読解(どっかい)谷川俊太郎💞ウィトゲンシュタインの言う「語りえぬものについては、沈黙しなければならない。」を読み解く!💞コラム+ラップ
谷川俊太郎が
ウィトゲンシュタインの言う「語りえぬものについては、沈黙しなければならない。」をどう読み解くのか?
「語りえぬものについては、沈黙しなければならない。」
この一文は、哲学に詳しくない人であっても、一度は耳にしたことがあるだろう
ウィトゲンシュタインのこの言葉は、しばしば「限界宣言」として読まれる
人間の言語には届かない領域があり、そこについて語ろうとすること自体が誤りなのだ、と
だがもし、この言葉を谷川俊太郎が手に取ったとしたら
彼はそれを「語ることの禁止命令」として読むだろうか
おそらく、そうではない
谷川俊太郎は、沈黙を「言葉の終点」ではなく
「言葉が生まれる直前の場所」として見つめる詩人である
彼の詩には、語られた言葉と同じ重さで
語られなかったものが、いつも息をしている
ウィトゲンシュタインが言う「語りえぬもの」とは何か
それは神であり、倫理であり、価値であり、世界そのものの意味だ
それらは事実として記述することができない
だから論理の言語では語れない
ここまでは哲学の話だ
しかし谷川俊太郎は、ここで立ち止まらない
彼はこう問い返すだろう
「語れない、とはどういう感覚なのか」
「沈黙とは、ほんとうに無なのか」
谷川の詩において、沈黙は空白ではない
それは、まだ言葉になっていない感情の震えであり
言葉にしてしまうと壊れてしまう何かの温度であり
人と人のあいだに、確かに存在している気配である
ウィトゲンシュタインは、語りえぬものを
論理の外へと押し出した
だが谷川俊太郎なら、それを
日常の足元へと引き寄せる
たとえば、子どもが初めて空を見上げたときの驚き
誰かを失った直後に、言葉が出てこないあの時間
愛していると言おうとして、息だけがこぼれる瞬間
それらはすべて「語りえぬもの」だ
しかし私たちは、それを生きている
谷川俊太郎の詩は
語れないものを、無理に説明しない
かわりに、そのそばに言葉を置く
説明ではなく、伴走
定義ではなく、呼吸
ウィトゲンシュタインの沈黙は
哲学の誠実さから生まれた
言語の力を信じるがゆえに
言語の限界を認めた沈黙だ
一方で谷川俊太郎の沈黙は
言語への愛から生まれる
言葉を信じているからこそ
言葉にしないという選択をする
ここに、二つの沈黙がある
ひとつは
「ここから先は語れない」と線を引く沈黙
もうひとつは
「ここから先は、聴こう」と身をひらく沈黙
谷川俊太郎がこの言葉を読むなら
おそらくこう読み替えるだろう
「語りえぬものについては
沈黙しなければならない
ただし
その沈黙の中で
私たちは感じ
息をし
ときに詩を書いてしまう」
詩とは、語りえぬものに対する
唯一許された反応なのかもしれない
それは説明ではなく
証明でもなく
ただ「そこにある」と差し出す行為だ
谷川俊太郎の詩は
世界の意味を語らない
しかし世界が意味を持ってしまう瞬間を
そっと指し示す
ウィトゲンシュタインが沈黙を命じた場所で
谷川俊太郎は、耳を澄ます
語らないことと
何もないことは違う
沈黙とは
言葉が休んでいるだけで
世界は、まだ話している
もしこの言葉を
谷川俊太郎が読み解くとしたら
それは哲学の結論ではなく
「言葉が生まれる前の
いちばん静かな朝」
そのような場所として
私たちに差し出されるに違いない
この読解とは、妄想する言葉を並べたショーケースです。
エンターテイメントとしてお楽しみください。

歌詞:語りえぬものは、沈黙
なあ聞いてや
「語りえぬもんは黙れ」言うたん誰や
ウィトゲンシュタイン?
難しい名前やなあ まず噛むわ
せやけどな
黙れ言われて
はいそうですかで黙れるかいな
大阪のおばちゃん ナメたらあかんで
語れへんもんほど
胸ん中でドンドンうるさい
言葉ないのに
感情だけが先にスタンバイ
説明でけへん
理屈も足りへん
せやのに確かに
「ある」もんはあるやん ええ?
沈黙イコール 無ちゃうで
沈黙=間(ま)や
間ぁ!
この間が大事なんや
言葉が休憩中
世界は営業中
看板下ろしてへん
心は24時間営業中
谷川俊太郎 呼んできて
この空気 読ませてみ
言葉で殴らへん
そっと横に置く 詩の美
語れへん愛
語れへん別れ
語ろうとしたら
喉で詰まるアレ
あれな
あれや
ほら
あれ
それをな
「ない」言われたら
おばちゃん怒るで
「あるけど言われへんだけや!」
ってスーパーのレジ前で説教や
ウィトゲンさんは線引いた
「ここまで」って
谷川さんは耳澄ました
「ここから聴こえる」って
沈黙にも
種類あんねん
終わりの黙り
始まりの黙り
喧嘩の後の無言
これ地獄
でもな
孫寝かした後の静けさ
これ天国
同じ黙りでも
意味ちゃうやろ
沈黙にも
グラデーションあるんやで ほんま
語られへんもん
無理に言葉にしたら
安売りなるねん
値打ち下がるねん
せやから
今日はあえて
黙っとこか
せやけどな
黙っとるから言うて
何も考えてへん思たら
大間違いやで
沈黙の中で
感じてる
思い出してる
勝手に詩 生まれてる
説明せん
証明せん
ただ「そこにある」
それでええやん
哲学むずい?
せやな
でも人生もっとむずい
語れへん夜ほど
長いし
語れへん朝ほど
胸いっぱいや
せやから最後に
おばちゃん言うとくわ
語られへんもんは
消えへん
黙ってても
ちゃんと生きとる
沈黙は
負けちゃう
沈黙は
準備運動や
ほな
今日も黙って
感じとこ
これ
ほんまやで!
