スカボロー・フェアってなんだぁ?それにもましてパセリ、セージ、ローズマリー、タイムってなんなの?っていうお話
〝スカボロー・フェア〟がマザーグースの歌だったなんて聞いてないしッ
このところ、マザーグースが気に掛かっています。で、空き時間に調べたりなんかしています。といっても、単なる興味本位で、ちょこっと探ってみるだけなのですが・・・。
その探索の過程で、かつてサイモンとガーファンクルが歌った〝スカボロー・フェア〟という曲が、マザーグースに収められているということを知りました。
この歌はもともと、中世から伝わるバラッドで、吟遊詩人によって伝承されていたものだということは、なんとなく聞きかじってはいたのですが、マザーグースに載っていたとは知りませんでした。
そんなことも知らずに、きょうまで平気な顔して過ごしていたなんて、一生の不覚、取り返しのつかない失態、生涯の汚点です。厚顔無恥と誹られても仕方ありません。深く、深く反省しております。
サイモンとガーファンクルがこの歌を知ったのは、売れない時代のポール・サイモンがイギリスに渡ったとき、たまたまマーティン・カーシーの弾き語りを耳にしたのが切っ掛けだったそうです。マーティン・カーシーがどんな人だか存じ上げませんが、どうやら60年代英国のフォークリバイバル運動の中心人物だったようです。
〝スカボロー・フェア〟のメロディは、中世のころからずっと変わらないようですが、歌詞の方はさまざまなバリエーションがあるみたいです。
サイモンとガーファンクルが歌ったのは、19世紀にできたものが下敷きになっているようですね。

で、自分がこの歌を知ったのは、マイク・ニコルズ監督、ダスティン・ホフマン主演の『卒業(The Graduate)』という映画からでした。自分は古い映画が好きなので、1967年にヒットしたこの作品も、当然ながら観ました。
この映画では、挿入歌としてサイモンとガーファンクルの歌がたくさん使われています。その中のひとつが〝スカボロー・フェア〟でした。
映画を観てサイモンとガーファンクルの歌も好きになったのですが、でもこの歌の歌詞って、なんだか不思議なんですよねぇ。マザーグースに掲載されている歌ですから、ナンセンスで不条理なものと言ってしまえばそれまでですが、それにしてもずっと気にはなっていました。
なのでこれを機に、あらためてマザーグース版の〝スカボロー・フェア〟を訳してみることにしました。自慢じゃないですが、英語は大の苦手科目でした。いまでもそれは変わりません。ですから、間違っていたら、ごめんなさい。I'm sorryです。アイムソーリー、ヒゲソーリー、マスク配ったアベソーリーです。(古ッ)

つたない語学力を駆使して訳してみたけど、そもそもスカボーロ―・フェアってなに?パセリ、セージ、ローズマリー、タイムがどうしたの?
Scarborough Fair -Mother Goose‐
Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Remember me to one who lives there,
For she once was a true love of mine.
Tell her to make me a cambric shirt,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Without no seam nor fine needlework,
And then she'll be a true love of mine.
Tell her to wash it in yonder dry well,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Which never sprung water nor rain ever fell,
And then she'll be a true love of mine.
Tell her to dry it on yonder thorn,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Which never bore blossom since Adam was born,
And then she'll be a true love of mine.
Ask her to do me this courtesy,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
And ask for a like favour from me,
And then she'll be a true love of mine.
Have you been to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Remember me from one who lives there,
For he once was a true love of mine.
Ask him to find me an acre of land,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Between the salt water and the sea-sand,
For then he'll be a true love of mine.
Ask him to plough it with a sheep's horn,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
And sow it all over with one peppercorn,
For then he'll be a true love of mine.
Ask him to reap it with a sickle of leather,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
And gather it up with a rope made of heather,
For then he'll be a true love of mine.
When he has done and finished his work,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Ask him to come for his cambric shirt,
For then he'll be a true love of mine.
If you say that you can't, then I shall reply,
Parsley, sage, rosemary and thyme,
Oh, Let me know that at least you will try,
Or you'll never be a true love of mine.
スカボロー・フェアに行くのなら
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
ある人に僕のことを思い出してもらって
なぜなら彼女はかつて僕の恋人だったんだ
キャンブリックシャツを作ってほしいと彼女に頼んで
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
縫い目も 細かい針の跡もないシャツを
そうすれば彼女は僕のほんとうの恋人になれるから
そのシャツをあの空井戸で洗うように彼女に伝えて
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
水も湧かず 雨も降らない井戸で
そうすれば彼女は僕のほんとうの恋人になれるから
そして茨のうえでそれを乾かすように彼女に言って
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
アダムが生まれてこのかた 花を咲かせたことのない茨のうえで
そうすれば彼女は僕のほんとうの恋人になれるから
彼女が頼みを聴いてくれたら
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
僕にも同じことを求めていいから
そうすれば彼女は僕のほんとうの恋人になれるんだ
スカボロー・フェアに行くなら
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
ある人に私のことを思い出してもらって
彼はかつて私のほんとうの恋人だったの
1エーカーの土地を探すように彼に頼んで
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
塩水と砂に挟まれた場所に
そうすれば彼は私のほんとうの恋人になれる
その土地を羊の角で耕して
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
そして一粒の胡椒を蒔いて
そうすれば彼は私のほんとうの恋人になれるの
それを革の鎌で刈り取って
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
ヒースの縄でひとまとめにしたら
そうすれば彼は私のほんとうの恋人になれるわ
すべての仕事を彼が終えたら
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
キャンブリックシャツを取りに来てもらって
そうすれば彼は私のほんとうの恋人になれるから
でも、もしできないと言うなら、
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
せめて試してみる気があるってことを知らせて
そうでないとあなたは ほんとうの恋人になれやしない

前述のとおり英語は大の苦手です。間違っていたらほんとスミマセン。アイムソーリー、ヒゲソーリー、マスク配ったアベソーリー。(もう、ええって!)
歌詞は、ある男がスカボロー・フェアへ向かう人に、そこに住むかつての恋人に言伝を頼み、その伝言に対してかつて恋人であった女性が返答するという内容ですが、これにはいくつものバリエーションがあって、最も古バージョンでは、妖精の騎士と人間の乙女との掛合いになっているそうです。
それはともかく、私的な秘密の捜査機関を使って、極秘裏かつ大々的に調査を行った結果、スカボロー・フェアとは、13世紀から18世紀ごろにかけて、イギリス北東部ヨークシャー州のスカボローという海辺の町で、毎年夏に開催されていたマーケットのことであったと判明しました。
毎年8月15日から45日ものあいだ市が立ったのでのですが、この町は貿易の重要な拠点であたため、イギリス国内だけでなく、大陸からも大勢の人が集まったようです。これがスカボロー・フェアの正体でした。

つぎに、2行目にある「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」という、さらに奇妙なフレーズについてです。これらはハーブの名前ですが、どうやらおまじないのようです。
ヨーロッパでは、妖精に話し掛けられても気軽に耳を傾けてはいけないとされています。だから妖精の気配を感じたときは、4つのハーブの名前を唱えて、身を守ったのだそうです。ハーブは古来より、妖精や魔物に対する魔除けとして使われていたみたいですね。
これですべての謎は解明されました。真実はいつもひとつ!(by江戸川コナン)なのだ。
最後に、自分は黒髪の乙女には気を惹かれるけど、英語と魔物のようなひとは苦手だということを、一言つけ加えさせていただき、本日の四方山話を終了させていただきます。
―おしまい―
