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お迎えの時間、お母さんがぽつりと言った。「先生…うちの子、園では食べてますか?」

その声が、すごく小さかった。

お母さんは、お子さんの靴を履かせる手を止めて、こっちを見ないまま言いました。
「家だともう、全然食べてくれなくて……」


私は9年間、保育士として働いてきました。ぼぶと言います。

保護者の方のこういう「ぽつり」を、私は何百回と聞いてきました。

お迎えの数分間。
個人面談の最後の5分。
保護者の方が、ふっと力を抜いた瞬間に出てくる。

あの頃の私は「大丈夫ですよ」と伝える側でした。

でも今、自分がお腹に子どもを抱えて初めてわかったんです。
あの「ぽつり」を口にするのに、どれだけの勇気がいることか。

私はこれから、「相談にのる側」から「親になる側」になります。

今回は、保育の現場で私が実際に受けてきた相談の中から、特に多かった10個を書いてみます。

「こうすれば解決!」みたいな話にはしません。子育てに正解はないです。
それよりも、なぜその悩みが生まれるのか
今のお母さん・お父さんが置かれている状況の方を、ちゃんと書きたいと思います。

同じように悩んでいるあなたの心が、少しでも軽くなったら嬉しいです。

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1. 離乳食・幼児食の悩み(好き嫌い・遊び食べ)

「野菜を全く食べません」「立ち歩いて食事に集中してくれない」

この相談、本当に多かったです。

Instagramを開くと、目に飛び込んでくるのは、
彩り豊かなプレート。完食した笑顔の写真。
「#手づかみ食べ #パクパク期」。

で、目の前のうちの子は、床にブロッコリー投げてる。
30分かけて作ったごはんが、3秒で床に落ちる。
「私の作り方が悪いのかな」って、あなたは自分を責めてしまう。
(違うんですよ、それ)

せっかく作ったごはんを全部捨てるあの虚しさ。
排水口にスプーンで流し込む瞬間の、あの重たい気持ち。
しんどいですよね。

だからお迎えの時にお母さんは聞いてくるんです。
「園では食べてますか?」って。

「今日頑張って一口食べましたよ〜!」って私が答えた瞬間。
お母さんの顔に、ホッとした表情と、ちょっと悔しそうな表情が同時に浮かぶ。
あの複雑な表情、私は忘れられません。

私からひとつだけ。

子どもにとって、食事の時間が「楽しい」かどうか。
実はそれが一番大事だったりします。

あなたが美味しそうに食べている姿。
それだけで、十分すぎる食育になっています。


2. トイレトレーニング(トイトレ)が進まない焦り

「〇〇ちゃんはもうオムツ外れてるのに」「家だとトイレを嫌がるんです」

トイトレって、なぜか「親の努力の成果」みたいに見られがちです。

平日は仕事。
休日の限られた時間でトイトレを進めなきゃいけない。

「汚されたくない」「洗濯物を増やしたくない」その本音、ありますよね?それなのに、周りからの「早く外してあげなきゃ」っていうプレッシャーだけは容赦ない。

順調だったのに、ある日突然オムツに逆戻り。
「また振り出しか……」って、がっくり肩を落とすあの感じ。

保育の現場では、普通にあることです。

私からひとつだけ。

1歩進んで2歩下がる。
それで全然OKなんです。

トイトレに「正解のスピード」なんてありません。
あなたのお子さんのペースに、一緒に付き合ってあげてほしいなと思います。


3. 睡眠リズムの乱れ(寝かしつけの苦労)

「夜なかなか寝てくれない」「夜泣きがひどくて、私の睡眠が足りない」

帰宅して。夕飯作って。お風呂入れて。
気づけば21時。

ここから寝かしつけがスタート。
これがあなたにとっての今日の最終関門

絵本3冊読んで、子守唄歌って、背中トントンして。
……あれ?まだ目パッチリ開いてる。(お願いだから寝て……)

