Ableton を使うプロのビートメイカーから学ぶ 8 選 — 制作プロセスを「見る」ためのソースガイド
チュートリアルを見て操作を覚える。それは大事です。
でも、ある段階から「プロが実際にどう作っているか」を見ることのほうが、はるかに多くのことを教えてくれるようになります。
どのタイミングでドラムを差し替えるのか。サンプルをどう探して、どう加工するのか。行き詰まったときにどう判断するのか——。これらはチュートリアルでは教えてくれません。制作プロセスの映像やインタビューからしか学べないことです。
Ableton Live は、世界のトッププロデューサーの多くが使っている DAW です。Kenny Beats、Knxwledge、Kaytranada——彼らの制作映像やインタビューは、そのまま Ableton のワークフローの教材になります。
この記事では、Ableton を使うプロのビートメイカーの制作プロセスを「見る」「読む」ためのソースを 8 つ紹介します。
※ この記事は「チュートリアル」ではなく「インスピレーション」寄りの内容です。操作方法を一から学びたい方は、Ableton Live でビートメイキングを始める完全ガイドをご覧ください。
この記事のラベルについて
🟢 映像で理解可能 — 外国語だが、映像・操作画面を見れば内容が分かる
🟡 字幕あり / 平易な英語 — 英語だが、映像が中心で追いやすい
🔴 英語力必要 — 英語のリーディングまたはリスニングが必要
※ この記事で紹介するソースはすべて海外のものです。プロの制作映像は英語圏に圧倒的に集中しており、日本語の同等のソースは見つかりませんでした。ただし、制作プロセスの映像は言語に依存しないものが多いため、🟢(映像で理解可能)のソースを中心に構成しています。
リアルタイムの制作を見る
1. Kenny Beats — The Cave & 制作ワークフロー
🟢 映像で理解可能|YouTube(英語)
現在最も影響力のあるビートメイカーの一人。「The Cave」シリーズでは、アーティスト(Rico Nasty、Vince Staples、Freddie Gibbs 等)をスタジオに招いて、その場でビートを作りながらセッションする様子が映像で公開されています。
Ableton Live のテンプレートを開き、ドラムを選び、サンプルを探し、数分でビートの骨格を作る——その判断のスピードと引き出しの多さは、見ているだけで刺激になります。
Splice Skills では、テンプレートの作り方や制作のヒントをより詳しく解説したレッスンも公開しています。無料の Ableton テンプレートもダウンロードできます。
こんな人に刺さる: プロのリアルな制作スピードを体感したい人。「速く作る」ためのヒントが欲しい人
→ https://www.youtube.com/@kennybeats
2. Genius — Deconstructed シリーズ
🟢 映像で理解可能|YouTube(英語)
ヒットソングの制作者本人が、そのビートをどう作ったかを 7 分程度で分解して見せるシリーズ。プロデューサーの画面がそのまま映るので、言語が分からなくても「何をしているか」が見えます。
Ableton を使ったエピソードも多数あります。特に Kirk Knight(A$AP Ferg "Plain Jane")のエピソードは、サンプリングの手法を学ぶ上で参考になります。Ludwig Göransson、Brasstracks のエピソードも、Ableton ベースの制作プロセスが見られます。
こんな人に刺さる: ヒットソングがどう作られたかを知りたい人。短い動画で効率よくインスピレーションを得たい人
→ https://www.youtube.com/playlist?list=PLyPJi5Yzrj6XZnAkBIkyNPR84VDeDVJ5T
3. FACT Magazine — Against the Clock シリーズ
🟢 映像で理解可能|YouTube(英語)
プロデューサーが 10 分間でゼロからトラックを作るチャレンジシリーズ。FACT Magazine が制作しており、多くのエピソードで Ableton Live が使われています。
ヒップホップ系では Skywlkr(Danny Brown の DJ / プロデューサー)、Channel Tres(コンプトン出身、ウエストコーストファンク)、Stiff Pap(ヨハネスブルグのヒップホップ×ハウス)等が出演。
10 分という制限の中で、何を優先し、何を捨てるか。プロの判断力を目の当たりにできるシリーズです。
こんな人に刺さる: 制作判断のスピード感を体感したい人。制作の「瞬発力」を鍛えたい人
→ https://www.factmag.com/tag/against-the-clock/
プロのワークフローを深掘りする
4. Ableton Blog — Knxwledge インタビュー「Staying in 'Go' Mode」
🔴 英語力必要|ブログ(英語)
ヒップホップ界で最も多作なビートメイカーの一人、Knxwledge の Ableton 公式インタビュー。Ableton Live の使い方というよりも、制作に対する姿勢の話が中心です。
「ノートパソコンをあらゆる部屋に置いてアイデアを逃さない」「常に 'Go' モードでいる」——量産するための仕組みと精神が語られています。Ableton を使いこなすテクニカルな話を期待している人には物足りないかもしれませんが、「もっとたくさん作りたい」という人にはモチベーションになるはずです。
