「真の体力」とは?あなたに備わっている3つのエンジン
どうも、足ひれ社長のヨシです!
「短距離選手は筋トレだけやってればいい!」
「長距離はとにかく泳ぎ込め!」
「中距離はその両方をバランスよく!」
こんな話、よく聞きません?
よく飛び交うこの手の議論。なんとなく正しい気もするけど...実は大事なことが抜け落ちているんです。
なんとなく練習してるあなた。
とりあえずメニュー作りをさせられてるあなた。
時間があればとにかく自主練しているあなた。
実は、今のあなたのパフォーマンスを引き上げて、爆上げするための超基本かつ重要な科学的理論があるんです!
「え?科学とか難しそう...」
心配しないでください!今日はスタディサタデーとして、中学生・高校生でも理解できるくらいわかりやすく「身体の仕組み」と「効果的なトレーニング」について、丁寧に丁寧にお話します。じっくり勉強してってくださいませ!
◆身体の燃料システムを知ろう
突然ですが、あなたは車のエンジンの仕組みを知っていますか?
ガソリンを燃やして、エネルギーに変えて走る...そんなイメージですよね。
実は、人間の身体も似たような「エンジン」みたいな仕組みを持っているんです!
でも車と違って、人間の身体には3種類の「エンジン」があります。この3つのエンジンが、どんな運動をするかによって使い分けられているんです。
この「身体のエンジン」のことを、専門的には「エネルギー供給機構」と呼びます。まぁ堅苦しい言葉なので、覚える必要はないですよ!
燃料の正体は「ATP」
まず知っておいてほしいのは、筋肉を動かすための直接的なエネルギー源は「ATP(エーティーピー)」という物質だということ。こちらも覚える必要はないですが、「アデノシン三リン酸(Adenosine Tri-Phosphate)」ことです。
「横文字出てきたオワタ\^o^/」と思ったあなた、わかりました、もう忘れてください(笑)
ATP=「身体のバッテリー(電池)」みたいなものだと思ってもらえればいいです。
例えば、電池切れになった時計は動きが鈍くなったり、止まりますよね?
バッテリー切れになったiPhoneは一部の機能が使えなくなって、最終的には動かなくなりますよね?
そのバッテリーにあたるエネルギー源を人間バージョンでいうと、ATPってことです。
でも、このATPは体内にほんの少ししか蓄えられないんです。しかも基本は数秒で使い切ってしまうほどの量しかありません。
それなのに、私たちは何時間も運動を続けられます。なぜでしょう?
◆3つのエネルギー供給機構
それは、身体が「ATPを作り続けるシステム」を持っているからなんです。このシステムのことをさっきも出てきた「エネルギー供給機構」と呼ぶんですね。
で、このエネルギーを産むシステムには3つのタイプがあって、それぞれ『◯◯系』という名前がついていて、特徴も全然違うんです。
スポーツにおけるトレーニングや体力を考えるときには、この3つの違いを知っておくことが基本の基の基になります。
①即効型エンジン『ATP-CP系(クレアチンリン酸系)』🏎️
例えると・・・
スポーツカーのターボみたいなもの!爆発的な加速はできるんだけど、効果の持続時間は一瞬で、すぐにエネルギーが尽きちゃう。
特徴:
超高速でエネルギーを出せる!
でも10-15秒くらいしか持たない...
酸素は必要なし(無酸素性)
疲労物質はほとんど出ない
パワー:めっちゃ強い(100%の力が出せる!)
泳ぎで活躍する場面:
スタートダッシュ
短い全力のスプリント
一言でいうと、「短距離のレース」や、「スプリント練習」、「ウエイトトレーニング」で活躍するエンジンがこのATP-CP系というシステムです。
②パワー持続型エンジン『解糖系(乳酸系)』🚙
例えると・・・
ハイブリッドカーは、電動モーターとエンジンを併用して短時間の加速をサポート。でも、モーターの電池が切れるとパワーが落ちて燃費も悪くなる。排気ガスという副産物も。
特徴:
比較的早くエネルギーを生み出せる
糖質をもとにエネルギーを作る
乳酸という疲労物質が生じる
30秒~2分くらい持続できる
酸素は基本は使わない(無酸素性)
パワー:まあまあ強い(60-70%の力が出せる)
泳ぎで活躍する場面:
100m後半
200mのレース
キツいところの踏ん張り!
「あ~、もう脚が動かない〜...」「腕がパンパン〜!」というあの感覚は、このエンジンが生み出す「乳酸」が原因なんです。
③省エネ型エンジン『有酸素系』🚎
例えると・・・
エコカーやソーラーカー。パワーは控えめだけど、燃費最高!何時間でも走れる。
特徴:
エネルギー生成はゆっくり
何時間でも持続可能!
