4-1 カフェ・ドゥ・マゴにて
*注意*
本作は『ジョジョの奇妙な冒険』および『クレイジー・Dの悪霊的失恋』をもとにした非公式の二次創作です。
原作および出版社とは一切関係ありません。
おもいっきりネタバレしています!!!
1999年7月。
高く伸びた晴れ渡った青い空が、梅雨明けが間近と告げていた。
退屈な授業から解放された学校終わりの学生たちが、夏休み前の浮き始めた足で、あちこちに制服姿を見せる時間になった。
ここ杜王駅南口近くのカフェ「カフェ・ドゥ・マゴ」でも、3人の男性学生が制服姿でテーブル席に集まっていた。
1人は、160cmいかないぐらいの小柄で詰め襟の制服の、真面目そうな学生。
もう1人は対照的に、英字入り改造学生服に剃り込み、180cm近い大柄で、いかにも不良、といった風貌。
最後の1人は、リーゼントの髪にハート型の改造学生服をきた180cm超えの不良風の学生、東方仗助である。
残りの2人は、広瀬康一と虹村億泰。3人ともふどうヶ丘高校の1年生である。
さらに、3人ともスタンド使いだった。
4月から、多くのスタンド使いと出会い、スタンドでの戦いを繰り広げてきた3人は、戦いを通じて強い絆を紡いだ仲間となっており、気の置けない友人たちだった。
先日、長く探してきた敵を撃ち倒し、一息ついて、やっと心からのんびりと過ごすことができていたのだった。
幽霊の導く不思議な戦いだった。
「そういえば仗助くん。ジョースターさんたちがアメリカに帰るの、今日じゃあなかったっけ?」
康一が仗助に尋ねた。
「いやあ、2、3日延期になったって。ジジイが今朝、ちょっと熱出したとかでよお。」
「え? 大丈夫なの? ジョースターさん」康一が心配そうな顔を見せる。
「ああ、軽い風邪とかで大したことねえって。 念のため休養するってさ」
「そうなんだ。早く良くなるといいけど、帰っちゃったら寂しくなるね。見送りには行くんでしょう、仗助くん?」
「うーん……」
仗助は、背もたれにそっくり返るように椅子に前の方に座り、テーブルからコーヒーカップを取ると一口飲んだ。
「別にいいかなーガッコーあるしよー」
康一が驚いて椅子から立ち上がりながら聞き直した。
「え? なんで? 行きなよ! もうすぐ夏休みで授業ほとんどないじゃない?!」
「もう挨拶?したしなー」
康一の横で、テーブルに肘をついて黙って聞いていた億泰が、口を開いた。
「行っといたほうがいいんじゃあねえかあ、仗助~
アメリカ帰っちまったら、今度いつ会えるかわかんねえんだろ~
言いたかねえけどよお~ ジョースターさんだって、年なんだしよお~」
「そうだよッ!行ったほうがいいよ!」
2人に言われて、仗助は両手を頭の後ろに回し、考えるふりをした。
「うーん……」
2人の言いたいことはわかっている。
この春、仗助が15歳すぎて初めて会った父親、ジョセフ・ジョースターは、79歳という高齢だ。
何かあったらこれが今生の別れになってしまう。
(……ってもよお~ 会って何話せっつーんだよお~
お父さんまた会いにきてねって、涙流して抱きつけっつーんかよ~)
ふと思い出した仗助は、制服の胸ポケットから、小さな紙切れを取り出した。
その時「カフェ・ドゥ・マゴ」の入り口のドアベルがカランと鳴って、仗助は振り向いた。
