短編小説読書メモ38本目~友井羊『両思い鍋パーティー事件』
今回の友井羊『両思い鍋パーティー事件』は、高校生が主人公の青春ミステリー。
主人公がプレゼント用に作ったアクセサリーケースを壊したのは誰か、という謎が話の軸。
しかし、読み進めるにつれて「誰(フー)」だけではなく、「何故(ホワイ)」が同じくらい重要な問題として浮上してくる。そして、事件の真相と共に明かされる、主人公と、彼が作ったアクセサリーケースの送り主との本当の関係。
事件の謎解きにつながるヒントはあちこちに散りばめられ、見つけ出し追いかけるのに夢中になっていて、もう一つのある「事実」につながる伏線に気づくことができなかった。
素直に上手い、と思う。
読み終わった後で、冒頭のシーンを読み返すと、ハンドメイド部の部長のリアクションがまさに伏線の一つだった。堂々と書いてあるから気づかず、その他大勢のリアクションに紛れて読み流してしまった。
スープを飲むように。
ミステリー自体読むのが久しぶりだが、良い作品に出会えたと思う。
