(5)グランドデザイン思考とビジネスモデルー荒井宏之_a.k.a_ピンキー×宮木俊明
(4)グランドデザイン思考とビジネスモデルー荒井宏之_a.k.a_ピンキー×宮木俊明のつづきです。
越境して一次情報を得る
宮木 次の質問です。「質の良いミッションを打ち立てるために重要な要素、経験はなんでしょうか? インサイトを使うときのポイントもお願いします」
ピンキー 量です。質は量で担保します。コネクティング・ザ・ドッツが大事だという話を先ほどもしましたが、まずは、超幅広く浅く知識を持っていること。それから、H型人材と言われたりしますが、二分野ぐらいは深い知識を持っていること。これがないと、ビジョンを描くのはむずかしいです。
とくに大手企業にプロパーで入ってずっとその会社にいるという人たちは、そもそも既存事業を回すために採用されていて、つまり、同質的な組織のなかに同質な人が採用されているので、だいたい価値観が似通っている人たちが集まっているんですよね。もちろん、一人ひとり違うし、多様性はありますが。
たとえば食品メーカーだったら、みんな食品については詳しいけれど、それ以外ぜんぜん知らない。そういう人たちと日常的にディスカッションすることになります。必然的に価値観と情報に偏りが出ます。その状態で思いつくものは、役員が考えているものよりも壮大なものにはなりづらいですよ。アイデアが矮小だと言われてしまうゆえんです。越境して、幅広い情報や経験を手にすることが重要です。
情報量。できれば一次情報に触れる。そのためには人脈も越境しなければいけない。最初から一次情報を持っている人と仲良くなるのは非常にむずかしいことですが、そういう人脈を持っていそうな、たとえば、ボクらと仲良くなることが大事です(笑)。
宮木 ほんと、そうです(笑)
ピンキー だから、とりあえずボクらと飲みに行きましょう!(笑)

アウトプットを自分に強制する
ピンキー インプット量と同時にアウトプット量も大事です。スタートアップだと、ライトニングトークといって、チームの定例会議で、月に一回くらいは、自分が集めてきた情報をもとになにか話す、という機会があったりするんですね。「こういう未来ができると思います」とか、「こんなアイデアがあります」とか、もっとフランクに「こういうトレンドはこういう点でおもしろいと思ったんです」みたいなこととか。とにかくアウトプットをする。他人に語る。他人に理解してもらうためには自分の考えや感情を構造的に整理してアウトプットしなきゃいけないんですよね。
Xやブログで発信するのもいいと思います。とにかくアウトプットをするのが重要です。ある領域に限ってアウトプットしまくっていると、世の中からその領域の第一人者としてみなされるようになります。
ボクが本を書けたのもそのおかげなわけです。できれば毎日発信したいとは思っているんですが、忙しくて頻度は高くないですが、定期的にブログを書いています。最近は、人の成長、マインドセット、マネジメントについて書くことが多いですね。
宮木 私も参考にさせてもらってます。
ピンキー ありがとうございます。アウトプットしておくと、それが頭のなかで構造的にインプットされている状態になります。ボクは、一時期は、最近投資を受けたスタートアップを五つぐらいピックアップして、それに対するコメントを書いたりしていました。
試行錯誤しつつやっているんですが、PVがなかなか伸びないんですよね。そこが悩みなんですが、PVは第一目的ではなく、とにかくアウトプットを自分に強制することで必然的にインプットしなきゃいけなくなるので、そういう意味でもアウトプットを癖づけることから始めるのがいいです。
正解はないから、試し続けるしかない
ピンキー インサイトに関しても、思考実験を繰り返すことですね。正解じゃなくていいんですよ。日本の教育の最大の悪影響は、答えがある問題しか解かないこと。新規事業やイノベーションを起こす、未来のビジョンを考えるって、答えがないんですよ。考えるしかない。それが正解かどうかだれにもわからない。上司に「そんなわけないだろ」って言われたとしても、上司も答えを知っているわけじゃないのです。
とにかく、大量インプット、大量アウトプット。その過程で情報が蓄積されて醸造される。そして、考えまくる。これをやる以外にないです。センスは努力で磨けます。
