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負け犬の遠吠え⑩(『銀河の一票』と憲法改正)

 これは個人の感想です。
 批判的な内容なので、『銀河の一票』最終回に感動した方、これからドラマを見ようと思っている方は読まない方がよいかもしれません。ご注意下さい。

 ドラマ『銀河の一票』を初回から観ていた。あかりさんの台詞にしばしば泣かされた。
 最終回も、あかりさんの最後の演説に感動した。個人の死の重みを思い、屋上で泣きじゃくる茉莉さんをあかりさんが抱きしめる場面もよかった。
 できればそのままエンディングを迎えて欲しかった。
 都知事選より茉莉さんを大切にするあかりさんでいて欲しかった。
 伏線回収など要らなかった。
 綺麗事ではなく、きれいなまま終わって欲しかった。

 しかし、世間は綺麗事を好む。
 話は続き、悪役の与党陣営が本当は良い人達だったと説明される。そして与党候補が都知事選にもかかわらず解釈改憲ではなく正々堂々と憲法改正をしようと言わんばかりの最終演説をし、それが美しい銀河として表現される。
 その結果、与党候補が当選し、主人公陣営は副知事として与党に取り込まれる。
 それまで取り上げてきた個人の抱える事情を置き去りにして「感動した皆さん、大局に立って、一緒に憲法改正をめざしましょう」という逆説的な大団円に見えてしまった。

 都知事選の最終演説で憲法改正を取り上げた事も含めて、ネットの評価は上々で、私の様に違和感を感じる者は異端なのだと思わされた。
 あらためて考えると、与党と与党に関わる人だけでドラマが成り立っており、野党やその他の候補者の存在がほとんど無視されている事にも違和感を感じた。しかし、日本の政治は与党だけで成り立っており、その他大勢はとるに取らない存在というのが世間の常識で、それに違和感を感じる私の方が異常という事なのだろう。

 結局、歴史の大きな流れは個人の感情など切り捨てて進んでいくのだ。
 美しい銀河の流れの中では、それに異をとなえる事など許されないのだ。

⇒負け犬の遠吠え⑦(国会の権力と改憲)

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