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渡島半島左側探訪③ 〜悲劇の船・開陽丸を探索す/ミドル夫婦の車中泊de道の駅めぐり

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#8 日本一小さい道の駅を通過す

 目が覚めたら、外は土砂降りだった。
 朝の5時。
 季節が季節だけに少しだけ窓を開けて仮眠していたのだが、さすがに慌てて窓を閉める。
一度起き上がってしまった車内の身体は容易に二度寝を許してくれず、仕方なくわたしはそこから夫が起きるまで、ポケモンGOと戯れることにした。

~ここからはしばし余談~
 ちなみに、興味がない人にとってはどうでもいい話だが、仕事で利用者さんとコミュニケーションを取るためだけに始めたポケモンGOが、去年から続く長い車中泊旅に於いて、意外なほど良いエッセンスになった。
車中泊の敵のひとつは、その日はそれ以上進めない…となった時の暇ではないかと思うのだが、ポケモンGOは現実世界とリンクしていて、いたるところにポイントのようなものがあり、そこからその土地にしかないポストカードを取得・保存、そしてフォロワーに贈呈できるようにな仕組みになっている。
 もちろん、プレイの主目的はそこではないが、自分で集めたポストカードを見返せばそれなりに思い出が蘇ってくるし、何より自分では行けない土地のポストカードをフォロワーさんたちが喜んで受け取ってくれるのである。
 なので、新しい土地に行くときには必ずポケモンGOを開く習慣ができた。その時にもし、近くでレイドバトルがあれば、稀に現地の人とポケモン上で繋がることもある。
 今みたいに、夫がなかなか起きずにグースカ寝ている時も、ひたすらポケモンと戯れていれば程よく時間が過ぎてゆくことで暇が潰れる…という流れで、わたしは何度助けられたかわからない。
 今更だけれど、ここで改めてNiantic様およびScopely様にお礼を言いたい。ありがとうございます!!

 そうこうしているうちに、時刻は9時を回り、気持ちよさそうに寝ていた夫も目を覚ました。
この頃にはすっかり雨も上がっており、爽やかに晴れ上がった空の下、まずは今日の一歩を踏み出す。

 明るくなってから見回してみたところ、厚沢部町の道の駅は比較的建物が大きかった。
看板には「メークイン発祥の地」と大書されており、確か男爵いも発祥の地と謳っていた七飯町の道の駅を、何となく思い出す。
プロデュースが違うと、こうも印象が違うんだな…と元・広告屋のいやらし目線を発揮しつつ、とりあえず中に入ってみた。

これが厚沢部町の道の駅
比較的可愛らしい感じの外観

 売店は、地場産品の種類もそれなりに豊富だったが、よくある北海道土産でだいぶ売り場をふかしていることもあり、全体的に希薄な印象になってしまっていた。
せっかくだからとお野菜コーナーも覗いてみたが、産直の道の駅野菜の割にお得感は皆無。あまり食指が動くものは見つけられなかった。

広くはある
木工コーナーもあるが…やはり遠軽やまるせっぷに比してしまうよね…
おぉう…令和に…

 ただ、道の駅は全体的に清潔に保たれ、スナック類もこの時間からの提供があり、頑張っている感は濃厚にあった。
 せっかくなので、厚沢部産メークインと地元産豚肉を使ったという名物のコロッケをひとつ購入してみる。

わぁい揚げたてー
うん

 コロッケは、いかにもメークインらしくトロリとした食感で、しっかり味がついている豚肉とよく合い、とっても美味しかった!
男爵のほくほく感とはまた違う美味しさ。これはもしかすると、も少しトロリを活かせるクリーム系なんかもいいかも!

 多少小腹を満たした我々は、昨日スルーしてきた【道の駅 江差】に戻ることにした。
 時間にして、ここから約15分ほど。
江差町の道の駅のキャッチコピーは「日本一小さい道の駅」らしい。

看板は可愛い
これが江差町の道の駅

 到着してみると、確かに江差の道の駅は田舎の交番くらい小さかった。
それでも、外観は意外としっかり手をかけてあり、質的にはプレハブ掘っ立て系の道の駅よりはマシなような気がする。

展示物はこれくらい
ほんとにちいせえ

 すんごい至近距離で無言で座っている係員らしきお兄さんに「すごい…触れ込み通り小さい道の駅ですね」と笑いかけると、ニコリともせず「はぁ」という反応だったので、特に何をすることもなくスタンプを押し、早々に退散する運びとなった。
 うん!!特性が活かし切れてねぇ道の駅が北海道には多いなあ!!他の県はほとんど知らんけど!!

 ここで、町内の散策マップらしきものを見ていた夫が「少し江差を散歩してみない?」と言い出した。
 確かに、マップには興味深げな史跡などが多々記されている。
中でも、もっともわたしたちの興味を引いたのは、かもめ島という出島に復元された幕末の悲劇の船・開陽丸のミュージアム!!
そうか!!あの船は確か江差沖で座礁したんだったよな!!
これは何としてでも行かなければなるまい!!

