ゼロで死ね。「DIE WITH ZERO」で病気後の人生を考える
うつ病を経験した人であれば、一度は「これからの人生」について考えたことがあると思います。
僕自身も、うつ病で休職したことをきっかけに、人生の優先順位を見つめ直すことになりました。病気になる前と比べると、「生き方」や「働き方」に対する考え方が大きく変わったと感じています。
そんな中で出会った一冊が、ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』です。
この本は、「病気後の人生」を考える上で、多くの気づきを与えてくれました。そして、僕の人生で大切にしたいものを大きく変えるきっかけにもなりました。
このnoteでは、『DIE WITH ZERO』を通して僕自身が考えたこと、学んだことをまとめていきます。もし今、同じように「これからの人生をどう生きていこうか」と考えている方がいたら、少しでもヒントになれば嬉しいです。
ちなみに僕は、この本を数年前にKindle(電子書籍)で読み、最近になって紙の本を買い直して、もう一度読み返しました。それくらい何度読んでも心に残る一冊です。
もしこのnoteを読んで「もっと詳しく知りたい」と感じたら、ぜひ『DIE WITH ZERO』を手に取ってみてください。
注意:この記事は、病気からある程度回復し、復職に前向きな人や、すでに復職している人を対象に書いています。治療がまだ十分に進んでいない段階では、人生について深く考えること自体が負担になるかもしれません。回復してきたときに、また読み返してもらえたら嬉しいです。

人生は「経験の合計」でできている
ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』の中心にある考えは、「人生の目的は資産を増やすことではなく、人生の満足度を最大化することだ」ということです。
多くの人は老後のためにお金を貯め続け、使いきれないまま亡くなってしまいます。著者はこのことについて次のように述べています。
莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金をすべて使わずに死んでしまえば、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。
この言葉が示すように、死ぬときにお金を残すということは、そのお金を稼ぐために使った時間を無駄にしていることになります。著者は、そうした生き方を改め、「生きているうちに金を使い切ること、つまり『ゼロで死ぬ』を目指してほしい」と呼びかけています。
著者は、人生の三つの資源「お金・時間・健康」のバランスを取ることの大切さを強調します。
若いときは「時間」と「健康」が豊富で、「お金」が少ない。
年を取ると「お金」は増えるが、「体力(健康)」と「時間」が減る。
だからこそ、各年代でお金の支出・貯蓄、時間を何に使うかを考える必要があるのです。
また、著者は次のようにも語ります。
最高の人生とは、最高の経験の積み重ねである。
つまり、人生は経験の合計であり、最高の人生とは経験の積み重ねであるということです。お金を貯めることよりも、どれだけ多くのポジティブな経験を積み重ねられるか。それが、人生を豊かにするいちばん大切なポイントだと教えてくれます。
本書の核となる考えはここにあります。著者はこの思想をもとに、人生のどの段階でどのように「経験に投資していくか」について、具体的な方法を詳しく解説しています。
本記事では具体的な方法には触れませんので、興味を持った方は、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。
『DIE WITH ZERO』が教えてくれた、人生を豊かにする「視点」
この章では、僕が『DIE WITH ZERO』を読んで、特に大きな衝撃を受けた言葉や考え方をいくつか紹介します。
1. 人生の「ものさし」を変える。お金から経験へ
私たちはつい、お金や資産を人生の豊かさの基準にしがちです。しかし、著者はその「ものさし」自体を問い直します。
「人生の質は、あなたの経験の総量で決まる。」
「人生を豊かにするのは、お金の額ではなく、経験の数とその深さだ。」
「最高の人生とは、最高の経験の積み重ねである。」
改めてになりますが、本書の核となる部分です。最終的に人生を形づくるのは「心に残る経験の総量」、つまり思い出の量です。
思い出が多いほど、人生は豊かである。そして、経験は後から何度も自分を支えてくれる心の資産になります。著者はこれを「記憶の配当」と呼びますが、思い出からは何度でもリターンを得ることができるのです。
2. 「今」に投資する勇気。経験には「旬」がある
人生の経験を最大化する上で大事なのは「タイミング」です。節約や先延ばしによって、「その時しかできない経験」を逃してしまうことがあります。
