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アニメツーリズムとマンホール

アニメーションでは実在の場所をそのまま舞台にしたりモデルにしたりすることがある。ファンが聖地としてあがめて聖地巡りをして、作品内と寸分たがわぬ画角で写真を撮ったりする。
これが実写だとロケに制約があったりで、設定上の場所と実際のロケ地が大きく異なることも多いが、その点アニメは実景どおりの精緻な背景画にキャラを重ねることは自由。
四国八十八ヶ所になぞらえて、毎年アニメ聖地88箇所が選定されている。前回から続いて選ばれるところもあれば、入れ替わるところもある。

ファンの「聖地巡礼」からの経済効果を目論んで観光客誘致の仕掛けをするのがアニメツーリズム、と言える。人を呼び込むならスタンプラリーなどのイベントを放映中や放映直後に開催するのが効果的だが、人気作品だとその後も作品のファンを恒常的に呼べて人寄せ効果がある。
駅にキャラクターのパネルなどを置くのが分かりやすい例だが、屋外に設置できて訪問するのに時間的な制約もないのが特別デザインのマンホール(正確にはマンホール蓋)の設置。
多くは駅前や駅周辺に設置されるが、作品の舞台(聖地)に設置される例も少なくない。複数デザインを作成した場合には舞台となる場所に設置することが多そう。

これだけ見ると何の作品か全く分からなさそう

それにマンホールカードの配布も加えれば、アニメ自体は知らないマンホールカードのコレクターも訪れるので効果は倍増する。ただしその分カードが品切れ状態になるおそれも高くなり、欲しい人が入手できない事態となりかねない。マンホールカードの配布は無料なのでコレクターも多いが、品切れでレアとなると転売されるリスクも出てくる。無料配布ということは逆にいうと自治体側で予算が確保できないと追加配布は難しい。よく再配布は時期未定などと貼り紙してあるのはそういうことだろう。


ポケモンマンホール(ポケふた)

ポケモンことポケットモンスター。世界的にも有名で様々なキャラクターがいる。このマンホール蓋を株式会社ポケモンが自治体に寄贈する形で、いまや300枚以上が全国に設置されているという。
その枚数なら全都道府県制覇しているのだろうと思ったら意外にそうでもない。下のサイトで簡単に設置自治体や詳しい設置場所が分かるが、山形県、茨城県、群馬県、山梨県、長野県、広島県、熊本県、大分県にはないらしい。

スマホ位置ゲームのポケモンGOのスポットになっていたりするので人を呼ぶ効果はあるのだろう。ポケふたのグッズもこのサイトで紹介されているとおり各種あるようだが、マンホールカードは一切ない。無料配布という形式にライセンス会社側がマネタイズの限界を見たからではないかと勝手に推測している。
ポケモンは全く見ていないが作品舞台は架空の場所のはず。聖地巡礼のアニメツーリズムとは全く関連のない流れだが、選定するポケモンをご当地に見合った特色のあるものとしている様子。例えば香川県では全市町村にヤドンのポケふたが設置されている。うどん県だから。って、駄洒落?

期間限定で設置されたセーラーピカチュウ


ガンダムマンホール

後発になるがポケふた同様に自治体に寄贈する形なのがガンダムマンホールプロジェクト。しかし応募が殺到したために募集が一時停止されている。
やっているのはサンライズ、と思っていたらそれは今はブランド名で、会社名としては株式会社バンダイナムコフィルムワークスなのだそうだ。というよりグループ横断のプロジェクト的に位置づけられている様子。

ポケふたとの大きな違いはマンホールカードの配布がある点。設置自治体全てではないが、配布しているところは多い。(そして品切れになっているところもまた多い)

こちらも作品舞台は宇宙そらは別として、地球にも降りてくるが、少なくともファーストガンダムでは、日本は舞台になっていない。ガンダムORIGINの漫画でホワイトベース御一行が日本に観光旅行に来るというネタ的なシーンはあるが。
オーストラリアにコロニーが落とされるとか、南米ジャブローに連邦軍の基地があるとか、あるいはモビルスーツのメーカーの一つがアナハイムエレクトロニクスだとか地球規模ならご当地もなくはない。また水星の魔女では日本の学校ぽいところもゲリラの拠点として出てきていたがどことは分からない。
なのでガンダムマンホールもアニメ聖地とは関係ないが、モビルスーツと合わせてご当地の何かを描くことでご当地色を出している。