宮木 数稽古しかないですよね。インサイトを掴む場合にも「もしかしたらこういうのがありかな」「これはありそうだな」って洞察しても、それが正解かどうかなんてまったくわからなくて、それでも当てにいくとか、なにかを試してみて検証すること。それらの試行錯誤を経て最終的に事業として立ち上がったら、あ、あの仮説は当たってたんだな、とそのときにわかる。やってみるまではわからないので、やり続けて正解をつくりあげるしかないんですよね。
ピンキー メンタリングで、5分、10分くらい話を聞いたら、どこがイケてないか、すぐわかるんですよね。それができるのは、やっぱりめちゃくちゃ考えているからですね。いまも、クライアントワークで、年間1000件くらいのアイデアを考えているんですよ。取るに足らないようなものまで含めて。
自分が携わった20の新規事業も、その裏側には200ぐらいのアイデアがあったんですよね。ボクは、大学生の頃から起業したくて、起業するためのアイデアをメモ帳にずっと書き溜めていました。
たまたま、ボクらはブログ世代だっていうところもあって、ブログは24〜25歳くらいからずっと習慣的にやり続けてきました。
DIY(出ろ、行け、やれ)でインサイトを得る
ピンキー インサイトを導き出すポイントを説明しようとすると、非常にむずかしいです。一言で「これだ!」と言い切れないのですが、ひとつは先ほど申し上げたように、顧客の口から出てくるものをそのまま真に受けない。本にも書いたことでいうと、「その人のリビングルームがありありと頭に浮かぶほど顧客を憑依させる」。これも、結局どうやって思考するか、ということなので、やはり考えまくるしかないですね。
宮木 私は、DIYをお勧めしているんです。読んで字のごとく、Do It Yourself
の略で、まずは自分でやってみる。顧客になりきる。
ピンキー あれ?「出ろ(Dero)」「行け(Ike)」「やれ(Yare)」じゃなかったでしたっけ?
宮木 そうです、そうです! よく知っていただいてありがとうございます。そこにつながる話なのですが、キリンがハートランドを売るときにビアホールをつくった逸話をよく紹介するんですけど、自分たちでビアホールを経営すると、、飲食店のことやそこを利用するビール好きのことがよくわかりますよね。キリンにとっては飲食店がお客様なのに、そのライバル店をつくるなんて、ふつうはありえないです。社内でも当然、反対の声があったと。でもそれをやるぐらい、ビール好きや飲食店のインサイトを欲してたっていうことなんですよね。やってみなきゃわからない。そして、やってみてめちゃめちゃわかったことがある、ということですよね。
ピンキー ボクも2、3年前、静岡の居酒屋で働きました。その飲食店の売上をどうやって上げるかというプロジェクトだったんですけど、現場に行って、そこで働いて観察したんです。そこで得られたインサイトは、「店長が把握している常連と、自分が常連だと思ってる客は一致しない」ということだったんです。自分はこの店の常連だ、と認識しているお客さんを、店長は常連だと思っていない。でも、このお客さんは、すごく大事なお客さんですよね?
ボクは店員をやりながら「一杯奢るので、ちょっとお話聞かせてもらえませんか?」って、お客さんから話を聞きまくりました。二ヶ月くらい、いたかな。
宮木 それはまさにDIYの体現ですね。 自分のテリトリーや生活範囲ではなくて(出ろ)、お客様の課題のど真ん中のとこに自ら出ていって(行け)、奢りながら話を聞いて気づきを行動につなげた(やれ)、ですね。
ピンキー ボクがサポートしてきた経験から感じるのは、創薬メーカーさんの方って、めちゃくちゃいいアイデアが出てくるんですよ。創薬メーカーさんでは、患者のことを知るために、病院での実地研修を設けている会社が多いんですよ。そもそも入社する人が、病気と闘うことをサポートしたいという思いがあるし、それに加えて、患者と触れ合う時間をつくっているんですよね。だから出てくるアイデアが非常にリアリティがあってすばらしいんです。
一方で、そうじゃない業種もあります。生活に密着したものをつくっていたりすると、自分もいち消費者だし、当たり前すぎてわかっているはずと思い込んでいる。現場に出ていかずに、マーケティングは広告代理店に、販売はスーパーやコンビニに任せてしまっている。だから現場感がない、矮小なアイデアしか出てこない。そういう傾向は感じます。まさに、DIY(出ろ、行け、やれ)の「出ろ」が重要なポイントですし、そこで差が出ますね。
ミッションは人からもらうもの
宮木 新規事業のミッションもですし、人生のミッションもそうだと思うんですけど、「人がくれるもの」だって、私はつねづね思っているんですよね。
