渡島半島左側探訪② 〜歴史情緒豊かな松前城下町めぐり/ミドル夫婦の車中泊de道の駅めぐり
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#4 みそぎの里を超えて横綱&onちゃんと邂逅する
道の駅【みそぎの里 きこない】では、雨と始発の音で5時には目が覚めてしまった。
前日はnoteも編集せず、行ったお店のレビューも投下せずにポケモンGO画面を握りしめたまま寝落ちしてしまったので、とりあえず昨夜やり残していたことに時間を費やす。
結局、道の駅がオープンする9時までにはすっかりやりたかったことをやり終え、ノロノロと起き出した夫と共に、気持ちよく渡島半島西側巡りを開始することができた。

田舎の道の駅は、往々にしてオープン直後には何も食べることができないパターンが多いのだが、ここはすぐにスナック類にありつくことができた。
売店も地元産品や地域特産品に溢れており、ミニ水族館なる展示コーナーやドッグランも併設され、訪れる人を楽しませようという温かい心遣いがそこかしこに感じられる。
うーん、こういう道の駅は好きだなあ!
ちなみに、なにゆえ木古内町の道の駅が「みそぎの里」という不思議な名前を冠しているのかと言うと、歴史の浅い北海道としては珍しく、この町には200年続く『寒中みそぎ祭り』というお祭りが連綿と受け継がれているそうで、この祭りの様子をモニターで年中観ることができる『寒中みそぎ祭りブース』を設置していることに由来しているのだとか。
ともあれ、時刻はまだ朝の9時を回ったばかりだったが、せっかくここまで来たのだからと、珍しい『みそぎの塩ソフトクリーム(塩みかんクリーム)¥400』と『揚げべこ餅¥220』を食べてみることにした。

こちらは、普通のソフトに塩みかんクリームがかかっているタイプのソフトクリームで、思っていた以上に塩が効いていた。しかし、それがめちゃくちゃいいアクセントになっていて、濃厚なバニラとみそぎの塩、そして甘酸っぱいみかんの風味が見事にマリアージュして飽きが来ない。

揚げべこ餅にも地味に塩がかかっており、カリっした表面の香ばしさと、脂の奥から出てくるもちっとしたべこ餅の優しい甘さを、塩味がキリリと引き締めている一品だった。
ついでだからと200円の激安アイスコーヒーも購入し、スタンプをゲットして次なる道の駅へ向かう。
と、ここで海沿いを走る国道228号線に出て早々、何もない海に面して建つ鳥居を発見してしまった!

あいにく悪天候だったため、もったいないことに鳥居の横に建っている碑まで足を運ぶのは断念したが、そこには佐女川神社の由来が書かれているらしい。
それにしても、何もない海に面した鳥居の風景は天気と相まってどこが厳格で、それでいて荘厳で、何とも身の引き締まるような気持ちになってくる。
なるほど、こんなところで身を清めれば、自分にまとわりついている山のような煩悩も振り払われるかも知れないな…などとぼんやり考えながら、非日常的な美しい風景をあとにした。
次の道の駅までは、およそ20分。
知内町に入る10時半頃になると、天気は少しずつ回復の兆しを見せ始めた。

知内町の道の駅には、なぜか『株式会社スリーエス』という企業看板と、知内物産館という看板がかかっていて、あからさまに民間企業の社屋を道の駅として申請した跡が見受けられる。
調べてみると、スリーエスさんは警備関係の会社だそうで、それがなにゆえ今もって知内町の道の駅と軒を同じくする流れになったのかは不明だ。

恐る恐る足を踏み入れてみると、中も外観の印象とさほど変わりなく観光要素はほぼ皆無。
少しのお野菜と、よくある土産物がちょろりとあるくらい。
なんでも、階上には新幹線が見られるというバカでか展望台があるらしいが、正直新幹線が通らない限りはそれほど撮れ高があるようには思われなかった。
ここは長居は無用と判断し、スタンプを押して早々に出発する。
福島町の道の駅は、ここから更に20分ほど。
たどり着いたそこでは、大々的にキン肉マンのウルフマンとのコラボレーション企画が展開されており『横綱の里』の冠に相応しく横綱関連商品が推し推しの推し一色だった。


外観はコンクリート打ちっぱなしを使用したクールでオシャレな印象だが、中は一般的な中級クラスの道の駅と同じくらいの印象を受けた。
何しろいたるところにウルフマンと横綱をプリントした商品が置かれているので、相撲に興味がある方には最高の道の駅なのかも知れない。


