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Amsel: 春を告げる黒き魅惑の歌い手 O. メシアン、ポール・マッカートニーも魅了した鳥

ヨーロッパ全土に広く生息するAmsel (アムゼル/ クロウタドリ/ Blackbird) は、3月から5月頃の明け方、暁の空にフルートのような澄んだ声でメロディを奏で始めます。
鳴くのは雄だけで、その多くは縄張りを示すためとされています。
その歌声は夕暮れ時、日没直後の薄暮のひとときにも耳にすることがあります。

大きさはカラスのおよそ半分ほどで、公園では比較的近くまで寄ってくることもあります

見た目は小ぶりなカラスのようですが、鮮やかなオレンジ色のくちばしが目を引きます。近所の公園などでもよく見かける、身近な存在です。

今の季節、私が住むアパートの窓辺では、朝の4時頃から5時頃までAmselのさえずりが聞こえます。ちょうど日の出を迎える頃には姿を消します。

その声を携帯で録音してみました。短いですが是非お聞きください。


ウィーンに留学して初めての春、この鳥の声を耳にした時、うっとりするという以上に、まるでその声に吸い込まれるような感覚にとらわれました。
あまりに心地よく、陶酔してしまいそうになり、まるで「魂がどこかへ連れて行かれるような」危うさすら感じるのです。

この美しい鳴き声が、どこか悩ましくさえ思えるのは私だけでしょうか・・

オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen)

フランスの作曲家メシアンにとってAmselは柔らかく抒情的な鳴き声として、楽譜に正確に書き写して作品に取り入れました。

Le Chocard des Alpes(アルプスのキバシガラス)
Catalogue d’oiseaux(鳥のカタログ) の第7曲
この中に、クロウタドリ(Merle noir)=Amselのさえずりが登場します。
メシアンはこの鳥を「甘く、叙情的な声で夕暮れを彩る」と記述しています。

Le Merle Noir(黒いクロウタドリ)(1952)
フルートとピアノのための作品。この曲はクロウタドリのみを描写対象にした作品で、最も明確にAmselをテーマとした楽曲です。フルートは、実際のAmselの鳴き声のニュアンスを模倣しています。

ポール・マッカートニー

「Blackbird」 – The Beatles(1968年)
鳥の鳴き声をモチーフにしつつ、市民権運動への連帯も込められています。オープニングに実際の鳥のさえずりが入っており、自然と自由の象徴となっています。
ポール・マッカートニーはこの曲について、「アメリカの黒人女性たちへの応援歌」だと語っています。鳥の鳴き声は録音された実際のヨーロッパ クロウタドリ(Amsel)の声が使われています。


文学

ドイツ文学
詩人 ハインリヒ・ハイネ や リルケ などの自然詩の中に、クロウタドリを思わせる描写が見られます(鳥の名前が出てこなくても、「黒い鳥が夕暮れに歌う」といった形で登場することが多い)。
Amselは「春の使者」「孤独な詩人」の象徴としてしばしば詩に登場します。

イギリス文学
クロウタドリ(Blackbird)は、ロマン派や自然詩の中で人気のモチーフ。
特にウィリアム・ワーズワースやトマス・ハーディなどの詩に、「Blackbird」は希望、哀愁、自然との交感を象徴する存在として登場します。




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綾 クレバーン  🎶  ウィーン在住 ピアニスト もしこの記事が、あなたの時間や心に少しでも価値を届けられたなら、とても嬉しく思います。 応援のお気持ちとしてのチップは、これからの創作活動の大きな励みになります。 いただいたお気持ちは、次の作品づくりに大切に活かしてまいります。 本当にありがとうございます。