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大人にも響く!『アンパンマンと日本人』──クライアントに応えながら信念も貫いた、やなせたかしの“正義”とは?


🧐 なぜこの本に興味を持ったか

皆様は大ヒット中のNHKの朝ドラ「あんぱん」見てますか?
主題歌を私の大好きなバンドRADWIMPSが担当していることもあり、気づけば毎朝楽しみにするようになりました!

その流れで、「アンパンマン」をテーマにした読書をしてみようと思い手に取ったのが、こちらの一冊です。

『アンパンマンと日本人』
柳瀬 博一 (著)

言わずと知れた国民的キャラクター「アンパンマン」を生んだやなせたかしの人生と思想を追いかけた一冊です。

正直に言うと、私は子どもができるまではアンパンマンに特段の思い入れはありませんでした。「子ども向けのキャラクター」としか思っていなかったのです。ところが父親になり、アンパンマンを夢中で見つめる我が子の姿を見ていると、「なぜこんなにも長く愛されているのか?」と気になり始めました。

そして読み進めるうちに、「アンパンマンは実は大人こそ読むべき物語なのではないか」と感じるようになりました!


👤 この本はこんな人におすすめ

読書は知識を得るためだけでなく、自分の働き方や価値観を問い直すきっかけを与えてくれます。
この本をおすすめしたいのは、以下のような人です。

  • 若手ビジネスマン:仕事に追われるなかで、「人の役に立つとは何か」「自分は何者なのか」に迷いを感じている人。

  • クリエイター・表現者:成果や流行に一喜一憂し、焦りを抱いている人。

  • 子育て中の親:子どもと一緒にアンパンマンを見ながら、その背後にある思想を知りたい人。


💡 一番の学び

この本で特に印象的だったのは、アンパンマンの作者である やなせたかしのマルチタレントっぷりです!

アンパンマンがヒットする前、1950〜1970年代にかけて、やなせは数々の天才たちと協働しながら素晴らしい作品を世に生み出してきました。

  • 永六輔演出のミュージカル「見上げてごらん夜空の星を」の舞台装置製作

  • いずみ・たく作曲「手のひらを太陽に」の作詞

  • 手塚治虫のアニメーション映画「千夜一夜物語」のキャラデザ など

少し挙げるだけでもそうそうたるメンバーが並びます。

本書では、やなせがなぜこれだけの天才たちと素晴らしい仕事ができたのかについて、二つの要因をあげています。

  1. 商業デザインを学び、若い頃から様々なクライアントニーズに応えてきたこと

  2. 「やったことがないこと」「難しそうなこと」ほど飛び込んでみる勇気と好奇心を持っていたこと

この二つは、そのまま現代の働き方にも通用する重要な概念ではないでしょうか。


アンパンマンはスーパーマンのアンチテーゼ!?

そして、やなせが語る「ほんとうの正義」の姿はさらに印象的でした。

実は、アンパンマンは、アメコミのヒーロー スーパーマンやバットマンのアンチテーゼとして生まれたというのです。

普段とは異なる派手なコスチュームに身を包み、格好よく空を飛び、悪者を派手にやっつけることがほんとうに正義なのか。

やなせは疑問を抱き続けたということです。

彼の中での「本当の正義」は誰のためかもよくわからずに悪をコテンパンにするのではなく、本当に困っている人を「助ける」こと。

そしてそれは、目立たないし、格好よくもない。

戦争で経験した飢え、そして戦後にこれまでの正義が簡単にひっくり返るのを目の当たりにした経験が、彼の根底にあったというのです。

だからこそアンパンマンは、悪を倒すのではなく「困っている人を助ける」ヒーローとして生まれました。

何度顔がちぎれたり、汚れたりして、新しい顔に替わっても、飢えた人に自分の顔をちぎって食べさせ続けることを、本能のように続けます。

正義とは決してかっこうのいいものではなく、ときに自らが傷つき、ボロボロになりながら差し出すもの。アンパンマンのこげ茶色のマントは、その象徴だったのです。

この「自己犠牲をいとわない利他の精神」こそが、日本人に長く愛される理由であり、私たちビジネスパーソンにとっても大きな示唆を与えます。


✍️ 読んで感じたこと

以前、こんな記事で「プロフェッショナルには二通りがいる」と書きました。

商業デザインを学び、クライアントニーズに応え続けたやないたかし。
その姿だけを見れば、彼は間違いなく、私が憧れる「ニーズに応えるタイプ」に見えます。

一方で、彼には別の顔もあったらしいのです。

やなせはクライアントに頼まれた仕事と、アンパンマンをはじめとする自分の人生をかけて作り出す「ライフワーク」を区別していたらしいのです。

そして「ライフワーク」としての仕事では徹底的に細部にこだわりぬき、ときにはそのがんこさから、他人に仕事を任せずに、マルチな才能を発揮して全部自分で作業を片付けてしまうことすらあったそうです。

その結果、専門家や業界人からは理解されず、時には失敗と揶揄されたこともありました。実際、アンパンマンも最初は全く人気が出なかったのです。しかし、0〜5歳の子どもとその親が熱狂的に支持し、やがて国民的キャラクターへと育っていきました。

最後まで徹底的にこだわりぬいたからこそ、登場するキャラクターの数がギネス記録に認定された「アンパンマン」のような世界が生まれたのでしょう。

やなせたかしは、理想とするプロの像(ニーズに徹底的に答える/自分のスタイルを貫き通す)を二つとも、兼ね備えた稀有な存在だったのです。

私たちは、周囲の優秀さや成果主義の中で、自分の理想像がぶれてしまい、押しつぶされそうになることがあります。

けれども「自分にしかできない役割がある」と信じることで、もう一度机に向かえる。やなせの姿勢からそんな勇気をもらいました。


📚 もっと知りたい方へ

アンパンマンはただの子ども向けキャラクターではなく、「利他」と「ほんとうの正義」を問いかける哲学そのものでした。

この本を読めば、子どもと一緒にアンパンマンを見ているときの風景がまったく違って見えてくるはずです。そして「自分は誰を助けたいのか?」という問いを、日々の仕事や人生に重ねて考えたくなります。

気になった方はぜひ手に取ってみてください👇



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アトレーユ|うつ病からの復職と小さな気づき 曖昧なままにしていたことを、少しずつ言葉にしていくために、このnoteを続けています。 「共感した」「考えるきっかけになった」と感じてくださった方は、よかったらチップでそっと背中を押してください。 次の一歩に、つなげていきます。

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