ピンキー それは本当にそう思う。一時期、原体験が大事だって流行ったじゃないですか。ボクは原体験原理主義が大嫌いなんですが、原体験がないとビジネスはつくれない、スタートアップはできないみたいという主張は間違っています。原体験はいらないですよ。そんなものなくても、まさに「出ろ」をやるとそのプロセスで原体験化されます。
宮木 そうです。原体験はいまからつくればいいんですよ。
ピンキー それで、最終的に「この人をめちゃくちゃ幸せにしたいな」って思うかどうか、ですよね。ボクが先ほど話した飲食店に行ってたときは、ちょうどコロナが流行ってたときだったんです。めちゃくちゃうまい料理つくる人たちが、売上が上がらなくて続々と潰れていってたんですね。
この人たちのここまでの努力が水の泡になる、ということに加えて、このうまい料理は人類の財産だと思ったんです。それが消失するということは人類にとって大きな損失だって。やっぱり現場にいたから、実際に飲食店に立ってみてものすごく強く思ったんですよね。
DIY(出ろ、行け、やれ)によって、「原体験」が出来上がったときにミッションは言語化され使命感を感じる。
宮木 本当にそうだと思います。
さっき、アウトプットが大事だよ、という話もありましたが、それも本当にそうだと思っていて、自分でやりに行くこともアウトプットのひとつじゃないですか。そして、アウトプットすると、必ずフィードバックがある。
そのフィードバックとして、たとえば「他人が言った何気ないひとこと」なんかが、自分のなかになぜか突き刺さって、ずっとささったまま抜けずにいて、それに気づいたときに「あぁ、これが俺のやるべきことだったんだ」みたいに思うことが、私はけっこう多かったんですよね。(自分のミッションは)他の人がくれるものなんですよ。

対面でインタビューすることの副産物
ピンキー インサイトは、顧客インタビューのラスト3分ぐらいに入っていることが多いんです。もちろん、胸襟開いて話してもらうために自分の失敗話も折り混ぜながら、こちらも真剣に聞いて、相手もたくさん話してくれて、最後に「ありがとうざいました。最後になにか言い残したことありますか」って聞いたときに出てきた一言に、けっこういいものがあったりします。
宮木 わかります。インタビューが終わって、会議室からエレベーターホールまで移動する間の会話とか。
ピンキー そうそう、わかる! だから、できれば顧客インタビューは対面でやりたいですよね。ご時勢もご時勢ですし、やっぱりオンラインが中心になっちゃっていますけど、行けるものなら行ったほうがいいですよ。やっぱり、温度感というか、熱量はリアルなほうが伝わりますよね。まさにいまも、こうやって(宮木さんと)横に並んでるから楽しいし、盛り上がりますよね。対面だと、熱が伝播していく感じがあるから。
宮木 ほんとそうですね。顧客インタビューでの私の実体験なんですけど、いろいろ話してて、「あ、その話だったらあいつがいいわ」って、その場で社内の適任者を呼んできてくれたりするんですよね。あと、「ちょっと見ていく?」みたい話にもなったりしますし。こういう偶発的な動きがリアルだと起きるんですよね。
オンラインはオンラインでメリットもありますから、併用しながら、でもチャンスがあったら、やっぱりDIYで、実際に行くことを私は大事にしています。
ピンキー 早く本に書いたらいいんじゃないですか? DIYについて。
宮木 はい。準備万端ととのえておりますので、出版社の方、いつでもお声がけください(笑)
ビジネスモデル・キャンバスの使いどころ
宮木 さて、残り時間も少なくなってきましたが、あとひとつ、質問させてください。われわれは、ビジネスモデルイノベーション協会という団体で、ビジネスモデル・キャンバスをみんなで使っていこうぜって言ってるんですけど、ピンキーさんの『グランドデザイン大全』には、なぜビジネスモデル・キャンバスは出てこないんでしょうか?(笑)

ピンキー あぁそれは、たぶん著作権の問題ですね(笑)
宮木 いやいや違う(笑)。ふだん活用されているのか、あるいは活用しづらいと思っているのか、BMIAとしてもっとちゃんと普及啓蒙しなきゃいけないというときのポイントになりそうな気がするので、教えていただけたらうれしいです。
ピンキー ビジネスモデル・キャンバスに限らず、ボクはなるべくフレームワークを使わないようにしているんです。これは相手が大企業だからなんですが、先ほど申し上げたように、非常にまじめでいい方が多いので、キャンバスを渡すとめちゃくちゃ細かい字でぴっちり埋めてくるんですよ。
宮木 わかる!
