最近読んだ本⑭
あさひは失敗しない / 真下みこと
過保護な母親に守られて生きてきた大学生のあさひ。初めての恋によって生まれた母への秘密。「あさひは失敗しない」呪文のように繰り返し言い聞かされてきたあさひは、失敗とどう向き合うのか。
人はそう簡単に変わらない。それは、幼少期から形成された思考を変えるのは非常に難しいからなのではないか。傍から見れば間違いだとすぐわかることに気付くこと、気付いたとしても間違いだと認めることができない。だからこそ、蓄積されて固まったそれを打破できた人は、強い。きっと彼女はまた失敗する。何度も失敗して、その度に強くなるのだろう。
あの人は蜘蛛を潰せない / 彩瀬まる
長い間母と娘の二人で暮らしていた。あんたはどんくさいから、何もできないから、可愛くないから。母に言い聞かされてきたせいで自信を持てずに生きてきた主人公が、大学生の彼に恋をした。
母が大切だから、感謝しているから、可哀想だから。初めての恋人と過ごすようになり、社会人になっても尚離れられず、離れる必要もなかった母との関係を疎ましく感じ始める。勇気ある第一歩を踏み出すことで、共依存の関係を断ち切り、それぞれの人生を歩み始める。ベランダから見える花が優しく美しく見えたり気持ち悪く恐怖を感じたり、その時の心情によって描写が変わっていく表現が、なまめかしくも迫力と説得力があり、とても好きだった。
娘に対する過保護毒母親シリーズはこの作品に限らず多数ある。
母×息子はマザコン扱いになり、息子が母に反発する例は少ない。父×息子はどちらかというと「厳格に育てられた」という感じで、価値観の強要により息子が苦しむことが多く、反抗期でない限りあまり反発はしない気がする。相手を徹底して支配しようとするのは母×娘がほどんどだ(私調べ。同じようなもの・違うものがあったら是非教えてほしい)。
女性の方が相手に依存しやすく、さらに同性である娘と自分を重ね合わせ、自分ができなかった無念を娘を使って晴らそうとする、もしくは自分が親にされたことを娘にもしてしまう、という感じだろうか。自分の腹から出てきた、尚且つ父親が働きに出ている間も付きっきりで育て上げた我が子は、分身のように感じるのだろうか。逆に息子のことは完璧にマザコンに育て上げられるのは、相手が異性だから調教しやすいのだろうか。なぜ息子は見事に丸め込まれてしまうのか。生物学上?そういうもんなのか。家族とは、血縁とは、時に実に面倒くさい。