こんな人に刺さる: 多作でい続ける秘訣を知りたい人。Knxwledge のファン
→ https://www.ableton.com/en/blog/knxwledge-staying-in-go-mode/
5. Ableton Blog — Kenny Beats「Connect the D.O.T.S.」
🔴 英語力必要|ブログ(英語)
Kenny Beats の Ableton 公式インタビュー。「D.O.T.S.」というフレームワーク——制作における点と点をつなぐ考え方——が語られています。
The Cave の映像では見えない「なぜそう判断したか」の部分が言語化されているのが、このインタビューの価値です。YouTube の映像と合わせて読むと、Kenny Beats のワークフローがより立体的に理解できます。
こんな人に刺さる: Kenny Beats の制作哲学を深掘りしたい人。YouTube の映像だけでは物足りない人
→ https://www.ableton.com/en/blog/kenny-beats-connecting-dots/
6. Reverb Machine — How Kaytranada Produced "Glowed Up"
🔴 英語力必要|ブログ(英語)
グラミー賞受賞プロデューサー Kaytranada が "Glowed Up" をどう制作したかを分析した記事。Ableton Live ベースの制作プロセスを、シンセの音色選び、ドラムパターンの構成、ミキシングの判断まで詳細に追っています。
Kaytranada はヒップホップとハウスの境界を行き来するプロデューサーで、そのビートの「踊れるけどヒップホップ」な質感は独特です。英語の読解力が必要ですが、制作分析の質が高い記事です。
こんな人に刺さる: Kaytranada のサウンドに興味がある人。プロの楽曲分析を読みたい人
→ https://reverbmachine.com/blog/how-kaytranada-produced-glowed-up/
制作プロセスをまとめて見る
7. Ableton Blog「Deconstructed Roundup — Five Big Beats and How They Were Made in Live」
🔴 英語力必要|ブログ(英語)
Ableton 公式ブログが、Genius の Deconstructed シリーズに登場した Ableton ユーザーのビート制作を 5 本まとめて紹介した記事。Kirk Knight、Ludwig Göransson、Brasstracks 等。
各ビートの制作手法が簡潔にまとまっているので、Deconstructed の動画を全部見る時間がない人にも便利です。「この中で面白そうなものだけ動画を見る」という使い方もできます。
こんな人に刺さる: プロの制作プロセスを効率よくまとめて知りたい人
→ https://www.ableton.com/en/blog/deconstructed-roundup-five-big-beats-and-how-they-were-made-live/
8. Ableton Blog — Made in Ableton Live シリーズ
🟡 字幕あり|動画シリーズ(英語)
Ableton 公式の動画シリーズ。さまざまなジャンルのプロデューサーがゼロからトラックを完成させる全過程を見せてくれます。Deconstructed が「既存のヒット曲の分解」なのに対して、こちらは「新しいトラックのゼロからの構築」。
制作初心者から中級者まで、プロのワークフローを見て学ぶための教材として優れています。
こんな人に刺さる: 色々なプロデューサーのワークフローを比較したい人。トラック構築の全体像を見たい人
→ https://www.ableton.com/en/blog/tags/series/made-in-ableton-live/
まとめ
英語が苦手な方は: 1〜3 の動画ソースから。Kenny Beats、Deconstructed、Against the Clock はどれも映像中心なので、英語が分からなくても制作プロセスは見えます。
英語が読める方は: 4〜5 のインタビュー記事を加えると、映像では分からない「なぜそう判断したか」の部分が言語化されていて、学びが深まります。
まず 1 本だけ見るなら: Kenny Beats の The Cave(1)。プロの制作スピードを体感するだけで、モチベーションが変わります。
Ableton シリーズの他の記事
・Ableton Live でビートメイキングを始める完全ガイド — 25 のソースを構造化したロードマップ
・Underbelly (You Suck at Producing) 全シリーズ案内 — 40 万人超のチャンネルを目的別に案内
・Ableton の「無料で学べる」公式リソース完全ガイド — 公式の無料リソースを網羅
・Session View でビートを組む 7 選 — Ableton 最大の独自機能を活用する
他のシリーズ
・SP-404 でビートメイキングを始める完全ガイド
・MPC でビートメイキングを始める完全ガイド
[AD] Amazon で Ableton を検索 [AD] 楽天で Ableton を検索
このアカウントでは、ビートメイキングに役立つ情報ソースを日本語で紹介しています。
海外の YouTube チャンネル、ツール、サイト、日本語の note 記事——言語を問わず、
良いものを集めてガイド付きでお届けします。
フォローしていただけると励みになります。