道の駅自体はあっという間に見終えてしまったので、早々と隣接の【横綱千代の山・千代の富士記念館】へ足を運んでみる。

昭和を代表する名力士・千代の山と千代の富士を輩出した福島町ならではのこの施設は、エントランスからしてド迫力。
二人の名横綱の銅像がお出迎えしてくれる、相撲ファンならおそらく誰もが胸アツの観光名所だ。
中では当然のように当時の動画などが観られるようになっているほか、数々のお宝グッズが展示されており、かなり見応えがある。
実際に使用されていた『まわし』や、当時活躍した力士たちの手形、優勝した際の景品など、滅多に見る機会のないものが目白押しなので、少しでもご興味がおありの方は、まず立ち寄って損はないスポットだろう。






最後の方には、実際の相撲部屋を実寸大で再現したブースなどもあり、地元の方々が両横綱に抱く並々ならぬ愛を感じることができた。
そりゃあなぁ。歴史に名を残す大横綱を2人も出したとあっちゃあ、町にとっては何ものにも代えがたい誇りに違いないよねえ。

続いては、いよいよ最初からお昼ご飯をここで摂ろう!と狙いを定めていた道の駅【北前船 松前】を目指すことになった。
【道の駅 横綱の里ふくしま】と【道の駅 北前船 松前】をつなぐ国道228号線は、北海道と本州がもっとも近づく海岸線に作られたルートで、晴れた日には海の向こうに下北半島と津軽半島を臨むことができる。
すっかり晴れてきた空にテンションを上げたわたしたちは、よさげなビューポイントに車を停めて歓声を上げ、初めて肉眼で見る青森の姿にしばし目を凝らした。


すると……
ゑ?

なんと、同じビューポイントに撮影クルーをぞろぞろと引き連れたonちゃんがいらっしゃるではないかー!!
『onちゃん』とは、北海道テレビ放送(HTB)のマスコットキャラクターで、過去には北海道を代表する人気番組となった『水曜どうでしょう』で大泉洋と共演し、一躍全国区に名前を広げた。
現在もローカル番組では引っ張りだこなので、ある意味北海道では下手なタレントよりも人気者と言えよう。
喜んでわーわー言っていると、気の良さそうなスタッフさんが嬉しそうに「良かったら、一緒に写真撮りますよ」とお声がけくださった。
年甲斐もなく小躍りした我々に断る理由もなく、プロの映像スタッフさんの手によって、謎に画角のよい記念写真を何枚も撮って頂く。
何たる幸運!
こうして多少の寄り道を経てしまったものの、思わぬ僥倖に恵まれたわたしたちは、大層気分よく再び松前町の道の駅を目指すことになったのだった。
#5 念願の松前城下町を満喫する
結局【道の駅 北前船 松前】に辿り着いたのは、お昼も少し回った12時18分のこと。
駐車場はそこそこに混み合っており、お城をイメージしたイカす外観は、行政の気合のほどを充分に窺わせる。

内部もまぁまぁのお土産数で、レストランも併設されているが、コスパがイマイチというレビューが目立ったため、食堂前ではしばし思案に暮れてしまった。

本当のことを言うと、下調べしていた松前町には他にも美味しそうな食堂がたくさん見受けられたのだが、海苔に目がない夫がここで名物の『だんだん弁当』を食べて行く!と言い出した。
『だんだん弁当』とは、松前産の特別な岩海苔を、間にご飯を挟みながら何重にも重ねた弁当で、辛口の並ぶ道の駅の食堂レビューでも、比較的好印象を受けるメニューだ。
お刺身系の定食を食べたい気持ちもないではなかったが、せっかくここまで来たのだから、やはり他では食べられない「ここだけ」メニューにしようと思い立ち、わたしも付き合うことにする。
ついでに、名前の由来にまでなっている本場の『松前漬け』も注文してしまった。

いやー。
そろそろ学習しなきゃだよね。こういう時の夫の選択は概ね正しいって。
なにこの海苔弁。
プレミアムが過ぎる!!!

