矛盾だらけなのに、生きていけるのはなぜ?
はじめに
揺れない人になりたい。
矛盾のない言葉で、自分を説明できたら楽だろう。
そう思うほど、揺れや矛盾が目立ってくることがあります。
ここでは、「絶えず揺れ、矛盾を内包しながら生きる」という在り方について書きます。
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1. 揺れは弱さではなく、世界に触れている反応
揺れると、自分が未熟に思えることがあります。
決めきれない、迷ってばかりいる。
けれど揺れは、必ずしも欠陥ではありません。
何かを大切にしているから迷う
どちらも簡単には切れないから揺れる
世界が単純でないから、答えが一つに定まらない
情報が足りないから迷う、というより、
情報が揃うほど複雑さが見えてしまう、という場合もあります。
揺れは、感受性の一つの形とも言えそうです。
ただし、揺れはいつでも肯定されるものでもありません。
揺れを理由に動かないことが、安心の隠れ場所になることもある。
この違いは、どこで生まれるのでしょう。
2. 矛盾は嘘ではなく、複数の真実が並んでいる状態
心の中には、同時に成り立つ思いがあります。
自由でいたい/でも守られたい
意味はいらない/でも意味を求めてしまう
ひとりが楽/でも孤独は刺さる
矛盾を嫌って、どちらかを消してしまうと、
消した側が別の形で現れることがあります。
強い言葉で自分を一つにまとめるほど、違和感が残ることもある。
矛盾は未熟さというより、世界と自分が重なっている厚みのようなものかもしれません。
ただ、その厚みが深さになるか、逃げ道になるかは別の話です。
では、矛盾はいつ「考えている状態」になり、
いつ「避けている状態」になるのでしょう。
3. 言葉にするが、言葉に縛られない
言葉にすると楽になる。
でも、言葉にすると固まる気もする。
この感覚は、多くの人に覚えがあるはずです。
言葉は灯りになる
同時に、檻にもなる
「自分はこういう人間だ」という説明は、
知らないうちに未来の選択肢を減らしていきます。
だから、言葉は仮置きでいいのだと思います。
今日の言葉は、今日の天気。
変わっても、裏切りではない。
ただ、曖昧さに逃げていないか、
固めた言葉で何かを押し潰していないか。
その確認だけは、時々必要になります。
4. 揺れの中にも、手放しにくい小さな線がある
揺れながら生きることは、漂流とは少し違います。
多くの人は、無意識のうちに小さな線を持っています。
身体が壊れる方向には行きたくない
取り返しのつかない破裂は増やしたくない
立派な信念というより、破綻を避けるための感覚です。
意味が見えない日でも、ここだけは越えたくない、という線。
そしてこの線は、疲れや孤立で簡単に揺らぎます。
揺れは内面だけの問題ではなく、コンディションの問題でもある。
いまの揺れは、問いなのか、疲労なのか
いま決めたいのは、前進か、安心か
錨が強すぎると息が詰まる。
でも無さすぎると、揺れは消耗になります。
その間は、どこにあるのでしょう。
5. 揺れを消さず、壊れずに生きるということ
揺れをなくしたい、と思うのは自然です。
ただ、揺れを消すこと自体が目的になると、
感覚や選択肢が一緒に削られてしまうことがあります。
揺れは厄介ですが、世界に触れている摩擦でもあります。
それを完全に消してしまえば、静かになりますが、薄くもなる。
だから、揺れながら生きるというのは、
揺れを肯定することでも、克服することでもなく、
揺れと同席しながら、生活が壊れない程度に整えることなのかもしれません。
最後に問いを置きます。
揺れが続くとき、何があなたを揺らしているのでしょう。
その矛盾の中で、同時に成り立っている真実は何でしょう。
揺れを消せたら、何を失いそうでしょう。
答えは急がなくて大丈夫です。
揺れは、止めるより、付き合い方のほうが難しい。
そして、その難しさの中に、生は残り続けます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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