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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第15回 マイケル・ブラムライン『器官切除』

 劉邦「弱肉強食ならぬ焼肉定食か…」
 蕭何「陛下、シャレにならない発言はおやめください」

特別出演、清水有高さんと本間龍さん。

 ディープインパクト「オルちゃん、今回は随分と物騒な本だね。シンボリルドルフ先生に叱られそうだけど…?」
 オルフェーヴル「うーん、まずいですかね? 今回の記事で扱うのは、外科医と小説家の二足のわらじを履くマイケル・ブラムラインさんの短編小説集『器官切除』(白水社)です」
 ディープ「物理的・肉体的フィジカルな冷徹さは好き嫌いが激しく分かれるだろうね。たまに読むのは良いけど、頻繁に読んで良いような内容ではないよ。毒性は強いけど、それなりに読む価値はあるかもしれないね」
 オルフェ「とりあえず、特に問題作と呼べる内容の作品の解説をします。日本版での表題作『器官切除』は、レーガン氏なるアメリカ人男性の生体解剖を、どこかで聞いたような苗字のお医者さんたちが手がけます。摘出された様々なパーツが培養され、それらが大量生産されて第三世界諸国やアメリカ国内の困窮地域に分配されました。仮にこのレーガン氏が女性であれば、バビロニアの太女神ティアマットのような話になるでしょう。もちろん、中国神話の盤古や北欧神話のユミルのような男神の例もあります」
 ディープ「うっ…! おぞましい」
 オルフェ「『男の恩寵を捨てて』は、主人公の男性が何だかんだあって自己去勢してしまう話です」
 ディープ「ひど過ぎる…!」
 オルフェ「『ベストセラー』は、ある男性作家が富裕層男性に自らの身体を文字通り切り売りしてしまう話です」
 ディープ「もう、一体何なんだよ! 嫌だ! まさに『読む拷問』じゃないか!?」
 オルフェ「出版業界には『イヤミス』すなわち『嫌な後味のミステリー小説』というジャンルがありますけど、この短編集は色々なジャンルを集めています。いわば『イヤオムニバス』ですね。表題作は原版と日本版で違いますが、日本版での表題作『器官切除』は一応はSFでしょうね」
 ディープ「この短編集の内容、最近の北海道で色々と起こっている凶悪犯罪並みに嫌だ…(泣)」
 オルフェ「そんなこんなで、この本は決して万人受けする内容の本ではありません。小林恭二さんの歴史小説短編集『首の信長』(集英社)もかなりえげつない内容でしたけど、あちらはギャグ的な要素がある分、まだマシですね」
 ディープ「うぅ、トラウマになりそうだから、安易に人様にお勧め出来ないね」

【青い三角定規 - 太陽がくれた季節】

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