世界は広い、今いるところだけが人生ではない──年末年始の海外旅行(後編)|ことり日記|二十一話
あの旅で、私は気づいたのだと思います。
私は、人との触れ合いが怖くなっていた。きっと。
私たちは、狭い枠の中で生活していました。接する人も限られて、毎日を過ごしていました。
日本で、いろんなことがありました。視線を感じることもあったし、「母子家庭」という言葉で、何かを決めつけられることもありました。
いつの間にか、人と関わることが、少し怖くなっていたのだと思います。
だから、旅に出たかった。
子どもに、ただの遊びではなく、文化的な体験をしてほしかった。そして何より、世界は広いということを知ってほしかった。
「今いる場所だけが人生ではない」
それを子どもに教えたかったのと同時に、自分自身にも言い聞かせたかったのです。
旅の中で、現地の方と仲良くなることがありました。
子どもも自然と打ち解けて、言葉は通じないのに、手を繋いだりしていました。
その様子を見て、思いました。
国境なんて、関係ない。
人と人は、言葉がなくても繋がることができる。
その優しさに、何度も救われました。
バスの運転手さんも、乗客の方も、動物園で出会った人たちも、みんな笑顔でした。
「親子で頼りなげだけど、よく来てくれた」
そんな温かさが、いろんな場所で伝わってきました。
私が怖がっていたのは、「人」ではなかったのかもしれません。
狭い世界で、傷ついていただけだったのかもしれません。
世界は広い。
今いる場所、今の状況が、すべてではない。
まだまだ、知らない場所がある。出会っていない優しさがある。
それを子どもと一緒に体験できて、本当によかったと思います。
ふと、思い出しました。
まだ子どもが赤ちゃんだった頃、NHKラジオの「地球ラジオ」を聴きながら、お風呂に入れていたことがあります。
https://note.com/bold_swift2032/n/na614d5a54a17
世界のいろんな場所から、リスナーが電話で話す番組でした。
湯気の向こうで、想像していました。
「いつか、行ってみたいな」
その「いつか」が、今、ここにありました。
湯気の向こうで想像していた世界は、本当に温かい場所でした。
年末年始の寂しさから、一時的でも離れることができました。
そして何より、誰も知らない場所には、私たちを自由にしてくれる力がありました。
あの旅から20年以上が経ちました。
今、あの時の自分に、そして、今苦しんでいる誰かに伝えたいことがあります。
世界は広い。
今いる場所で傷ついても、世界は広い。
あなたの世界も、きっと広げられる。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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