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破産だけじゃない。人生を再スタートさせるための"会社の畳み方カタログ"

「もう・・・破産しかないのかな」

ここ最近、寝る前にこの言葉が頭をよぎる。

来月の支払い。社員の給料。家族の生活。

考え始めるとキリがないのに、頭は勝手に回り続けて、気づけば朝の3時・・・

どーも!!!

SNS総フォロワー17万人の弁護士法人mamori代表「弁護士ビーノ」こと、日比野大です。

私は法人破産や事業再生の現場で、こういう深夜のループに入った社長さんを、数えきれないほど見てきました。

そして相談に来た時、ほぼ全員が同じセリフを言うんです。

「先生・・・ここで会社畳んだら、俺の人生もう終わりですよね?」

その「畳む=人生終了」って昭和の感覚、どこかで誰かに刷り込まれてません?

ハッキリ言いますけど、それ、もう令和ではとっくに賞味期限切れの思想です。

令和の経営者にとって、会社を畳むのは人生の終わりじゃなくて、“次のゲームに進むための、ただのセーブポイント”

実は私自身、過去に経営判断を完全にミスって、1,000万円以上のキャッシュを溶かした経験があります。

さすがに一晩落ち込みましたが、損失が確定したときに頭に浮かんだのは・・・

「起きてしまったことはしょうがないから次のこと考えよ。」
「とりあえず今いるメンバーはクビだな」

ってこと。

でもこれが、経済合理性で動く経営者の標準仕様なんですよ。

たまに「社員と心中する覚悟です!!!」とか言って、社長個人のカードローンと家族の貯金まで全部燃やしつくして倒れる人がいますが、それ美談でも何でもなくて、ただの巻き添え事件です。

今回は、令和の経営者が絶対に押さえておくべき「会社の畳み方カタログ」を一気にお見せします!!!


「破産で進めましょう」と言われたら、その判断は疑っていい

「会社を畳む」と聞いて、即座に“破産”の二文字が浮かぶ社長さん、めちゃめちゃ多いです。

というか、他の弁護士に相談に行った社長さんがよく言うんですよ。

「もう破産しかありませんね」って5分で結論出されたって。

いやいや、5分で会社の幕引きを決められてたまるかって話ですよね。

流れ作業みたいに「破産」の二文字を出してくる弁護士もいるんですよ。

そういう人に限って、あとでお話する“第二会社方式の組み方”なんて1回もやったことないんですけどね。

そして、これがそもそもの不幸の始まり。

実際には、会社の幕の引き方には、ざっくり分けても5つのルートがあります。

①通常清算 = 借金を全部返せる状態で、自主的に閉じる
②特別清算 = 債務超過だけど、債権者と話し合いで穏便に閉じる
③民事再生 = 会社を残したまま、借金を圧縮して再建する
④事業譲渡・第二会社方式・M&A = 価値ある事業だけ救出する
⑤破産 = 裁判所主導で、会社を完全に解体する

“破産”は、5枚あるカードのうちのたった1枚です。

それなのに、多くの社長は残り4枚の存在を知らないまま、勝手に手札を1枚に絞って経営ゲームに負けてしまうんです

病院で例えるなら、5つの治療法があるのに「もう手術しかありませんね」と即決されるようなもん。

セカンドオピニオンも何もなく、いきなり最終手段。ふざけるなって話です。


令和の出口戦略カタログ。あなたが取れる手は何枚残ってる?

