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コピペで始めるAIゲーム 「AI Studioを使ったGeminiの設定について① AIの深堀り」

AIはゲームだ!

皆さん、こんばんは。今回もAI(Gemini)を使ってオリジナルアドベンチャーゲームを体験していきましょう。AI StudioGeminiにコピペすればあなたもゲームを遊ぶことができます!


【前回のあらすじ】

最強の忍者部隊に対し、御隠居は「腰が痛い」と健康相談を始め、印籠と見せかけて「亀に似た石」を自慢し緊張感を破壊する。
さらに戦場のど真ん中で「蕎麦打ち」を開始し、敵も味方も待機せざるを得ない奇妙な時間を作り出して物理的に尺を稼いだ。
突如「わしはお前たちの父かもしれん」と嘘の昼ドラ展開を挟み、印籠に見せかけた扇子で悪代官を扇ぐなど挑発を極める。
助さん格さんの精神が崩壊する寸前、御隠居はついに本物の印籠を取り出すが、掲げることなく格さんにゴミのように放り投げた。
キャッチした格さんが怒号と共に紋所を突きつけ、御隠居がズズズと蕎麦湯をすする横で、最強の敵たちは屈辱の土下座をした。




コピペで始めるAIゲーム 「AI Studioを使ったGeminiの設定について AIの深堀り①」


みなさんこんばんは!今日は25種類のAIゲームを遊んできた私が、色々とAIに聞きながらAIの思考の癖について分析して参ります。

この記事の内容はAIに確認しながら記載しておりますが、最新の情報ではない可能性や事実誤認(ハレーション)がある可能性があります。なにかあればご指摘コメントをください。定期的に見直して更新していこうと思っています。

この記事は2025年12月2日に初稿しております。


分かったこと①「AIは、ど忘れの激しい速読者である」


まず前提として「AIは、ものすごくど忘れするが、ものすごい速度で最初から読み直して、覚えているフリをしている」ということです。

この「毎回読み直す無駄」と後述の「シュレーディンガーの猫状態」は、初期のAIにおける大きなトピックでした。現在のAIがとっている対策についてそれぞれ解説します。

1. 「毎回読み直す無駄」への解決策:コンテキストキャッシュ


昔のAIは毎回、全巻の小説を最初から最後まで音読してから、新しい1ページを書いている状態でした。

現在のAIはその対策を行っていて、それが 「コンテキストキャッシング(Context Caching)」 という技術です。

コンテキストキャッシングとは: 「ここまでは読んだ」というデータをサーバー上に一時保存(キャッシュ)しておき、差分(続き)だけを処理する技術です。


2. 「Lost in the Middle」現象

現在のLLMでもこの特性はよく知られています。

  • 最初(プロンプトの冒頭・設定資料)

  • 最後(直近の会話・最新のシーン)
    この2箇所はよく覚えているのですが、「真ん中あたり」にある情報へのアクセス能力がガクンと落ちる傾向があります。
    10万トークンも会話が続くと、物語の中盤で提示された伏線やサブキャラの設定などが、この「魔の空白地帯」に入ってしまい、AIが思い出せなくなることがあります。



分かったこと②「AIはシュレディンガーの猫である」


ゲームをして気づいたのですが、AIに「隠しパラメータ」「隠し設定」を用意するようにお願いすると、AIは隠しパラメータを”データ”として持っているわけではありませんでした。「隠しパラメーターという設定がある」という状態を常に持ち続けるようです。

そして、隠しパラメータを使うときとは、文書中に表示することで初めて状態が確定するというシュレディンガーの猫的状態なわけです。

どういうことでしょうか?