 途中には、在りし日の繁栄の面影を残す【いにしえ街道】という激シブの通りがあった。

 自分の街には歴史らしい歴史が少ししかないわたしたちにとって、この風景はかなりのツボで、思わず行きつ戻りつして楽しんでしまう。
 途中、偶然見つけた山田屋菓子舗さんでは運よくどら焼きもゲットでき、いよいよわたしたちは開陽丸とご対面と相成ったのであった。

#9 悲劇の船・開陽丸を学ぶ

海の駅…?

 江差町にある【開陽丸記念館】は、この【えさし海の駅】で受付を済ませないと入場できない仕組みになっている。

 しかし…海の駅…?どこかでも見たような…?

 調べてみると、やはりわたしたちがよく行く苫小牧市にも『海の駅』の名を冠する施設があり、全道8カ所に設置されているらしい。
稚内市・北見紋別市・利尻島・小樽市・苫小牧市・室蘭市・江差町・函館市と、道南と道北に全ての施設があり、道東には海の駅がない。
 一体どこの管轄なんだろう…?と不思議に思いながら、ともかく江差町の海の駅に足を踏み入れてみた。

土方歳三と榎本武揚がお出迎え

 この施設にも若干の資料などが展示してあり、小さな博物館のような造りになっていた。
 昭和の匂いを感じさせる売店やレストランも併設されており、中は全体的に良い意味で「いなてぇ」感じ。
少しばかり興味はあったものの、さすがにまだランチタイムには早すぎるので、ひとまずは船の方をしっかり見て回ることに決めた。

見よ!この昭和感あふれる佇まい
葵の御紋
展示もなかなかしっかりしている

❝開陽丸(かいようまる)は、幕末期に幕府海軍に所属していたオランダ製軍艦。オランダでの愛称はVoorlichter(夜明け前)。木造シップ型フリゲート。
江戸幕府大老井伊直弼の意思を継いだ老中安藤信正(信睦)によってオランダより導入された江戸幕府の軍艦で、オランダで造艦され、1867年(慶応3年)3月25日に横浜へ入港した。最新鋭の主力艦として外国勢力に対する抑止力となることが期待されたが、徳川軍艦としてわずか1年数ヶ月、1868年(明治元年)11月15日、蝦夷地・江差沖において暴風雨に遭い、座礁・沈没した。❞

Wikipediaより引用


 表玄関から海の駅を通り抜けて裏手に出ると、すぐそこの港に開陽丸が復元されている。
漁船とフェリーと遊覧船以外は目にしたことがないわたしたちは、外に出るなり思わず「うぉー!」と歓声を上げてしまった。

これが復元された開陽丸

 中には悲しくなるほど他に人はいなかったが、大砲の発射体験コーナーや船員たちの仕事を再現した人形、実際の開陽丸から引き揚げられた遺跡の数々などが展示されており、幕末に少しでも興味のある人にはオススメできる濃い空間だった。
 撮影もOKだったため、ここはひとつ画像で開陽丸記念館の雰囲気を味わって頂こう。

ハンモック体験スペース
これは大砲発射の疑似体験コーナー。なかなか面白かった
実際の音を聞くことができる
引き揚げられた開陽丸の遺構
剣なども数多く積まれていたらしい
当時の食器類も興味深い
銃もたくさんあった

 上記は海の駅にも置かれていたものだが、葵の御紋を模したマークらしく、海外の職人の手にかかると微妙な感じに仕上がって来る感じが妙に面白かった。
どうやら、葵の御紋は当時あちらで流行っていたハートマークを三つ繋げたものと誤認されたらしく、それ以上は詰めなかったのか…と、力関係まで邪推してしまう。

 そのほか、いたるところに設置された大型のキャプションにもしっかり気合が入っており、腰を据えて見て回れば、かなりの満足感が得られた。

幕末愛が迸っている
歴史や文化も学べる貴重な資料展示たち
これは開陽丸引き渡し会の食事復元
船のロープの結び方の標本可愛かった

 そう広くはない船内博物館ではあったが、じっくり見て回ると1時間半ほどが経過していた。
脳裏には若い頃に読んで感銘を受けた司馬遼太郎の「燃えよ剣」の後半の場面が何度か蘇り、あの頃ドハマりしていた幕末への情熱を思い起こさせる。

 いや~!!幕末好きにはぜひ一度足を運んでみて欲しい場所だったよ!!

#10 乙部町で念願の「てっくい天丼」と巡りあう

 続いては、江差町から車で約30分のところにある乙部町の道の駅【ルート229元和台】を目指すことになった。
 北海道の道の駅は、ほとんどがそこの行政名を冠する名前がついており、このルート229元和台のように乙部町の「お」の字も出てこないのは珍しい。
面した道路の名前を取った似たようなパターンだと、根室市の道の駅【スワン44ねむろ】があるが、それにしてもしっかり「ねむろ」を入れているので、最初は「元和台」が町名なのだと思っていた。
 調べてみると、どうも元和台というのは、隣接の海浜公園の名前らしく、或いはそちらの方が乙部町よりもヒキがあると踏んで名づけられたのかも知れない。