しかも怖いのが、動き出すタイミングが遅れるほど、使えるカードが1枚ずつ消えていくということ。

というわけで、まずは今のあなたに何枚カードが残ってるか、自己診断してみましょう。 

①通常清算 = 余裕のあるうちに、サクッと畳む

借金もないし、会社の財産で全部支払いができる、優等生パターンの撤退です。

「後継者がいない」「業界の将来見えない」「もう疲れた」など、社長の意思で会社を閉じます。

借金が残らないので個人へのダメージもゼロ。畳んだ後に手元にお金を残せる、令和では一番イケてる選択肢です。

「赤字じゃないのに畳むのはもったいない」とか言ってくる外野は無視してOK。

そういうこと言うやつに限って、自分は何のリスクも取らずに居酒屋で「俺ならもっとうまくやれる」とか語ってるだけの人種ですから。

1円も会社にコミットしてない人間の意見なんて、聞く価値ゼロ。

会社の出口を決めていいのは、社長と、その家族だけです。

売れる状態のうちに売る、引ける状態のうちに引く。これが現代の合理的経営です。

②特別清算 = 揉めずに、こっそり閉じる

通常清算と破産の中間にある、ちょっと玄人向けの選択肢。

借金は残るけど、債権者の頭数で過半数、かつ債権額ベースで3分の2以上の同意が取れれば、裁判所の手続きで穏便に閉じられます。

破産が「全債権者を裁判所が呼びつけて強制処理」なのに対して、特別清算は「主要な債権者と事前に握ってから裁判所に持ち込む」イメージ。

「破産」というレッテルを避けたい時や、親族間の事業承継で旧会社をスッと整理したい時の、いぶし銀の一手です。

③民事再生 = 会社を残したまま、借金だけ圧縮する

ここからは「畳む」というより「外科手術」のフェーズ。

借金を大幅にカットしてもらいながら、会社の経営自体は社長が続けます。

「商品も顧客も従業員も価値があるのに、過去の借入だけが重すぎて死にそう」

そんな会社の延命装置です。

ただし、それなりの体力(手元資金と事業の収益力)がある会社じゃないと使えません

完全に息切れしてから来ても、もう間に合いません。

④事業譲渡・第二会社方式・M&A = 価値あるとこだけ救出する

ここが令和の経営者が一番知っておくべき切り札です。

「会社全体を抱えたまま再建するのは、もう重すぎる。でも、本業のサービスや顧客リスト、優秀な従業員には間違いなく価値がある」

そんな時に、収益性のある事業だけを新会社(スポンサー企業や、社長が新たに作る別法人)に移し、重い負債は元の会社に残して清算するスキームです。

ただし、綺麗に「価値あるとこだけ救出、負債だけポイ捨て」というわけにはいきません

新会社は、事業の対価を旧会社に適正な金額で支払う必要がある
(タダで持ち出すと詐害行為扱いされて手続きごと崩壊する)

・不採算事業のスタッフは、新会社に移れないケースがほとんど
銀行や主要債権者の事前合意が取れないと、そもそも組めない

つまり、何かを救うために、何かを切る覚悟が要る手法。

それでも、会社丸ごと沈むよりは、価値のある部分を生き残らせて社長と一部の従業員が次に進めるぶん、破産一択よりよっぽどマシな着地ができる。

「全員救えるわけじゃないけど、救える部分は救う」、これが令和の現実的な撤退戦略です。

私が実際にやった案件を一つ。

業績は悪くないのに、過去のコロナ融資の返済据置が明け、人件費と家賃の値上げが重なって資金繰りが詰まった、都内で飲食店を5店舗展開していたB社長。

「先生・・・来週、5店舗分の家賃と給料で600万、足りないんです。もう個人の貯金も、生命保険の解約金も、全部突っ込んだのに・・・スタッフに『今月、給料出ません』って、どうしても言えなくて・・・先生、俺、これもう終わりですか?」

味も評判もいい店が3つ、リピーターもついてる、スタッフも辞めずについてきてくれている。

なのにコロナ融資の返済負担と、不採算な2店舗の閉店判断が半年遅れたツケだけで、息ができなくなっていました。

私はB社長にハッキリ告げました。

儲かってる3店舗とそのスタッフだけ、新会社に移しましょう。残りの2店舗と借金は、こっちで処理します

水面下で銀行と粘り強く交渉し、第二会社方式で収益性のある3店舗とそこで働くスタッフを新会社へ移管

経営者保証ガイドラインも併用して、社長の自宅も守り抜きました。

もちろん、不採算店の閉店と、そこで働いていたスタッフの整理という痛みを伴う決断もあったので、社長にとっては苦しい判断だったと思います。

でも後日、B社長が言った一言が、忘れられないんですよ。

「先生・・・今月、3店舗のスタッフに給料、ちゃんと払えました。残りの2店舗のメンバーには、本当に申し訳ないことをしたけど、全員と一緒に沈むのが正解じゃなかったって、今ならわかります