酸素が必須(有酸素性)
脂肪と糖質を燃料にする
疲労物質はほとんど出ない
パワー:控えめ(30-40%の力しか出せない)
泳ぎで活躍する場面:
800m、1500mレース
長時間の練習
「長距離をマイペースで泳ぎ続けたい!」「今日は長くゆっくり泳ぎたい」という時に頼りになるエンジンです。
3つのエンジンはいつも同時に動いてる
大事なポイントは、実際のレースでは、この3つのシステムが常に同時に動いているということ。ただ、レースの距離や強度によって、どのエンジンをメインに使うかが変わってくるんです。
例えば...
50m・100m種目:①ATP-CP系と②解糖系がメイン
200m〜400m種目:②解糖系がメインで③有酸素系もポイントに
800m〜1500m:ほとんど③有酸素系がメイン
この3つのエンジンの特性を理解すると、「どのエンジンを強化しなければいけないのか」なぜそのトレーニングをするのか」が明確になり、練習の質も上がるのがわかりましたか?
短距離の人がマラソンのようなトレーニングばかりしてたら意味がないと言うことです。
◆短距離(50m・100m)に必要な体力 - 爆発的パワーだけじゃない
「短距離は筋肉だけあればいい」
よく耳にしますが、本当にそうでしょうか?
実は、短距離選手に必要なのは「筋肉」だけじゃないんです。特に100mになると、意外な要素が重要になってきます。
短距離のエネルギー供給システム割合
即効型エンジン(ATP-PCr系): 50-60%
パワー持続型エンジン(解糖系): 35-45%
省エネ型エンジン(有酸素系): 5-10%
みなさん、自分のレースを思い返してみてください。50mでも、スタートして25m過ぎたあたりから、ちょっとキツくなってきませんか?
それは、即効型エンジンの燃料が切れ始めて、パワー持続型エンジンに切り替わっているからなんです。
100mだと、この傾向がもっとはっきり出てきます。後半の失速で悩んでいる人は多いのではないでしょうか?
短距離選手に必要な4つの能力
瞬発力:スタートやターンで爆発的な力を出せる能力
最大筋力:水を強く蹴るための筋力
パワー持久力:短時間でも高い出力を維持できる能力
クイックネス:素早く正確な動きができる神経系の発達
つまり「筋力だけ」じゃなく、「パワー持久力」も重要なんです。特に100mになると、後半のキープ力が勝負を分けます。
「え?筋トレだけじゃダメなの?」と思った人、正解です!筋力だけでなく、エネルギー供給システムを鍛えることで、より効果的にパフォーマンスが上がります。
◆中距離(200m・400m)に必要な体力 - 最も過酷な距離?
中距離は、「楽しい」と感じる人が一番少ない距離かもしれません。なぜなら、スポーツ科学的に見ると、最も過酷な距離だからです。
私はそんな過酷さが逆に魅力で、一番楽しいと思ってますけどね、、、!
なぜ中距離が最も過酷なのか?
それは、すべてのエネルギーシステムをフル活用しなければならないから。特に「乳酸との戦い」が最も激しい距離なんです。
中距離のエネルギー供給システム割合
即効型エンジン(ATP-PCr系): 10-20%
パワー持続型エンジン(解糖系): 40-50%
省エネ型エンジン(有酸素系): 30-50%
中距離の特徴は、パワー持続型エンジン(解糖系)への依存度が高いこと。この解糖系が生み出す「乳酸」との戦いが、中距離の最大の山場になります。
イメージできますか?あの「脚が鉛のよう...でも泳ぎ続けなきゃ...」という感覚。あれが乳酸との戦いなんです。
中距離選手に必要な4つの能力
乳酸耐性:乳酸が溜まっても泳ぎの質を保てる能力
パワー持久力:高い出力を維持する能力
最大酸素摂取量(VO2max):有酸素パワーいわゆる持久力の指標
乳酸閾値:乳酸が急激に増え始めるポイント
200mと400mでは微妙に必要な能力が違います。
200m:パワー持続型エンジンが主役
400m:パワー持続型と省エネ型のバランスが重要
中距離選手は関連する要素が多い分、どんな戦略を取るかが最高につながる重要なポイント。例えば、「いつもレース後半に失速する...」という人は、乳酸耐性を鍛える必要があるかもしれません。
その見極めをしないで、一辺倒な練習をしていると、「キツい思いだけして、実際には速くなれない」という悲しい結果になってしまいます😢
◆長距離(800m・1500m)に必要な体力 - エネルギー効率が鍵
長距離選手を見ていると、「疲れてるのにどうして泳ぎ続けられるんだろう?」と思ったことはありませんか?