あとで知ったことだが、この松前町の『だんだん弁当』は町内の色々な飲食店で提供されているそうで、街のそこかしこで味わうことができるのだとか。
特筆すべきは、海苔の厚み!!マジでもう、こんな分厚い海苔、見たことがない。
濃厚かつ芳醇な磯の香りをたっぷりと含んだ分厚い岩海苔に、醬油味のタレがふんわりと染み込んでおり、それが美味しい白米の間に適度な厚みで敷き詰められたこの弁当は、ある意味で磯の極致。
海苔が好きな人なら絶対ツボに違いない絶品だったのである。
夫よー!!ありがとー!!!
一緒に頼んだ松前漬けも、文句なしの美味しさだった。
試しにだんだん弁当を口に運ぶ際、ちょろりと松前漬けを添えてみると、もう異次元の美味しさ!!
海藻がメインとなって繰り出す磯の香の乱舞である。ぜひ一度お試し頂きたい。
ちなみに、結局近くまでは行かなかったが、この道の駅の裏には明治時代に築かれた波止場の遺構がそのまま残っており、なかなかに味わい深い景観を作り出していた。

道の駅ではいくつかのお土産品とどら焼きをゲットし、すっかり満腹になったわたしたちは、いよいよ今回の本命である【松前城】を目指すことになった。
❝松前城(まつまえじょう)は、西蝦夷地(渡島国津軽郡、のち福島郡の一部を編入で松前郡)福山(現・北海道松前町松城)にあった日本の城(平山城)。江戸時代、公式には福山城(ふくやまじょう)と記されたが、当時から備後福山城との混同を避けるため松前城とも呼ばれていた。❞
道の駅からナビを確認すると、松前城は他の城の多分に漏れず山の上に築かれている。
暑さのために結局は車で行くことにしたけれど、天候や気温さえ問題なければ歩いていくことも不可能ではなさそうな距離だ。
ただ、先述したように基本的にはそこそこの山の上に築かれているので、登るにしても歩きやすい靴が必須条件なのはいずこも同じ。
とりあえず、歴史情緒溢れる街並みはあとでゆっくり散策するとして、広大な松前城の敷地へと車を進めてゆく。
坂を登り切ると、どうもそこは全体が松前城の史跡となっているようで、駐車場のものと史跡のものとが混在した案内看板は些か判りづらかった。
何度か同じところを行きつ戻りつしたあと、やっとそれらしきものを見つけて車を停める。
いざ、気合を入れて歩かん!!と進み出したところで、まずはひとつめの史跡に巡り合うことができた。

「北海道唯一 書院造の茶室」
「ご自由に(100円) 見学ください」
雑か。
ガムテープ留めじゃん!!
箱の中に100円玉を入れ、初っ端からなかなか やっつけ仕事 趣を感じさせる案内を行き過ぎ、北海道唯一という書院造の茶室に近づく。
ぐるりと回ってみたが、裏口には廃品のようなものが積まれていて、あまり趣は感じられなかった。
入り口はがっちりと閉じられて中を見ることもできないようになっており、些かの残念感が否めない。わたしたちは「うん…」と頷きあい、そっとその場を離れたのであった。

出だしは少しばかり微妙なものになってしまったが、歩き始めた道は大層気持ちが良かった。
他の地域ではあまり目にすることができない竹林や杉の木がそこかしこに散見され、ここが北海道であることを一瞬忘れそうになるほど。



そして、もうひとつ特筆すべきはお墓の数ね。
マジで、歩いていて、ちょっと開けてるな…と思うところに当たると、ほぼ間違いなくそこには小さな墓地がある。そういうのが、本当に至るところにあるのだ。
なるほど、北海道でも有数の歴史ある土地ともなれば、そういうことにもなるよなあ…などと夫と話しながら、てくてくと進んでゆく。
やがて開けた道に出ると、どこかから風情のある琴の音が聞こえてきたので、わたしたちは音を頼りにそちらへ向かってみることにした。
雨上がりの道は、むわっとした湿り気のある空気を立ち昇らせて気温がヤバいことになっていた。
それでも雨よりいいか…と進んでゆくと、やっと松前藩屋敷が立ち並ぶエリアに辿り着く。
すると…

思わず「またおるんかーい!!」とベタなツッコミが口から零れてしまった。
わたしたちに気づいたスタッフさんたちも声を上げて笑い「運命ですね!」などと仰っている。
うーん、優しい世界!!
それにしてもこんな炎天下でもしっかりキメポーズを忘れないonちゃんには頭が下がる。暑い中お疲れ様でしたー!!
この松前城下にある【松前藩屋敷】群は、当時のものがそのまま残されているわけではなく、往年の街並みを再現したテーマパークなのだそうだ。
中には、やはり当時使われていたものなども展示されており、ぶらぶらと歩いて観て回ればそこそに見応えはある。