ピンキー その時間があるんだったらインタビューに行ってこいよってことなんです。先ほどの、DIY(出ろ、行け、やれ)をやったうえで、現状どう考えているのかというスナップショットを整理するには良いツールだと思うんですよ。でもキャンバスを埋めたからといってなにか思いつくことはまずない。だから、それよりは、行動することが重要ですよっていうことを伝えたい。
だから、書籍にも、なるべくフレームワークは入れないように意識しました。フレームワークについては、それこそ扱っている本がたくさんありますので、わざわざボクが説明する必要もないので。宮木さんも書かれてますよね?
宮木 はい。フレームワークの本、出しております。

ピンキー 『グランドデザイン大全』は、DIYの「出る」ための指南書なんですよね。極端な話、整理なんかしなくてもいいと思っているというのが正直なところです。

宮木 動いてるうちに整理されていきますよね。われわれも、ブロックを埋めることが重要だと言っているわけではまったくなくて、ただ、ビジネスモデル・キャンバスを使うと、どんなビジネスかがひと目でわかるので、必要に応じてチームメンバーで共有したり議論するためのたたき台として使える。そういう使い方をわれわれも推奨しています。
ピンキー 最初のフェーズでは、顧客とVPくらいしか決まってないのに、キャンバスが目の前にあると、どうしても「埋めなきゃいけない」みたいな気持ちになりますよね。それで基本的には使ってないです。すみません。使ってなくて。
宮木 いえいえ、ぜんぜん大丈夫です。私がこの本のなかで、「ここにあってもいいんじゃないかな」と思ったのは、たとえば書籍の48ページあたりのSWOT分析やPEST分析等で自社の置かれてる環境を理解しましょうというページ。ここで、実は市場環境や戦略レベルの話だけでなく、自社のビジネスモデルをちゃんと理解しておいたほうがいいだろうなと思ったんですよね。
ピンキー たしかに。
宮木 自社のビジネスについては、社員なら当然、知り尽くしてるはずですよね。だけど、ビジネスモデルを構造化したときに、部署によって、場合によっては、同じ部署の人でも、見てるお客さんがぜんぜん違ったりするんですよ。
言葉の定義の問題とか、フレームワークへの慣れの問題もあるんですが、もっと根本的なところで「見てる世界が違う」ということがわかるんですよね。チームのなかでお互いにそれを理解しておくこと、そのずれに気づくことはすごく大事なんですよ。
ピンキー そうですね。じゃ、ちょっと、書き加えてもらっていいですか?
宮木 増刷するときには、ぜひ(笑)
ピンキー たしかにそうですね。ボクらがやるときは、それをコンサルタントであるボクらが客観的に、IR資料と内部での検討資料から分析するんですよ。だから、その発想はなかったです。それはいいと思います。そういうワークショップあるんですか?