AIには「裏のメモリ」や「変数をしまっておく金庫」はありません。あるのは「次に続く言葉の確率」だけです。

具体例として、黒幕は誰だ?とう隠しパラメータを考えましょう。

例えば、TRPGの序盤で、あなたがGM(AI)にこう指示したとします。

「この事件の犯人をこっそり決めておいてください。でもまだ私には教えないで」

プロンプト作成者(私)


この瞬間、AIの内部で何が起きているかというと…

  • データベース: 「犯人=Aさん」というデータが作られるわけではありません。

  • 状態: AIはただ「犯人を決めている(という設定で振る舞う)GM」という役割を演じているだけです。

  • 実態: 実は、AI自身も犯人が誰かまだ分かっていません。


箱を開ける(確定する)瞬間

そして終盤、あなたが「犯人はお前だ!」と指差した時、AIは初めてその瞬間の文脈(これまでのログ)を見て、
「今の流れ的に、一番盛り上がる犯人は…Bさんだ!」
と、その場で確率計算をして出力します。

つまり、「出力(観測)されるまで、犯人はAさんでもありBさんでもありCさんでもある」 という、シュレーディンガーの猫状態なのです。

これが引き起こす「矛盾」

この仕組みの欠点は、「つじつまが合わなくなる」ことです。
AIは犯人を決めていなかったため、中盤でうっかり「Bさんはアリバイがある」と描写してしまっているのに、終盤で「犯人はBさんでした」と言い出したりします。
(人間なら「Bは犯人だからアリバイ工作させよう」と考えますが、AIはその時点でBが犯人だと決まっていないので、適当にアリバイを作ってしまうのです)



分かったこと③「Thinkingの重要性」


雰囲気で適当に会話しているAIの解決策:思考の可視化(Hidden Thinking)

ここで、今回の Gemini 3.0 Pro などが持っている「思考プロセス(Thinking)」が重要になってきます。

今のAIは、ユーザーに見えない「隠し思考エリア」を持てるようになりつつあります。Geminiで「お待ちください」と表示し、ダイアログボックスの中で英語で思考しているのがそれです。

  1. 指示: 「犯人を決めておいて」

  2. 隠し思考(ユーザーには見えない): 『了解。犯人はBにしておこう。動機は復讐だ。』←ここで確定(観測)させる!

  3. 回答: 「分かりました、犯人を設定しました。(ニヤリ)」


このように、「ユーザーには見せないが、AI自身には見える形でログに残す」 ことができるようになると、シュレーディンガーの猫は箱の中で「死んでいるか生きているか」が確定し、物語の矛盾がなくなります。

Gemini 3 Pro Preview で「思考」機能が強化されているのは、まさにこの「あやふやな量子状態を、論理的な思考ログによって確定させるため」でもあります。

TRPGプレイヤーにとって、この「思考するAI」は、「ちゃんと裏設定を覚えていてくれる、矛盾のない最高のGM」 になる可能性を秘めています。


実はこういうメモリに保存して必要な点だけを参照するというのはRPGツクールで作ったゲームとかみたいな普通のアプリがやっていました。

「ようやくAIが『普通のプログラム』の当たり前を手に入れ始めた」 という感覚になります。

なぜ今までそれができなかったのか、そして今何が起きているのか、その「RPGツクール vs AI」の対比で整理すると、AIの進化がハッキリ見えてきます。

1. RPGツクール(普通のアプリ)の世界

=「確定(Deterministic)」の世界

RPGツクールで作ったゲームは、裏側に絶対的な「帳簿」を持っています。

  • 変数: 所持金 = 500 G

  • フラグ: 魔王を倒した = ON

  • イベント: IF 魔王を倒した = ON THEN 村人が褒めてくれる

これは 100% 確実です。100万回やっても同じ結果になります。これが我々が知っている「普通のコンピューター」です。

2. ちょっと前の生成AIの世界

=「確率(Probabilistic)」の世界

一方で、これまでのAI(LLM)には、この「変数」や「フラグ」を入れる箱がありませんでした。あるのは「雰囲気」だけです。

  • 変数なし: 「所持金? さっきの会話で500G拾ったって言ってた気がするから、たぶん500Gくらいかな?」

  • フラグなし: 「魔王? 文脈的にそろそろ倒した雰囲気が漂ってるから、村人に褒めさせておこう」


これが「柔軟な会話」を生む源泉でしたが、同時に「さっき持ってたはずの剣が消えた」「死んだはずのNPCが喋った」というバグ(幻覚)の原因でもありました。

3. 今起きている進化(AI + 普通のアプリ)

