【音の絵】 カンディンスキー&シェーンベルク-色と音の共鳴
ワシリー・カンディンスキー(Wassily Kandinsky) 1866-1944 画家
アルノルト・シェーンベルク(Arnold Schönberg) 1874-1951 作曲家
どちらも20世紀初頭の「抽象芸術」と「無調音楽」という新たな芸術を切り拓いた先駆者であり、直感や精神的な表現を重視し、お互いに強い影響を与え合いました。
出会いと交流
1911年1月2日、ロシアの画家カンディンスキーはミュンヘンで行われた『芸術家の会』主催 シェーンベルクの演奏会で、「弦楽四重奏曲第2番 op.10」や「 3つのピアノ曲 op. 11」などを聴き、大きな衝撃を受けました。
従来の調性から解放された無調音楽の革新的な作品は、当時の音楽界にとっても、衝撃的なコンサートでした。
カンディンスキーはその翌日、シェーンベルクに手紙を書き
「あなたの作品は、私が長年強く憧れていたものを実現しています」
と感銘を伝えました。
彼は小さい頃ピアノやチェロを学んでいた事もあり、音楽に対する鋭い感受性を持っていました。
この音楽(家)との出会いがきっかけで、カンデンスキーは抽象画家に目覚めます。(1908年頃から抽象画に移行し始めてはいましたが)

シェーンベルクの「3つのピアノ曲 Op. 11」に強い影響を受けた傑作
黒は舞台のピアノ、左には管弦奏者、左下は観客、周りの黄色は音の煌めき
シェーンベルク: 3つのピアノ曲 op. 11 1909年
伝統的な調性から解放された「無調音楽」の最初のピアノ作品で、重要な作品として知られています。和声や旋律の枠を超えて不協和音や突発的なリズムが特徴で、自由な表現を重視。
初演: 1910年 2月4日ウィーン エルバーホール Ehrbar-Saal (第一曲目のみ)
シェーンベルクは、無調音楽 Atonalität を確立し、その後さらに体系化された作曲技法として 12 音技法 Zwölftontechnik を生み出しました。
1911年 1月2日 コンサートプログラム
弦楽四重奏曲第2番 op.10 (1907-1908)
3つのピアノ曲 op. 11 (1909)
5つの歌
弦楽四重奏曲第1番 op.7 (1904) 一楽章
ピアノ演奏: Etta Werndorff
弦楽四重奏団: Das Rosé Quartett
歌: Marie Gutheil-Schoder
楽器 Flürgel: Blütner
ホール: 四季ホール Jahreszeiten Saal, Wittelsbacherplatz, München

フーガの多層的構造を表現 色と形が音楽の様に絡み合う
音楽と絵画の融合
「内なる響き」と精神性こそが絵画において不可欠な要素と考えていたカンディンスキーは、音楽を視覚的芸術に取り入れ、音楽的な構造やリズム、音色を絵画に反映させる事で音楽の持つ感情的な影響を視覚的に表現しました。
色を音として捉え、音を色で表現し、リズムを形に変換する事で、音楽のように感性と感情に基づいた色彩表現を生み出しました。

視界的に音楽的な対比と調和を表現
音楽の中で異なる音やリズムが衝突する様に、色と形の対比的な関係が強調
また「色と音の共鳴」を探求し、色や形を純粋な表現として解放し、具象的な要素を排除することで抽象絵画を確立しました。
彼の抽象画では、音の響きが色彩と形の動きとなって表れ、画面全体がまるで音楽のように流れ、躍動します。

音楽と絵画の共通点を探求し、視覚芸術における「内的な響き」を表現
色彩と形状が調和し、視覚的なリズムとバランスを生み出しています
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