その秘密は「効率の良さ」にあります。長距離では、いかに少ないエネルギーで速く泳げるか、つまり「燃費の良さ」が重要なんです。
長距離のエネルギー供給システム割合
即効型エンジン(ATP-PCr系): 5%以下
パワー持続型エンジン(解糖系): 20-30%
省エネ型エンジン(有酸素系): 65-80%
長距離では、省エネ型エンジン(有酸素系)が主役です。でも、最後のスパートやレース途中の駆け引きでは、パワー持続型エンジン(解糖系)も重要な役割を果たします。
長距離選手に必要な4つの能力
有酸素能力:酸素を使ってエネルギーを生み出す能力
乳酸閾値:乳酸が急増し始める強度のポイント
エネルギー効率:少ないエネルギーで速く泳げる効率性
ペース感覚:最適なペース配分を体で覚える能力
「持久力さえあればいい」と思っている人は多いかもしれませんが、実は「エネルギー効率」という技術的要素がとても重要なんです。
同じスピードでも、エネルギー消費が少ない選手の方が、長い距離を速く泳げます。これは純粋な体力だけでなく、泳ぎの技術に大きく関わってきます。
「長距離はただ泳ぎ込めばいい」というわけではないんです。技術とペース配分も含めた総合的な能力が重要です。
◆フィンスイミングと競泳の違い - 同じ水中でも別世界
フィンスイミングは、同じ距離でも競泳よりもスピードが1.5倍ほど速いんです!
例えば、世界記録で見ると、競泳の50m自由形は約21秒ですが、フィンスイミングの50mアプニアは約14秒。
このスピードの違いが、必要なエネルギーシステムにも影響します。
主な違い
短距離(50m・100m):
競泳よりも即効型と中距離型エンジンへの依存度が高い
爆発的パワーがさらに重要
水の抵抗も大きくなるため、効率的なテクニックがより重要
中距離(200m・400m):
乳酸との戦いがさらに激しい
競泳よりも早い段階で乳酸が蓄積する
エネルギー効率と高スピードでの技術の安定性が鍵
長距離(800m・1500m):
フィン特有の筋肉疲労への対応力が必要
フィンスイミングでは、特に体幹・下半身(腹筋、背筋、臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス)の筋持久力が競泳以上に要求されます。
私の場合、選手として全盛期は200mと400mのサーフィス種目を専門としていましたが、ほんと、レース後は「脚が破裂しそう...」というくらい筋肉が悲鳴を上げていました。
この経験から言えるのは、フィンスイミングも競泳も、それぞれの種目特性を理解して、最適なトレーニングを組み立てることが大切だということです。
◆明日からできる!実践トレーニング設計法
さて、ここまでの知識を踏まえて、あなた自身のトレーニングをどう組み立てればいいのでしょうか?
実践的な4つのステップを提案しておきます。
【Step 1: 自分の種目を分析してみよう】
まずは、自分の種目がどのエネルギーシステムに頼っているのかを理解しましょう。また、例えば同じ100mでも、自分のレースパターンによっても変わります。
前半飛ばすタイプ:即効型への依存が高い
じわじわ追い上げるタイプ:パワー持続型への依存が高い
【Step 2: 弱点を見つけよう】
次に、自分のレースパターンを分析して、弱点を見つけます。
レース後半でバタバタする → 乳酸耐性やパワー持続型エンジンの強化が必要
スタートで出遅れる → 即効型エンジンと瞬発力の強化が必要
全体的にスピードが上がらない → 基礎筋力や技術の見直しが必要
【Step 3: 重点トレーニングを組み立てよう】
弱点に合わせたトレーニングを組み立てます。
例:100mで後半失速する選手の場合
乳酸耐性トレーニング
パワー持続型エンジン強化
筋持久力トレーニング
【Step 4: バランスよくプログラムを組もう】
弱点を集中的に強化しつつも、他の要素も適度に鍛えることを忘れないでください。
シーズンによってもトレーニング内容は変えるべきです。
オフシーズン: 基礎体力強化と弱点克服
プレシーズン: 専門的な体力要素の強化
シーズン中: 競技特性に合わせた調整と維持
「明日の練習から変えてみよう!」という気持ちになった人もいるかもしれませんね。ぜひ挑戦してみてください!
☆知識があれば、トレーニングが変わる
ここまで読んで、「あっ、今までの練習の意味がわかった!」という発見はありましたか?
今回お伝えした「エネルギー供給機構」の知識は、あなたの練習の質を大きく変える可能性を秘めています。
今までなんとなく「頑張る」だけだった練習が、「なぜこの練習をするのか」という明確な目的を持ったトレーニングに変わるはずです。
実は、国際大会で活躍するトップ選手や、繰り返し実績を出しているコーチたちは、当たり前のようにこの科学的知識を活用しています。彼らが世界で戦えるのは、「根性」だけではなく、「効率的なトレーニング」があるからなんです。
ぜひ、明日の練習から少しずつ取り入れてみてください。きっと新しい発見があるはずです!
「自分の種目に合ったトレーニング方法をもっと知りたい!」
「具体的なメニューが知りたい!」
という方は、ぜひコメント欄で教えてください💡
次回は、より具体的なトレーニング方法について掘り下げていきますので、お楽しみに!
ということで、今回もここまで読んでくれてありがとうございました。
この内容、良かった!勉強になった!
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また、これからも他では聞けないトレーニングの紹介や泳ぎの解説を通して、読者の皆さんのお役に立てるような発信をしていきますので、「コメント欄」に「質問や気になる内容」を入力して教えてください!
それではまた次回お会いしましょう!
またね〜
フィンスイミングスペシャリスト
足ひれ社長 関野 義秀

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