 ともあれ、ゆく道は海岸線ながら、結構なくねくね道。

景色はよい

 どうやらトンネル工事をやっていたらしく、迂回路を通されたために、余計に難路を走る羽目になったようだ。
そんなわけで、ナビの予定より少しばかり遅れて、やっと目的地へと到着する。

これが道の駅【ルート229元和台】 看板すらない

 この道の駅は元和台海浜公園にちなんで名づけられたものではないかと先述したが、実際に着いてみると、看板には【檜山道立自然公園】と記されていた。
どこがどうなっているのか、マップも見当たらなかったためよく解らないが、とにかくどこを取っても「乙部町」の名前は見当たらない。

どうやら自然公園に作られたものらしい

 建物自体は結構な高台にあり、見晴らしもそこそこに良かった。
遠くには奇岩を抱く港も見えたが、検索しても何も出て来ないところを見ると、あの岩にも名前はないのだろう。

不思議な岩には名も無い

 売店にも、あまり目ぼしいものは見当たらなかったので、昼時だったということもあり、とりあえずわたしたちはネット検索ですぐ近くに出てきた【レストラン元和台】に行ってみることにした。

うおー!昔懐かしい!!

 【レストラン元和台】の佇まいは、古き良き昭和のドライブインそのもの。
あ~~今はもう潰れちゃったけど、昔近所にもこういうドライブインあったよね~~などと言いながら、あたりの景色を見回す。

 建物のすぐ横には「北緯42度岬」なる看板があった。
雲は多いながらも、その隙間から陽光がちらりと差し込む日本海は美しく、気持ちのよい風が芝生の上を走り抜けてゆく。
 しばらく眺望を堪能したあと、改めて昭和レトロな店内に足を踏み入れてみた。

これは…!!

 昔は観光バスなどもたくさん訪れていたのであろう店内は、思っていたよりかなり広かった。
しかし今は昼時にも関わらず、店内にはわたしたちのほかに二組の客の姿があるのみ。
些か物寂しい雰囲気は否めないものの、お元気そうなご年配スタッフの方がしゃっきり背筋を伸ばして注文を取りに来てくださり、何となく気分を持ち直す。

ロケーションはかなりのもの
絵葉書みたいな風景が撮れた

 メニューを開いてみると、一般的な定食や麺・丼に混じって、なんと上ノ国町で食べ逃した『平目天丼』の文字があるではないかー!!
 まぁ「てっくい平目」ではないかも知れないけれど、どうやら平目自体はここら一体の名物なようで、夫もわたしも迷わず平目が乗った天丼を注文する。

わたしは平目&海老天丼¥1500を注文しました

 どうしても海老天に惹かれてしまったこともあり、わたしは海老天も乗った天丼を注文したのだが、結論から言うと、ここは迷わず平目一択にすべきだった。
 新鮮で臭みのない平目がふわっふわ!とろーり!で、めちゃくちゃ美味しかったのである!!

 冷房の効いていない店内は暑かったが、冷たい麦茶がなくなりかけると、目配りの効く女性スタッフさんがすぐさま新しい麦茶を注ぎに来てくださった。
建物だけでなく、味やサービスまでもが昭和レトロの良いところが前面に出たお店の在りように、思わず手を合わせて感謝したいような気持ちになる。
 滞在時間はそれほど長くなかったが、おなかも心もすっかり満足して、わたしたちはいよいよこの旅最後の目的地となる道の駅【てっくいランド大成】を目指すことになったのであった。

#11 さらば渡島半島

 道の駅【ルート229元和台】から、道の駅【てっくいランド大成】までは、車で約50分。
天候は薄曇り、全体的にむしっとした空気の中、半ば帰路にあるわたしたちの車はトコトコと進んでゆく。

 しかし来る前に知人から聞いていた通り、渡島半島左側の海岸線は、本当に見事なほどずーっとずーっと綺麗だった。
今回は常に雲が多い感じであまり見られなかったけれど、きっと快晴の夕焼けはさぞ美しいに違いない。

いつか夕焼けも見に来たい海岸線

 たどり着いた道の駅【てっくいランド大成】は、比較的小さな道の駅だった。
フード類は明らかに少なく、お土産のスペースも手狭だ。

これが道の駅【てっくいランド大成】
マジでこぢんまり

 ただ、こちらの売店のスタッフの方は非常に快活で、上司へのお土産を選びかねているわたしたちにも気さくにお声をかけてくださり、あれこれとオススメの品物を吟味してくださった。
 うん。小さくて品ぞろえの薄い道の駅でも、こういうのがあるとついつい買っちゃうんだよなあ。

 結局、ここでは上司へのお土産に加えて、美味しそうなおつまみも数点購入。
最終的にお土産の買い漏らしがないかをチェックし、わたしたちは今回の長旅と渡島半島にしばしの別れを告げ、本格的な岐路に着いたのであった。


 ちなみに、この渡島半島めぐりでゲットしたどら焼きは下記の品々。
この旅日記が上がる頃にはレビューも終わっているかも知れないが、備忘録代わりに掲載しておきます。


 それでは、このたびはこの辺で!
長旅にお付き合いくださった方がもし居らしたら、ありがとうございました!

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