その気持ち、わかります。
子どもが寝てくれないと、あなた自身の「たった数時間の自由時間」が消えるから。

イライラしますよね。
でもそのイライラって、子どもに怒ってるんじゃない。
あなた自身の体と心が限界だから出てくる悲鳴なんですよね。

私も今、これから生まれてくる子の寝かしつけを想像すると、正直ちょっと不安です。

私からひとつだけ。

子どもは、安心するとよく眠れます。

抱っこ。
トントン。
添い寝。
あなたのぬくもりって、子どもにとっては最強の安眠グッズです。


4. 言葉が出ない、遅い

「同い年の子はあんなにお喋りしてるのに、うちの子まだ単語だけ」
「こちらの言うことは分かってるみたいですが、発語がなくて……」

発達には個人差がある。

……って、あなたも頭ではわかっていますよね。
でも育児書やネットに書いてある「平均」「目安」を見ると、どうしても比べてしまう。
それが親心ってもので。

「自分の語りかけが足りなかったんじゃないか」って。
全部、自分のせいにしてしまうお母さんもいました。

環境のせいだってあるのに。
あなたのせいじゃないことの方が、圧倒的に多いのに。

私からひとつだけ。

言葉が遅い子って、今まさに頭の中で言葉をため込んでいる最中。
私はそう思っています。

毎日たくさん話しかけてあげてください。
溜まったものは、ある日ペラペラと出てきます。


5. お友達とのトラブル(手が出る・噛みつく)

「お友達に手を出してしまったみたいで……」
「逆に、やられてばかりで心配です」

我が子が「加害者」になること。
これ、保護者にとってはすごく怖いことなんです。

ママ友との関係が壊れるかもしれない。
「私の育て方が悪いから乱暴になったんだ」って自分を責める。

でもね。
言葉がまだうまく出ない時期の子どもって、気持ちを伝える手段が「手を出す」「噛む」しかないんですよね。

発達段階としては、当たり前のこと。
なのに、周りの目が気になってあなたが過敏になってしまう。

公園で我が子が手を出した瞬間、相手のお母さんの顔色をうかがう。
帰りの車の中で、「ごめんね」って何度もつぶやく。

今の子育て環境は、ちょっと窮屈すぎるなって、私は現場にいて何度も感じていました。

私からひとつだけ。

噛みつきって、子どもなりの「主張」です。

「〇〇されて嫌だったんだよね」って、あなたが気持ちを代弁してあげる。
それだけで、子どもの中に「受け入れてもらえた」という安心感が生まれます。


6. スマホ・動画視聴との付き合い方

「YouTubeばかり見たがる」
「やめさせようとすると癇癪を起こす」

家事を進めるために、動画に頼る。
自分がちょっとだけ休むために、動画に頼る。

「見せすぎは良くない」って、あなたも分かっている。
でもこれがないと家事が回らないんですよね。

洗い物している15分だけ。
夕飯作ってる30分だけ。
・・・のつもりが、気づけば1時間。

罪悪感と現実の狭間で、あなたはずっとグルグルしている。

頼れる大人の手が足りない。
だから「デジタルベビーシッター」に頼らざるを得ない。

それ、あなたのせいじゃないです。

私からひとつだけ。

大人の都合で動画を急にやめさせると、癇癪のスイッチが入ります。

「この動画を見たらおしまいね」と、先に見通しを立ててあげる。
終わりが分かっていれば、子どもも切り替えやすくなります。


7. 物を投げる

「おもちゃを投げて危ない」
「何度言ってもやめない」

実は、子どもにとって「投げる」って、科学実験みたいなもの。

投げたら飛んでいく。落ちたら音が鳴る。
転がっていく。壁にぶつかって跳ね返る。

面白いんですよね、子どもからすると単純に。

でも家の中でおもちゃを投げられると、あなたは怪我が怖い。
「ダメ!」って止めるんだけど、子どもは何度言っても繰り返す。

実はここが落とし穴で。
あなたが怒ったり止めたりする大人の反応そのものが、子どもにとっては面白い遊びになっちゃってるんです。

(「ダメ!」って言う → やめない → もう一回「ダメ!」って言う。
  そのループに心当たりありませんか?)

私からひとつだけ。

投げていいもの(ボールとか、柔らかいもの)を近くに置いてあげる。

何回か投げて満足すると、自然とやめることも多いです。
「投げたい欲求」そのものを否定しないのがコツです。


8. 一人っ子:集団でやれてるか心配

「きょうだいがいないので、集団の中で上手くやれてるか心配です」
「わがままになっていないでしょうか?」

家の中で「社会性を学ぶ相手」がいない。
その不安が、過保護・過干渉につながりやすいんです。

お友達と一緒に遊んでいる姿を見ても、「ちゃんと順番守れてるかな」「我慢できてるかな」って、あなたの目はどうしても心配モードになる。

「自分の育て方のせいで、社会性が育たないんじゃないか」って、どこかで自分を責めていませんか?