一部の旅籠などは、階上まで上がって下を見下ろせる仕様になっており、最盛期には8000戸3万人の人口を誇った仙台以北最大の街の片鱗を窺うことができた。
うん。この眺めは確かに北海道の他の地域では見ることができないだろうなあ。



面白かったのは『自身番小屋』という江戸時代の交番みたいなものの跡地だ。
内地の自身番小屋は「目明し」と呼ばれる警官のような役目の人たちのために作られたものに対し、松前藩の自身番小屋は「火消し」と呼ばれる消防士のような人たちが使っていたそうで、どうしてそういう役回りになったのかは知ることができなかった。
しかし、内地から遠く離れたこの北の孤島では、目明しよりもはるかに火消しの方が出動機会が多かったのではないだろうか。
思わず往時の街の様子に想いを馳せ、夫としばし語り合ってしまった。


メインストリートのような場所を過ぎると、駐車場で案内看板を見たときから気になっていた、この時期限定の【浮き紫陽花】なる展示物を発見した。
切った紫陽花を水場に浮かべて涼をとるという贅沢な展示で、確かにこの規模の紫陽花がぷかぷかと水に浮いている様は涼し気で美しい。



そこから最奥にあったのは、おそらくこの松前藩屋敷テーマパークでメインになっているであろう武家屋敷だ。






くまなく回ってみたが、中は案外と手狭になっていたので、もしかすると完全再現ではないのかも知れない。
まぁ、去年から今年にかけては内地の史跡めぐりを終えたばかりなので、それらに比較すると些か物寂しい感じがするのも仕方ないのかもね。
屋敷エリアの出口付近には、松前漬けの専門店【あさみ商店】さんがあった。
とりあえず何かお土産になるものでも見ようか…と足を踏み入れ、珍しいゲソのノシイカを手に取ると、威勢のいいお母さんが「味見してからにしなよ!!マズイかもしれんから!」と大声で宣う。
爆笑しながら味見用のノシイカを手に取ると、またお母さんが「ちっちゃ!もっと大きいの取りなよ!!」と大きな塊を手に乗せてくださった。
それだけでもう、充分買う価値はできた。ふたつ購入し、意気揚々と松前城へ向かう。

ゆく道は、いたるところにお墓が並んでいることを除けば、本当によい風の吹く素敵な道だった。

途中には、龍雲院なる重要文化財が無造作に建っていたりして、しょっちゅう足を止める。

そうこうしているうちに、わたしたちはやっと視界に念願の松前城の姿を捉えることができた。




Wikipediaにもあったように、松前城は元々【福山城】と言い、政庁として機能していたものを、外国船から国を守る城として改修されたのが城としての歴史の始まりらしい。
中はミュージアムになっており、松前城や松前藩にまつわる歴史・文化・芸術に触れることができる。





展示物もそこそにボリュームがあって、説明もそれなりに細やかで、小城ながらもかなりの見応えを感じることができた。
また、最上階まで登ると海を見渡すことができ、吹く風も気持ちがよいので、ぜひ行かれた方は最上階まで昇ってみてほしい。


城を出る頃には、時計も15時半を回っていた。
とりあえず、前から念願だった松前城の見るべきものは見尽くしたので、ここからは次の道の駅【上ノ国もんじゅ】を目指すことに決める。
それにしても、人伝には聞いていたものの、松前城下の歴史情緒は北海道においてはかなりの出色だということがよくわかった。
これはまた、ぜひ桜の時期に来なければなるまい!!と心に誓い、わたしたちは国道228号線へ復帰したのだった。
#6 上ノ国から神の道へ
実は、この道の駅めぐりを始めるまで、失礼ながら【上ノ国町】という町名にはとんと聞き覚えがなかった。
しかし、調べてみると函館に隣接するこの街は、道南の他の街の例に漏れず、古くから北方交易の拠点として栄えた歴史を持つそうで、北海道ではかなり古い方の街に分類されるようだ。
何でも、その昔渡島半島の右側は「下の国」、左側は「上の国」と呼ばれていたそうで、町名はそれに由来するらしい。
松前町から上ノ国町に至るまでの道は、至るところに風力発電の風車が立ち並ぶ風の強い海岸線お約束の景色。
すっかり晴れ上がった空の下、青い海を見ながら進むルートはこの旅一番の爽やかさで、メインディッシュを食べ終えたにも等しい状況なのに、じわじわテンションが上がっていく。