「時間とお金という限りある資源を、いつ何に使うか。この重要な決断を下すことで、私たちは豊かな人生を送れる。」
「節約ばかりしていると、その時にしかできない経験をするチャンスを失う。」
経験には賞味期限があります。やりたいことにも体力や状況の「旬」があり、それを逃すと二度と同じ形では味わえません。
さらに著者は、お金の価値についてもこう指摘します。
「若いときほど、同じお金で得られる経験の価値は大きい。」
「金から得られる喜びを引き出す能力は、年齢とともに低下する。」
「体力や関心があるうちに、お金を経験に変えていくべきだ。」
お金は、健康や興味があるうちに使うことで、その経験からより多くの喜びを得られます。年を取ってからでは、同じお金でも得られる満足度が小さくなってしまうのです。
例えば、「いつか富士山を登りたい!」と思っていたとします。年齢とともに体を衰えていきますから、登山すること自体が難しくなります。挑戦する十分な時間ができた時には、登山できない体になっていたり、興味すら失っていたりするかもしれません。
経験への投資は、早ければ早いほど、長い期間「記憶の配当」を得られます。だからこそ、完璧なタイミングを待つよりも、「いまこの瞬間をどう使うか」に意識を向けることが大切です。
3. エネルギーの配分を見直す。「働くこと」と「経験すること」の最適化
私たちは人生のエネルギー(本書ではライフエネルギーと読んでいます)を、何にどれだけ振り分けるかを無意識に選び続けています。
「人生の満足度を最大限に高めるには、ライフエネルギーをどれだけお金を稼ぐことに費やし、どれだけ経験に費やすかを考えなければならない。これは簡単に答えが出る問題ではなく、人によって最適なバランスが異なる。」
何かに偏れば、他の何かが犠牲になる。だからこそ、自分にとって何が「人生の豊かさ」につながるかを見極め、ライフエネルギーをどこに、どのように配分するかを考えることが大切です。
特に、「老後の安心」のために貯めすぎることには警鐘を鳴らしています。
「多くの人は老後のためにお金を貯め続け、十分に使う前に亡くなってしまう。」
「老後のために貯めたお金をほとんど使わないまま亡くなる人が多い。必要以上にお金を貯めるのではなく、どのように使うかを考えるべきだ。」 「生きているうちに使い切れないほどの金を稼ぐために、人生の貴重な時間やエネルギーを無駄にすべきではない。」
多くの人が「安心のため」に貯金を続けますが、実際にはそのお金を十分に使わないまま死んでいきます。本来、お金は「貯める」ためではなく、「生きる」ための手段です。貯金を目的化してしまうと、今この瞬間の人生を見失ってしまいます。
4. すべての土台となる「健康」
そして、これらすべての土台となるのが「健康」です。
「健康であれば、その年齢でできる経験をより充実したものにできる。」
「健康はお金よりもはるかに価値が高い。」
これは、病気を経験した僕らが痛いほど身に染みていることだと思います。健康は、経験を最大化するための土台です。どれだけお金があっても、健康を失えばその価値を引き出すことはできません。
著者は、健康への投資を「最も確実なリターンを生む投資」と言います。健康でいることで行動の幅が広がり、人生の満足度も上がっていきます。金よりも健康を優先する生き方こそ、長期的に見て最も豊かになるのだと思います。
おわりに
ここまで、『DIE WITH ZERO』の中から印象に残った言葉を紹介してきました。どの言葉も、「どう生きるか」「何に時間を使うか」を改めて考えさせられるものばかりです。
この本から学んだのは、人生はお金の総量ではなく、経験の総量で決まるということ。限られた時間の中で、何を選び、何を残していくのか。それを考えるきっかけを、この本が与えてくれました。
今回の記事では、本書の内容を中心に紹介しました。次回は、うつ病を経験した僕自身の立場から、『DIE WITH ZERO』の考え方をどのように受け止め、どんな変化や気づきがあったのかをお話ししたいと思います。病気後の生き方を見つめ直すヒントになれば幸いです。
今日はここまで!
最後までのお読みいただきありがとうございました。
復職に関する記事をまとめています↓
【自己紹介】
— あつき@うつ病会社員 (@atsuki_pro) August 29, 2023
⚫︎年表
2018年4月:入社
2018年8月:忙しい部署に配属
2019年4月:鬱の症状が出る
2019年9月:うつ病と診断される
2020年6月:1回目の休職
———1ヶ月間の休職———
2020年7月:1回目の復職
2020年8月:2回目の休職
診断名が双極性障害に
———8ヶ月間の休職———
2021年4月:2回目の復職…
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