私からひとつだけ。

園に来ると、子どもたちは毎日のように遊んで、喧嘩して、仲直りしていました。
おもちゃの取り合いで泣く。
5分後には一緒に遊んでる。

その繰り返しの中で、ちゃんと社会性を学んでいます。
子どもたちなりに、毎日葛藤しているんです。

大丈夫。
ちゃんと、育っていますよ。


9. 親から離れられない(母子分離)

「朝、いつまでも泣いてしがみついてくる」
「保育園に預けるのが可哀想になってしまう」

これ、本当によく聞きました。

子ども自身の不安もある。
でも実は、親側の罪悪感のほうがすごく大きいんです。

「子どもに寂しい思いをさせてまで、働く必要があるのか」
仕事復帰したばかりの時期に、この迷いを持っている保護者の方を、私はたくさん見てきました。

保育園の玄関で、しがみつく我が子を保育士に預けて、振り返らずに歩く。
駐車場に着いて、ハンドルを握ったけど、後ろ髪を引かれる思い。

あなたの「迷い」が子どもの不安と同調して、余計に離れがたくなる。

……と言っても、目の前で「ママーー😭」って泣かれたら、辛いですよね。
そりゃそうです。

私からひとつだけ。

実は子どもが泣くのって、離れるその瞬間だけのことが多いんです。

保育士に抱っこされて保育室に入ると、
「すっかりご機嫌!」なんてこと、日常茶飯事でした。

あなたが心配している間、子どもはケロッとしている。
(これ、言うと怒られそうですけど笑)
本当の話です。


10. 親自身のイライラ・育児疲れ

「子どもにきつく怒鳴ってしまった」
「イライラばっかりしていて辛い」

これが、一番根深いです。
そして、保護者の方が私に打ち明けるのに一番勇気がいる相談でした。

「母親なんだから、ちゃんとしなきゃ」
「父親なんだから、しっかりしなきゃ」
誰がそんなこと決めたんでしょう?
この「ちゃんとしなきゃ」っていう呪いが、あなたをじわじわ追い詰めていく。

朝から晩まで子どもと向き合って。
夜中に泣かれて起きて。
自分の時間なんてゼロで。

「完璧な親」なんていないのに、その幻想に自分で自分を追い込んでしまう。

「助けて」って言える相手がいない。
一人で全部抱え込んで、一人で子どもと向き合い続ける。
「孤育て」って言葉、笑えないです。

私からひとつだけ。

保護者の感情は、びっくりするくらい子どもに伝わります。

だからこそ、たまには息抜きしていい。
いや、してください。

完璧じゃなくていいんです。

「今日も怒っちゃった」って思うなら、その夜、寝顔を見ながら「ごめんね」って思うだけでいい。

それができる時点であなたは十分すぎるくらい、いいお母さん・お父さんだと思っています。


最後に 相談にのる側から、親になる側へ

9年間、「大丈夫ですよ」と伝える側でした。

でも今、自分がお腹に命を抱えて思うんです。

あの頃の保護者の方たちの「ぽつり」が、どれだけの勇気だったか。

私はこれから、あの「ぽつり」を言う側になります。

正直に言うと、不安もあります。
自分が伝えてきたことを、自分がちゃんとできるのか。
「大丈夫ですよ」って言ってきた私が、大丈夫じゃなくなる日もきっとある。

でもね。

あの頃、お迎えの数分間に打ち明けてくれた保護者の方たち。
あの「ぽつり」が出てきた時点で、もう大丈夫だったんだと思います。

悩んでいる時点で、ちゃんと向き合っている。お子さんにも、その愛情伝わっています。

それだけで、十分すぎるくらいです。

私はこれから立場は変わるけど、
元保育士として、そしてこれから母になる一人として伝えたいです。

一人で抱え込まないでほしいなと思っています。

ここに挙げた10個の悩みの多くは、産後に余裕をなくしてしまうことから生まれます。
その余裕をどう守るか…
産前にできる備えを先輩ママ・パパの後悔を集めたランキングにまとめた記事もあります。
気になる方は、こちらものぞいてみてくださいね。


もし今、子育てで「しんどいな」って感じているあなたがいたら、
この記事のコメント欄に、今の気持ちを書いてみてください。
「スキ」やコメントで気軽に絡んでもらえたら、とても嬉しいです。

一緒にやっていきましょう。

ぼぶの自己紹介記事はこちら👇


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