宮木 あります。よかったら、協働メニューでお願いします。
ピンキー たしかにそれはいいですね。提案します。
宮木 はい。ひとつアライアンスが生まれました(笑)。

チーム内で共有する道具として使って欲しい
宮木 もうひとつは、ビジネスモデルを再検討するとき。書籍でいうと9章のあたり。チャネルが変わるよね、とか、新しいパートナーが必要ですね、とか検討するときに、ビジネスモデル・キャンバス上でシミュレーションができるんですよ。ここが変わったらこっちはこう変わる、みたいに、ビジネスモデル全体を見直すことができる。だから、ビジネスモデルの進化とか変化をチーム内で共有する道具として、やっぱりこれは真骨頂ですよ、ビジネスモデル・キャンバスが。
ピンキー それで言うと、そもそも「ビジネスモデル」という言葉が広すぎるので、定義から入りたいですね。
ビジネススキーム(流れ)の話と利益構造・原価構造の話。それから、ステークホルダーの話。どこを指して「ビジネスモデル」と言っているのかが人によって若干違う。それに困ってます。
宮木 ビジネスモデルとは「儲けの仕組み」と捉えている方が多くて、だけど、キャッシュフローの部分だけじゃないんですよね。
どのように価値を生み出して、それをどのように届けていくかを構造的、論理的に示すものがビジネスモデルなので、いまおっしゃったようなことは、実はビジネスモデル・キャンバスを使うことで一枚絵で見せることができます。そして、それを見ながら話すことで、「あなたが言ってるのはここのことね。私はこちらのことを言ってるんです」というように共有化されていくという効果があるんですよ。
一歩目はバリュー・プロポジション・キャンバスを
ピンキー もうひとつ、サービススキーム、サービスモデルの話がビジネスモデルから抜ける可能性がありませんか。圧倒的な顧客体験の設計の話が欠落してしまう人が多いなという印象があります。
やっぱり事業のいちばん最初は「このキラーアプリケーションが圧倒的なカスタマーエクスペリエンスをつくっているから競合製品からスイッチする」という話だと思うので、一歩目からビジネスモデル・キャンバスをつくるよりは、顧客そのものの解像度を高めることが中心にあるほうがいいし、そこに重きを置きたいです。
宮木 さすがですね。それもツールがあるんですよ。バリュー・プロポジション・キャンバスというものがございまして(笑)。まさにプロダクト・マーケット・フィットを確認するものです。キラーアプリケーションになりうるのかどうか、顧客の深いインサイトやジョブを定義して、それにどう突き刺さるのかを可視化するものなんですよね。

ピンキー なるほど。そうか、ボクらはどちらかというと毎日のようにいろんなビジネスモデルや、そのサービスモデルとかバリュー・プロポジションを整理していて慣れているので、キャンバスを使わなくてすんでるところが正直ありますね。
宮木 慣れている方は、頭のなかで組み立てられちゃいますからね。
ピンキー そういう意味では、Miroが便利すぎます(笑)。基本的にすべてをMiroにプロットして、その場で整理する。もちろん、きれいに整理することが仕事ではないので、ある程度整理できたら、次の仮説に進んでいく。
DIYの結果を整理するためにフレームワークを使う
ピンキー いま、話をしていて、キャンバスに整理することはやってないが故に本に書かなかったのかもしれないと思いました。それと、初級編として書いたわりにはどうやってアウトプットするのかがちょっとむずかしいかもしれないと気づきました。初めての方にはフレームワークでまとめましょうというやり方のほうがわかりやすいのか……。
いや、でも重要なポイントは、先にまとめるんじゃなくて、DIYで行動した結果をスナップショットでまとめるためにフレームワークを使いましょう、ということ。それがボクがいちばん言いたいことですね。
宮木 そこはもう完全にアグリーです。都合の良い空想ではなく、DIYで一次情報があったうえでの共有ですからね。
ピンキー わかった! 『ビジネスモデル・ジェネレーション』と『グランドデザイン大全』をセットで、一緒に読むと、非常にわかりやすくなるかもしれない。

宮木 それはまさに!! ただ、この本(ビジネスモデル・ジェネレーション)はこの本ですばらしいんですけど、読んだだけだと「実践がむずかしい」という声もあります。それでわれわれはこの本を翻訳した小山龍介さんが開発した講座を提供し、実践できる人やサポートできる人を増やす活動をしています。

決して書いて満足、埋めて満足ではなくて、行動が伴ってこそのフレームワークであるということ。この重要な点を改めて強調する機会になり、私もうれしいですね。DIY信者としては。あ、教祖でもありますね(笑)
未来を妄想し、青臭く語り合おう
宮木 さて、あっという間ですが、そろそろ終了の時間ですね。最後にピンキーさんからみなさんへメッセージをお願いします。
ピンキー いちばん伝えたいことは「未来を妄想しろ」です。企業のなかでは妄想話は会議で上から潰されてきたと思うのですが、でも、イノベーション、新規事業、既存事業においてさえ、未来をどうつくるかが非常に重要です。ひとりで妄想することが重要だし、妄想が語り合える青臭い仲間も必要です。
妄想を語り合える仲間っていいですよ。ボクらは、40になっても青臭い妄想を語り合ってます。今日のこの場も、青臭い妄想を披露しました。「未来を青臭く妄想しろ」というのがいちばん伝えたいメッセージです。そして、「ちょっと妄想につき合って欲しい」ということがあれば、ボクらを呼び出していただけたら。
宮木 そうですね!