ズゴックは海辺や水辺に棲息

ポケふたは設置箇所がサイトで県単位で探せるが、ガンダムマンホールのほうはそうなっていない。どうにも分かりづらいので設置場所でまとめてみた。

ガンダムナビアプリ内にお土産として地方別に詳しい設置箇所が出ているが、実はここに出てこないものもあり、よくよく読むとQAに、自治体が安全と判断したものから掲載している旨を書いていた。


以下には首都圏近郊である程度まとまって見られるアニメ関連のマンホールを取り上げてみる。

小田原市(ガンダム、MFゴースト)

ガンダムマンホールプロジェクトの第一弾だったのが神奈川県小田原市。富野由悠季の出身地というつながり。小田原市はマンホールでの観光振興に熱心で、マンホールカードもアニメに限らず数種類作成している。ガンダムマンホール2種類のほか、箱根を舞台とした公道レースのアニメ『MFゴースト』のマンホールを5種類設置。主人公ではなく地元小田原のカミカゼヤンキーとあだ名されるキャラクターをマンホールカード化している。

群馬県渋川市には前日譚にあたるイニシャルDのマンホールがある

土浦市(パトレイバー)

東京からの距離感は小田原と同じくらいの土浦市もアニメ題材のマンホールに熱心だが、こちらは機動警察パトレイバーの一点突破。しかし警視庁警備部特車二課の話が土浦とどういう関係が?と思ったら、登場する株式会社シャフトの研究所が土浦にあるということだった。言ってみれば犯罪者側の組織だが、元はヨーカドーだった土浦駅前の土浦市役所にはそのシャフト開発のグリフォン像が展示されている。

マンホールとしては随一のお色気デザイン

パトレイバー関連のマンホールを15種類、駅から徒歩圏内に設置。そのうち6種類をマンホールカード化している。


所沢市(ガンダム)

所沢市は安彦良和つながりでガンダムマンホールプロジェクトとは別にガンダムオリジンマンホールを2種類設置し、それぞれのマンホールカードも配布。その一方のある東所沢は駅からKADOKAWAのサクラタウンへの道筋にガンダム含め多種類のアニメのマンホールを設置。しかも夜は光るイルミネーションマンホールなのだとか。

所沢駅東口のガンダムとアムロ


武蔵野市(シティハンターほか)

吉祥寺駅周辺には市内にあるコアミックスと提携して同社が版権を持つ7作品のアニメマンホールを設置。そのうちシティハンターはマンホールカードを配布。

期間限定でコースターも配布


練馬区(999ほか)

日本のアニメの発祥地であり今もアニメーションスタジオが多いことから練馬区はアニメによる地域振興に熱心。大泉学園駅周辺に999スリーナインやうる星やつらのデザインマンホールを設置している。駅前にはキャラクターの銅像もある。


葛飾区(こち亀)

亀有といえばこち亀こと、こちら葛飾区亀有公園前派出所。亀有駅周辺にはこち亀のキャラクターのマンホールを6種類設置。銅像も小さいものも含めてあちこちにある。記念館もオープンし、連載は終了したものの根強い人気。

亀有公園のそばに両津勘吉



都内のアニメ・漫画関連マンホールは東京都がまとめている


全国のアニメ・漫画マンホールカードのリストは以下記事に抽出してみた。

マンホールカードは作っていないが多種類設置している例もあり、浜中町(北海道)のルパン三世、仙台市(宮城県)のJOJOの奇妙な冒険、WakeUp,Girls!、BLUE GIANT、秩父市(埼玉県)のあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない、沼津市(静岡県)のラブライブ!サンシャイン!!、豊橋市(愛知県)のけものフレンズ、九重町(大分県)の 魔法陣グルグルのほか、佐賀県全市町村のゾンビランドサガなどがある。


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