これが、令和の撤退戦略の威力です。

ちなみに「事業を残せるかどうか」と同じくらい大事なのが、「社長自身が倒れた時に会社を止めない準備」です。

撤退戦略を考える前に、そもそも倒れて意思決定ができなくなったら全部終わるので、こちらも合わせて読んでみてください。 

⑤破産 = 最後の砦。でも“終わり”じゃない

破産は確かに「会社を完全に解体する」手続きです。

でも、これで社長個人の人生まで終わるわけじゃありません

法人と個人は法律上“別人格”。

経営者保証ガイドラインという国が用意した救済ルールを使えば、個人の自己破産では手元に99万円しか残せないところを、最大360万円程度の現金+自宅まで守れる可能性があります。

つまり、「破産しかない」って思ってた状態でも、ちゃんと武装すれば自宅も家族も守れるんですよ。 


動くのが遅れた瞬間、カードは1枚ずつ消えていく

さっきも言いましたが、会社の状態と動き出すタイミングで、使えるカードの枚数はまったく違います

①通常清算 = 借金を全部返せる状態で、自主的に閉じる
②特別清算 = 債務超過だけど、債権者と話し合いで穏便に閉じる
③民事再生 = 会社を残したまま、借金を圧縮して再建する
④事業譲渡・第二会社方式・M&A = 価値ある事業だけ救出する
⑤破産 = 裁判所主導で、会社を完全に解体する

・余力あり(黒字 or 微赤字)→ ①〜⑤すべて使える
・赤字だけど運転資金は回ってる → ②〜⑤
・銀行への返済がきつくなってきた → ③〜⑤
・支払いが連続で滞った → ④か⑤
・社長個人の信用も焦げついた → ⑤しか残らない

「ヤバいかも」と思った瞬間に動けば、選び放題。

逆に「あと3ヶ月だけ耐えれば」と粘るほど、選択肢は1枚ずつ消えていきます。

私が現場で一番もったいないと感じるのは、個人の貯金と生命保険の解約金まで会社に投入し、スッカラカンになってから来る社長

しかも、こういう社長さんに「なんでもっと早く来なかったんですか」って聞くと、だいたい同じ答えが返ってくるんですよ。

「税理士に相談したら、頑張りましょうとしか言われなくて・・・」
「他の弁護士に相談したら、"破産で進めましょう"って言われて、それ以外の話が出てこなくて・・・」

頑張ってどうにかなる段階はとっくに過ぎてるんだよ!!!

破産以外の選択肢を見せないなら、それ専門家として仕事してる?って毎回イラついてます。

「3ヶ月前に来てくれていたら、自宅も事業も残せたのに・・・」

これ、本当に言いたくないセリフ第1位です。


令和の社長は「畳み方」を知っている人が勝つ

平成までの社長は、根性で会社にしがみついて、燃え尽きるまで戦うのが美学でした。

でも今は違います。令和を戦うあなたはダメな事業はサクッと畳んで、次の事業で戦い直すのが鉄則。

会社を畳むことは、経営の失敗じゃない。

赤字事業を整理して、戦略的に撤退して、次のフィールドで戦い直す・・・

それは、世界中の経営の世界で当たり前にやられている合理的判断です。

法律も、そのための仕組みをちゃんと用意してくれています。

私自身、1,000万円溶かしてほぼ全員をクビにせざるを得なかった時に思ったのは、「会社の生死と、社長の人生の生死は、完全に別物だ」ということ。

ちなみに、会社の経営が傾き始めると、優秀な社員から先に「弁護士付きの退職代行」で抜けていく可能性も出てきます

社員側がどんな手札で戦ってくるか、こちらの記事で全部公開しているので、自社の労務リスク把握としても読んでおいて損はないです。

法律は、知っている者の味方です。

会社の出口は、破産だけじゃない。
令和の経営者には、令和の畳み方がある。


それさえ知っておけば、今夜は少しだけ眠れるかもしれません。

経営判断に迷ったら、いつでも公式LINEからご相談くださいね。 

ではでは、また。

◾️ 弁護士法人mamori
代表弁護士 日比野 大(弁護士ビーノ・東京弁護士会所属49302)
※法人の出口戦略や資金繰りに関するご相談は、公式LINEから毎日受け付けています。
noteを見た」とお伝えいただければスムーズです。

◾️ 会社の借金についても、ご相談は「公式LINE」からどうぞ
https://s.lmes.jp/landing-qr/2000008544-qYYB3yR5?uLand=ODxct2

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