ピンキー 夜中1時まででも2時まででも、なんなら朝8時ぐらいまでいけます(笑)。お酒飲みながら妄想を語り合ったりする、そんな時間を3ヶ月とか半年に1回設けるのは大事かなと思います。

宮木 ありがとうございます。今日のセッションをきっかけに、今後も引き続きみなさんの妄想がどんどん膨らみ、それがひとつでも多く社会に実装されていくのを祈念してウェビナーを終了したいと思います。
みなさん、ありがとうございました。
(完)
登壇者プロフィール
荒井 宏之 a.k.a ピンキー
キュレーションズ株式会社 取締役CSMO / エグゼクティブ・ストラテジー・デザイナー
1982年神奈川県横浜市生まれ。明治大学理工学部を卒業。在学中からエンジニアとしてWebサイト制作、SEOエンジニアリング、アクセス解析アナリストを経験。アーキタイプ株式会社にてIT領域の技術/潮流をベースとした中堅〜大手企業向けの新規事業コンサルタントにジョブチェンジし、グリー株式会社など複数のメガベンチャーにおいて新規事業立ち上げに注力。その後、複数のシードフェーズ・スタートアップにてCEO、CSO、アドバイザーなどを歴任し、経営戦略・マーケティング・事業開発・人事などを担当し、スタートアップ及び大手企業新規事業の事業戦略立案を外部からサポートするチガサキベンチャーズ合同会社を創業。2019年8月にキュレーションズに参画し、現職に至る。
note 〜ほぼ日刊の思考実験ブログ
新規事業サプリ」 〜事業創造メンターのワンポイント・コラム
「天気晴朗ナレドモ浪高」 〜ビジネスにおけるTipsコラム
宮木俊明(BMIA代表理事)
コニカミノルタ株式会社 ビジネス開発グループリーダー
Growth Works Inc. CEO
Trained facilitator of LEGO® SERIOUS PLAY® method anddmaterial
6seconds Certified SEI EQ Assessor & Brain Profiler
親子の休日革命 代表
ミッション:社会に挑戦者を増やすために、挑戦者を支援するとともに、自らもイノベーションに挑戦し続ける
大学卒業後、葬儀会社勤務、音楽活動を経て、商社の法人営業として2011年から3年連続トップ営業を達成しつつ、社内業務変革(今で言うDX)でも成果を挙げた。
2014年に創薬研究支援スタートアップとしてディスカヴァリソース株式会社を設立し、代表取締役に就任。大手製薬企業に採用された国内初の研究支援サービスは現在も活用されている。
2019年に教育ITベンチャーにジョインし、No.2として法人事業部門を統括するとともに、自らコンサルタント・講師として、全国の人と組織と事業の成長支援に奔走。
2021年からはコニカミノルタ株式会社のビジネス開発グループリーダーに就任。新規事業開発・人材開発・組織開発の「三位一体開発」による既存事業部発のイノベーションとして、印刷業界全体のDXに挑戦中。
BMIAには2015年から所属し、ビジネスモデル・キャンバスやバリュープロポジション・キャンバスを活用した新規事業開発コンサルタントとして活動開始。
2016年に経済産業省が主催するグローバルイノベーター育成プログラム「始動2016」に採択。イノベーターとしてのスキルセットとマインドセットを磨き、最終選考を経てイスラエル派遣メンバーに選出された。
2017年よりライフワークとして誰一人として親子の時間を犠牲にせず親子の学びと成長を支援するワークショップ・プログラム「親子の休日革命」を推進中。
2019年、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏のソーシャルビジネス・デザイン・コンテスト「YYコンテスト2019」のグランドチャンピオン大会に出場し優勝。日本代表として世界大会への出場決定 (新型コロナの影響で延期中)
2020年にソーシャル・ビジネス・カンパニーGrowth Worksを創業。イノベーションを志向した教育・新規事業開発・人材開発・組織開発の講師・コンサルタント・ファシリテーターとして、研修やワークショップの提供を通じて人・組織・事業・地域社会の成長を支援中。
著書:
『ひらめきとアイデアがあふれ出す ビジネスフレームワーク実践ブック』エムディエヌコーポレーション (2020/7/28)
『仕事はかどり図鑑 今日からはじめる小さなDX』エムディエヌコーポレーション (2021/10/22)
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