=「直感」と「論理」の合体

最近のAI(GeminiのTool Use機能や、OpenAIのo1など)は、「AIの中にRPGツクールを取り込み始めた」 状態と言えます。

AIが「普通のアプリ的な挙動」をするために、以下の2つの機能が強化されています。

A. 外部ツール(Function Calling)

AIが「記憶」を自分の脳内(確率)に頼らず、「外のメモ帳(データベース)」 に書き込む機能です。

  • ユーザー: 「ポーションを買うよ」

  • AI (思考): 『OK、口で返事する前に、裏でRPGツクールの変数をいじろう』

    • SetVariable(所持金, -100)

    • AddItem(ポーション, 1)

  • AI (回答): 「まいどあり! 残金は400Gだよ」

これなら、100ターン後に聞かれても絶対に間違えません。「普通のアプリ」の堅実さを、AIが外部委託で手に入れたわけです。

B. 思考プロセス(Thinking / Chain of Thought)

Gemini 3 Proなどの「Thinking」機能は、プログラムでいう「ログ出力」や「一時変数」に近いです。

  • いきなり答え(print出力)を出すのではなく、

  • 裏で計算用紙(メモリ)を使って計算し、

  • 検算(IF文チェック)してから、

  • 結果を表示する。

まさに「ただの夢見がちな詩人」だったAIが、「ちゃんとメモを取る事務員」のスキルを習得し始めた、というのが今のフェーズですね。


結論

TRPGで遊ぶ場合も、将来的には「ストーリー描写はAI(確率)」、「HP管理やフラグ管理はシステム(確定)」と完全に分業するのではなく、AI自身が「システム(確定)」を操作しながら喋るようになるでしょう。そうなれば、本当に「理想のゲームマスター」が誕生しますね。


なぜOpenAIが「推論(Thinking)」に舵を切ったのか、3つのポイントでまとめます。


1. 「言いっぱなし」からの脱却

これまでのAI(GPT-4など)は、「System 1(直感・速い思考)」 だけで動いていました。

  • これまでの挙動: 質問される → 脳内に浮かんだ確率の高い言葉を即座に口に出す。

    • これは「反射神経」だけで会話しているようなものです。「口から出まかせ」になりがちで、後から「あ、間違えた」と思っても修正できません。


OpenAIやGoogleが目指したのは、「System 2(論理・遅い思考)」 の実装でした。

  • 最近のAIの挙動: 質問される → (一旦口をつぐむ) → 裏で「RPGツクールのイベント処理」のように論理を組み立てる → (矛盾がないか確認) → 答えを出す。

「推論プロセス」とは、AIに「喋る前に、一旦頭の中でシミュレーションしろ」と強制する仕組みそのものです。

2. 「思考の連鎖(Chain of Thought)」が「擬似メモリ」になる

先ほどの「シュレーディンガーの猫」の話と繋がりますが、推論プロセスは「短期的なメモリ(作業机)」の役割を果たします。

  • 推論なし:
    いきなりゴール(回答)を書こうとするので、途中の計算やフラグ管理を間違える。

  • 推論あり:
    裏側で、
    思考: 今、HPは100だな。
    思考: 敵の攻撃力は20だから、100 - 20 = 80だ。
    思考: 80は0より大きいから、まだ生きているな。
    と、ステップバイステップで書き残します。

