮らしている者として、
リアルな情報を伝え、
不安を解消する。

観光スポットとしてではなく、
住む場所としての魅力を伝える。

それが私の役割だと思っていました。

……その傍らで、
心の奥にずっと沈んでいた言葉があります。

「あの人、いつになったら移住してくれるの?」

直球で聞けるはずもありません。

だから、それとなく近況を探っては、
役所に持ち帰って報告していました。


2. その数字は、思っているより曖昧だった

なぜ急かされるのか。

上司が冷たいからではありません。
上や議会に報告すべき数字があるからです。

ただ、この「移住者数」という
数字がまた曲者で。

実は、住民票の転入者数とは
まったくの別物です。

そして、全国共通の定義がありません。

各県の公表を見ると、
多くは転入手続きの際に行う
任意のアンケートを集計する方式です。

転勤や進学による一時的な転入を
除いている県もあれば、
複数の機関が連携して
実態を把握している県もあります。

つまり、数え方が県によって違う。

それでも数字は取りまとめられ、
目標として掲げられ、
達成・未達が公表されていきます。


3. 「捕まえてこい」ではなく、「納得して来てほしい」

相談に乗って、
疑問や不安を解消していく。

それは、いい仕事だと思っていました。

でも、
「あの人ちょっとなびいてるから、
絶対に捕まえてこい」

……そうなった瞬間に、
話が変わってしまうんです。

そもそも、こちらは
深いところまで踏み込めません。

毎日一緒にいるわけでもないですし、
介護、相続など、
時にはセンシティブな問題もあります。

行政職員という立場だからこそ、
簡単に踏み込めない領域があるんです。

相手から話してもらえない限り、
何が引っかかっているのかは
わからない。

何度もツアーに参加してくれる人。
選択肢に入っているのは間違いありません。

決めきれない気持ちは、
痛いほど分かります。

私自身、石橋を叩きすぎて
壊してしまうタイプですから。

その気持ちがわかるのに、
私は急かす側に立たされていました。

わかるからこそ、
心苦しい気持ちがありました。


4. 事情は全部わかっている。それでも、しっくりこない

私は財政課に長くいたので、
人口が増えることの意味を
具体的に知っています。

市税。地方交付税の算定。
働き手や、地域の担い手の確保。

企業の従業員として、消費者として、
経済を回してくれること。

人がいなければ、
道路も、公共交通も、保育所も学校も、
縮小していくしかありません。

だから、数字を追うこと自体は正しい。

急かした人が
間違っているわけでもない。

……それでも、しっくりこないんです。

事情を全部わかったうえで、
それでも納得できない。

この状態を、当時の私は
どうしても処理できませんでした。

正しさは理解できるのに、
納得できない。

これは市役所にいた頃、
よくある葛藤でした。

そんな仕事に、あなたは何と
折り合いをつけていますか?

心苦しいまま
仕事をするのはしんどいです。

抱え込まずに、
周囲に吐き出すだけでも
少しラクになりますよ。


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ボンベイ@元市役所職員Webライター 記事を読んでいただきありがとうございます。 市役所を離れ、4月からWebライターとして新たな一歩を踏み出します。 いただいた応援は、執筆活動やスキルアップのために大切に活用させていただき、皆様へ還元できれば嬉しいです。 皆様の「スキ」やサポートが、私の挑戦の大きな原動力です。