介護保険サービスの「契約」が、利用者にとって重すぎる件
介護保険サービスを始めるとき、
必ず行われるのが契約手続きです。
契約書、重要事項説明書、個人情報の同意書など、
気がつけば多くの書類に囲まれています。
一つひとつの書類には、
介護保険法などの根拠法令があり、
記載内容もほぼ共通しています。
にもかかわらず、
自分の事業所用、他事業所用と、
似たような説明が何度も出てくる。
しかも、その文章は
・法律用語が多い
・文字が細かい
・文章量が多い
正直に言えば、
説明する側の私たちでさえ、
「全部きちんと読んで理解してもらうのは難しい」と感じる内容です。
落ち着かない状態での「初めての契約」
さらに問題なのは、
契約をするタイミングです。
介護が必要になった直後は、
本人も家族も気持ちが落ち着いていません。
・入院や退院の前後
・生活が大きく変わる時期
・先の見えない不安の中
そんな状態で、
初めての契約を行うこと自体が、
かなりの負担になっているのではないかと思います。
説明しても、
「分かったような、分からないような」
そんな表情をされる場面も、少なくありません。
契約書は「読むもの」なのか?
契約書は、本来
法的な根拠を示すための文書です。
でも今は、
それが「理解のための資料」まで兼ねてしまっている。
ここに、無理があるのではないかと感じます。
すべてを契約書で説明しようとするから、
分かりにくく、重くなる。
「共通部分」と「個別部分」を分けるという考え方
そこで思うのです。
介護保険サービスで
全国共通で決まっていることについては、
・イラスト
・図
・短い言葉
を使って、
共通の説明資料として整理できないだろうか、と。
例えば
サービスでできること・できないこと
お金の考え方
緊急時の流れ
こうした基本部分は、
どの事業所でも大きくは変わりません。
一方で、
事業所ごとのルール
独自の取り組み
連絡方法
こうした個別の部分は、
各施設が工夫して、分かりやすく表現する。
「全部を一冊で説明する」のではなく、
役割を分けることで、
理解しやすくなるのではないかと思います。
「声で説明した」では足りない時代
説明はしています。
書類も渡しています。
それでも、
本当に理解できているかどうかは、別の話です。
特に、
認知機能が低下している方や、
初めて介護に関わる家族にとっては、
見て分かることが、何より大切です。
利用者に優しい契約とは
契約は、
サービスを始めるための「入口」です。
その入口で、
不安や負担を増やしてしまっては、
本末転倒ではないでしょうか。
・分かりやすく
・必要な情報だけが整理され
・あとから見返せる
そんな契約の形が、
もっとあってもいいと思います。
おわりに
制度を守ることは大切です。
でも同時に、
制度を人に合わせて運用する視点も、
これからますます必要になるのではないかと感じます。
介護が必要になった人が、
少しでも安心してサービスを始められるように。
そんなことを考えながら、
日々の契約業務に向き合っています。
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