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30日Python #1 ブラウザだけで、プログラミングを始める(Google Colab編)

「読むデータ」は、臨床医・医学研究者のための、Pythonと機械学習の連載。プログラミングの技術を身につけることから始め、自分のデータを「読み解く」力を鍛える。今回の#1では、その第一歩として、ブラウザでGoogle Colabを開き、最初のコードを動かす。インストールも、難しい設定もいらない。所要時間は5分。読むのに3分、手を動かすのに2分。


「環境構築」で、心が折れる経験

いつだったか、プログラミングくらいできた方がいいと思い立って、入門書を開いた。

最初のページに書いてあったのは「まずは環境構築から」。指示通りに何かのソフトを入れ、画面の言う通りに進めたはずなのに、見慣れない英語のエラーが赤い文字で並ぶ。検索して出てきた解決策を試すと、また別のエラーが出る。

コードを一行も書かないうちに、夜が更けて、そっとパソコンを閉じた。

——そんな経験は、ないだろうか。

あなたが悪いのではない。多くの入門書が、この最初の坂で、読む人を静かに振り落としてきただけだ。


要点

  • Google Colabを使えば、インストールなしでブラウザの中でPythonが動く。必要なのはGoogleアカウントのみ。

  • コードは「セル」という箱に書き、再生ボタン(または Shift + Enter)で実行する。結果はすぐ下に表示される。

  • まずは1行、計算を一つ動かすだけでいい。プログラミングは、ときに根気よく「書いて、動かす」の繰り返しでしかない。


1. Colabを開く

ブラウザで以下をクリックして開く。

次に、Googleアカウントでログインし、その状態で、「ノートブックを新規作成」(New notebook)をクリックする。これだけで、コードを書いて動かす準備が整う。

なお、Googleアカウントを持ってない場合は、以下からGoogleアカウントを作成してからログインすればよい。

画面の中央に見える、横長の四角い枠。これが「セル」だ。ここがコードを書く場所だ。


隙間時間に読むのはスマホ、実際に手を動かすのはパソコンを推奨

ColabはWEBサイトであるため、スマートフォンからでも開いて実行できる。ただし、記号の入力や表の表示の都合で、手を動かす実習はパソコンが断然やりやすい。隙間時間に指で読むのはスマホ、実際に手を動かすのはパソコン、と使い分けることをおすすめする。


2. 最初のコードを動かす

セルの中に、次の1行をそのまま打ち込んでみよう。

1 + 1

打ち終わったら、セルの左にある再生ボタン(▷)を押す。キーボードならShiftキーを押しながらEnterを押すでも構わない。同じ結果が得られる。

先ほどのセルのすぐ下に、こう表示されたはずだ。

2

おめでとう。これで、あなたは初めてPythonのプログラムを動かした。第一歩である。

大げさに聞こえるかもしれない。だが、この「セルに書いて、実行して、結果が下に出る」という流れこそ、これから30日でやることのすべての土台だ。

機械学習のモデルを作るときも、やっていることは結局これと同じ——セルに書いて、動かして、結果を読む。その繰り返しでしかない。

3. 文字を表示してみる

計算だけでなく、文字も扱える。新しいセルを追加して(左上あたりの『+ コード』をクリックして)、次のように書いて、実行してみよう。

print("Hello, 読むデータ")

下にこう出れば成功だ。

Hello, 読むデータ

print( ) は「カッコの中身を表示せよ」という命令。これから何度も使う、最も基本的な道具のひとつだ。中身の文字は、ダブルクォーテーション " " で囲む決まりになっている。今の段階では「そういうものだ」と思っておけばいい。


今日の実習(2分)

新しいセルを一つ追加して(画面上の「+ コード」をクリック)、次の二つを試してみよう。

  1. 100 * 7 を実行して、結果が 700 になることを確かめる

  2. print("あなたの名前") の「あなたの名前」を自分の名前に書き換えて実行し、自分の名前が表示されることを確かめる。


今日のまとめ

ブラウザでGoogle Colabを開き、セルにコードを書き、実行する。プログラミングの入り口は、たったこれだけだった。安心して欲しい、「別の世界の話」だと引いていた線を、あなたはもう一歩またいでいる。昨日までの自分とは違う自分を。


次回、第2回「コンピュータに、覚えさせる」

数字や文字に名前をつけて保存する「変数」を学ぶ。データを扱う、その第一歩だ。

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