最高だねー!!などと言いながら調子に乗って窓を開けて走っていたら、ここらへんもやはりシーニックバイウェイルートなんだそうな。
やっぱりね!!
そうこうしているうちに、16時30分【道の駅 上ノ国もんじゅ】到着。


昼ごはんに食べた『だんだん弁当』はまだ色濃くおなかに残ってはいたが、ここ上ノ国もんじゅはレストラン部門の評価がそこそこ高かったため、名物の『てっくい天丼』だけは半分こしてでも食べようと思っていた。
しかし、これも北海道の道の駅あるあるなのだが、ここのレストランはランチを主眼に置いているらしく、何と16時半にして既に閉店!!
泣く泣く『てっくい天丼』を諦めることにする。
ちなみに「てっくい」とは「大きなヒラメ」のことを表す方言だそうで、てっきりまたアイヌ語か何かが由来かと思ったら「手を食うほど大きなヒラメ」が語源なのだそうだ。なるほど「手食いヒラメ」→「てっくいヒラメ」なわけね。

外に貼られているメニューを見る限り、もしレストランが開いていたら食べてみたいものはたくさんあったが、言っていても仕方がないので売店部門を覗く。
売り場はそこそこに広く採られているが、品ぞろえは地場産野菜が一番目立っているほかは、当たり障りのない感じで可もなく不可もなくと言ったところ。
とりあえず一通りウロウロしていると、唯一気になる商品を見つけたので、ひとまずそれを夫と2人で食べてみることにした。


できることなら普通のソフトクリームとして味わってみたかったが、冷凍カチカチ品にしては、これは結構美味しかった。
「深焙り」を謳うだけあって、黒豆を原料としたきなこの味が濃厚で、かなり芳ばしい。
そんなわけで、休憩コーナーでソフトクリームも食べ終わり、一息ついた我々は、他に目的もないからと、何となく外に出てみた。
いやー、天丼残念だったねえ。ところで次、どうする?まだおなかもすいてないしねえ、などと、ほとんど上ノ国は見終えたつもりでいたのだが…

そう。上ノ国もんじゅはここから本番だったのである。
道の駅内のインフォメーションを見たところ、この建物の裏手には海に向かって延々と続く道があり、下に降りられるようになっているとのこと。
その道は【神の道】という観光スポットになっており、上ノ国に残る伝説の舞台になっているのだとか。
何それ!!そんなの行くに決まってんじゃん!!



海岸に続く結構な高低差のある道を降りていくと、やがて不思議な空洞を持った奇岩に辿り着く。
上部が階段状になっていて、鳥居が建てられたこの岩には、昔から明け方近くに不思議な燈が灯ることがあったそうだ。
それは、龍神さまが大平山の山の女神に会いに行く際、龍燈となって八幡牧野を通る時に現れる光だそうで、ほんの数年前までは沖合からこの光を見た、という人もいたのだそう。
嘘かまことかは別として、神が居てもおかしくないだろうな…と思えるほど神聖で荘厳な雰囲気を持つ岩の前、何の気なしに頭を下げながらちまちまと進んでゆく。
先端ほどまで行くと、積丹ブルーに勝るとも劣らない美しい海がすぐそばに拡がっていた。
底まで透けて見えそうなほどの透明度で、黙って見ていると吸い込まれそうな気持ちになってくる。


わたしたちはあまりパワースポットなどを信じる方ではないのだけれど、それでもこの場所からは何か強い力をもらったように、心洗われる思いがした。
【道の駅 上ノ国もんじゅ】を訪れた方は、てっくい天丼だけでは勿体ないです!!ぜひとも神の道を体験して欲しい!!
車に戻ると時刻は既に17時をたっぷりと回っていたので、わたしたちは先にお風呂を済ませることにした。
調べてみると、そう遠くないところに【上ノ国国民保養温泉センター】という施設がある。

