じいじと長男の、秘密の話|家族エッセイ#122
実家に帰省中のこと。
じいじが子どもたちのお風呂を担当してくれている。
その間、私は呼ばれたタイミングで長男を受け取り、体を拭いて保湿をする係。
ちょうどその日も、
「ママー」と呼ばれて脱衣所に向かうと——
お風呂場から、なんとも面白い会話が聞こえてきた。
「じいじ、ねえ、僕ね、もりばぁの夢を見たんだ」
もりばぁ。
それは以前紹介した、じいじが作り出した謎の妖怪。
「へえ、どんな夢やったん?」
じいじが優しく聞く。
すると長男は少し声をひそめて言った。
「もりばぁがね、本当怖くて、僕のこと…捨てようとしたの」
「おお、それは怖いね。どうやって?」
「ゴミ収集車に入れたの」
思わず吹き出しそうになる私。
じいじも笑いながら、
「それは怖いねえ」
と優しく相槌を打っている。
(補足すると、もりばぁは“寝ない子を食べる”という設定で、
寝る前に私が軽く脅しとして使っている存在だ🤣)
だから長男の中では、
“ちょっと怖い存在”としてしっかり認識されているらしい。
でもまさか、
ゴミ収集車に捨てられるとは。
発想が独特すぎる。
子どもの想像力って、ほんとにすごい。
親が言ったことも、ちゃんと覚えていて、
そこからどんどん物語を膨らませていく。
そのやりとりを聞きながら、
「いいなあ、この時間」
と、なんだかほっこりしていた。
そして次の日。
あまりにも面白かったので、私はつい長男に聞いてしまった。
「ねえ、もりばぁの夢見たんでしょ?」
すると長男は、あっさりと一言。
「見てないよ」
え?と思って、
「昨日じいじとお風呂で話してたやん、ゴミ収集車に入れられたって」
と続けると——
長男は少し間を置いて、こう言った。
「それ、秘密の話だよ。ママは話さないで」
え、秘密なん?
ママ、聞いてたんですけど?
しかもめちゃくちゃ面白かったんですけど?
どうやらそれは、
じいじと長男だけの“特別な会話”だったらしい。
私は、その世界には入れない存在。
ちょっと寂しいけど、
なんだかそれも、すごくいいなと思った。
実家に来ると、長男は本当によくしゃべる。
楽しそうに、いろんな話をして、
笑って、想像して、また話して。
ママ以外にも、こうやって安心して話せる相手がいること。
それって、すごく大事なことなんだなと思う。
子どもの発想力と、
じいじとのあたたかい時間と、
ちょっとだけ入れなかった“秘密の世界”。
全部ひっくるめて、
やっぱり実家っていいなあ、と思ったアリンコでした。
育児と自分の人生を両立したいママの観察記録として書いています。