この「書き残す」プロセス自体が、RPGツクールでいう変数の処理をその場で行っていることになり、結果として「普通のアプリ」のような正確さを手に入れたのです。

3. 「データの量」の限界と「考える時間」の発見

実は、AI業界では「これ以上データを食わせても、あまり賢くならない(頭打ち)」という壁にぶつかっていました。
そこでOpenAIが発見したのが、「勉強量(データ)を増やすより、試験中の考える時間(推論計算)を増やしたほうが、正答率が上がる」という事実でした。

  • 天才児に即答させるより、凡人に30分じっくり考えさせた方が、難しい数学の問題が解けた、というような話です。


結論:TRPGやプログラミングにこそ恩恵がある

この進化は「おしゃべり」よりも「TRPG(整合性)」や「プログラミング(論理)」において劇的な威力を発揮します。

  • これまでのAI: 雰囲気でGMをやるので、矛盾だらけ。

  • 推論AI: 裏で「思考」という名のログ(擬似メモリ)を積み上げるので、ストーリーの矛盾やルールミスが激減する。

「AIはただの確率のオウム返し」と言われていた時代から、「論理を組み立てられる知性」へと変わる転換点に、我々は今立ち会っているのだと思います。最近のAIが、やたらと重くて制限が厳しいのも、裏で必死にこの「思考(ツクール的処理)」を回しているからだと思えば、少し可愛げが感じられるかもしれませんね。



分かったこと④「これからのAIの進化を人間にたとえるなら?」


人間に例えれば、質問するごとに毎回議事録をみて回答する時間のかかりすぎるやばいやつ(ただし処理速度は他人の1億倍くらい早い)から
課題だけをメモして、必要に応じてログを見る(実際はめったに見ない)人になる、ということです。

技術的な実態を、人間味のあるキャラクターとして言うとこんな感じです。

その「ヤバい奴」と「出来る人」という対比を使うと、現在のAI(Gemini 3 Proなど)と、これから目指しているAI(メモリー機能付き)の違いが非常にクリアになります。

1. 現在のAI(Type A):毎回議事録を全読みする「超速の記憶喪失者」


  • 特徴:

    • 記憶喪失: 1秒前のことも覚えていられません。

    • 超速読: その代わり、あなたの人生の「議事録(過去ログ)」を0.5秒で全読みできます。

  • 行動パターン:

    • あなた:「おはよう」

    • AI:「(ちょっと待って、彼と出会ってからの10万文字の議事録を全部読み直すね……よし、昨日は喧嘩別れしたんだった)……おはようございます、昨日はすみませんでした」

  • ここが「ヤバい」:

    • 挨拶ひとつするのに、毎回「百科事典」を最初から最後まで読破しようとします。

    • 議事録が薄いうちは天才に見えますが、議事録が分厚くなりすぎると、読むのに体力を使い果たして倒れます(エラー/制限超過)。

    • 「要領が悪すぎる天才」 です。


2. 理想のAI(Type B):メモと要約で動く「有能な秘書」

こちらが「普通のアプリ」や「人間」に近い動きです。今、OpenAIやGoogleが技術的に目指している(そして一部実装し始めている)のはこちらです。

  • 特徴:

    • 要約力: 議事録全部は読みません。「重要事項リスト(宿題・課題)」だけ手元に置きます。

    • 検索力: 細かいことが気になった時だけ、倉庫に行って過去の議事録を引っ張り出します(RAG / 検索機能)。

  • 行動パターン:

    • あなた:「おはよう」

    • AI:「(手元のメモを見る……『昨日は喧嘩した』って書いてあるな)……おはようございます、昨日の件は失礼しました」

  • ここが凄い:

    • 議事録が100年分あっても、手元のメモは数行なので、永遠に疲れずに会話できます。

    • TRPGで言えば、「第1話の村人の名前」なんて普段は忘れていて良く、「村に行く」と言われた時だけ思い出せばいいわけです。



次回、「AI Studioを使ったGeminiの設定について② TRPGに最適な設定について」

次回もお楽しみに!


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