パッと見の外観はいかにも古い町営風呂と言ったところだったが、ネットで検索すると面白い情報を見つけた。
何でも、この上ノ国国民保養温泉センター、別名【湯ノ岱温泉】は、昨今その名を聞くことも多い希少鉱物ブラックシリカの効能を国内で唯一含んでいる温泉だそうで、レビューにはマニアックな温泉ファンたちの高評価が飛び交っていた。
実際に入ってみると、確かに施設は古いものの、お湯には力を入れていることがわかる。
38度の源泉かけ流し、35度の源泉炭酸泉、そして42~43度の加水・加温温泉があり、それぞれを永久にぐるぐる回っていられそうな温度設定!
ぬるいところはぬるいのだが、何故かめちゃくちゃ体が温まり、確かにこれは気持ちがいい。さすが温泉ファンを唸らせるだけあるね!
(ただ、あとで見てみるとブラックシリカが使われているかどうかは確認できなかったので、その効能があるかどうかはやや疑わしいことを追記しておきます。上ノ国町が国内唯一のブラックシリカ産出地であることは間違いなさそうなので、その情報と混ざったのかも知れない)
わたしはどちらかと言うと早風呂な方なのだが、こちらでは温泉の中ですっかり仲良くなった地元のおかあさんたちと話も弾み、たっぷり1時間はお湯に浸かってしまった。
んで、ここで先に風呂から上がったわたしが車に荷物を置いて戻って来る間に、夫も風呂から上がっていたらしく、お互いが違う場所で休憩していることに気づかないまま1時間以上経過してしまうというトラブルが起きた。
そんなもんお互い様なので「あらー気づかなかったごめんね!」で済むと思ったのだが、自分ばかりが待たされた感じになっている夫は「湯冷めした!!もう一回入って来る!」とブチ切れ、わたしはそこから更に30分湯冷めさせられることになったのである。
(本当は書かなくてもよい情報なのだが備忘録だし、すんごいムカついたので記録しておく)
てかおま、普段長風呂でわたしのこと意気揚々と待たせまくるくせに、たまたまこっちがいい湯で長風呂したらその態度かいー!!
そうこうしているうちに時間は20時も近くなり、さっき地元のお母さんが勧めてくれたラーメン屋さんも閉店時間を迎え、Google検索で見る限り上ノ国町の飲食店はほぼすべてが閉店時間間近と相成ってしまったのだった。
マジ自分勝手!!!!!
#7 江差の夜は暮れてゆく
何とも取り繕い難いイヤ~な雰囲気のまま車に戻ったわたしたちは、言葉少なに、それでもすっかり空っぽになったおなかを満たすべく飲食店探しを始めた。
しかし、近辺に目ぼしいお店は見当たらず、どうやら江差町の方まで行かないとご飯にはありつけそうにない。
仕方なく湯冷めし切った体で夜の国道をひた走り、20時過ぎには江差町に入ることができた。
来てみると、江差町はなかなか大きな街。
これなら居酒屋のひとつやふたつ開いていそうだとアタリをつけ、良さげなところをめぐってゆく。
結局、入ることができたのは【居酒屋レストラン Satomi】さんというお店。
メニューを見てみると地場産品も豊富で、店内は地元客と思しきご婦人がたで大層賑わっている。
これはアタリの予感だぞぉ…!!
お通しの『じゃがいものチーズ寄せ』が運ばれてくる頃には、夫もわたしもさっきのイヤーンな雰囲気のこともすっかり忘れ、乾杯をしていた。




結果として【Satomi】さんにしたのは大正解であった。
値段もチェックし忘れるほど美味しいご飯が、程よい間隔で運ばれてくる。
おまけに、ラストの方で「どこから来たんですか?」と席まで顔を出してくださったご店主は、わたしたちが遠方から来たことを告げると、いそいそとご自分のスマホを持ってこられ、江差町自慢の夕暮れ写真を見せてくださるという神接客ぶり。
美味しい地場産のメニューと心地よい時間を過ごしたわたしたちは、すっかり満足して街を出たのであった。
おなかがふくれたあとは、コンビニで飲み物を調達し、今夜の仮眠場所を選定することになった。
一番近かったのは江差の道の駅だったが、ここは国道に面して夜中も大層賑やかだと書かれていたので、車でほんの15分ほど先にある厚沢部町の道の駅を目指す。
江差はまだスタンプをゲットしていなかったので、いずれにしても明日また戻ってこなければならない。
とりあえず辿り着いた厚沢部町の道の駅は、暗くて周囲の景色もよく解らなかった。ただ、レビューにあった通り、ある程度の静けさは保たれているようである。
時間はまだ22時少し前だったが、まだ体に残っている温泉の効能のせいか、その日はポケモンGOを開く間もなく寝落ちしてしまっていた。
そんなわけで、思ったより長くなった渡島半島左側めぐり、第三部に続きます!!お付き合いくださる方は、またぜひ次回もよろしくお願いいたしますねー!
それでは、このたびはこの辺で!
