仁と義 23章 仁侠小説抗争編 18(シリアスコメディ)
弱きを助け強きを挫く。
昔ながらの仁義を重んじる関東頭鬼組。
その分家である頭鬼組のシノギ、悪党にはボッタクリ料金、堅気の一般客には明朗会計パブスナックレインボー、ホステス5人組。
顔も容姿も見た目はキュートな二十歳のホステス。
見た目は可愛いホステスだが、根っこは任侠貫くヤクザなニューハーフ、ダークヒーローレインボー組、抗争編。
『入ります‥‥』

【前回のあらすじ】
ギャング二人と膝織の組員一人が死亡した二つの事件は、テレビで大きく報道された。
ギャングと膝織一家の抗争と報道されているにも拘らず、街頭インタビュー受けている水商売風の若い女性が、頭鬼組分家であるレインボー組を名指しで口に出し、ギャングとトラブルを起こしているのはレインボー組で、ギャングはレインボー組と膝織一家を間違えて、膝織一家は巻き込まれただけ、とインタビューに応えているのがニュースで報道されていた。
これに腹を立てたのがレインボー組5人。頭を怪我していたランも、入院先の病院でこのニュースを観てパブスナックレインボーへすっ飛んできた。そこへギャングの若い男三人が現れて、前日のレインボー組とのトラブルをきっかけに、ナッチとミオのパンチラと鮮やかな喧嘩の姿に惚れた三人のギャングの若い男達が、膝織一家に警察が張り付いていて身動きできないため、膝折一家が金を使って立膝組とギャングにレインボー組と、パブスナックレインボーの店を襲撃させる事を、頭鬼組分家のレインボー組へ情報を流したのである。
【新たな刺客】
病院を抜け出してきた「ふたなり」疑惑のランは潜在意識が戻らないとは言え、ヤクザの気質は変わらない事で、メッチ、ナッチ、ティップ、ミオと共に立膝組とギャングの襲撃に備えた。
メッチはメリケンサック、ナッチは投げナイフをMAXで太ももベルトに差し込み、ティップも太ももベルトにダーツの矢をMAXに差し込んで、ミオも太ももベルトにMAXのアイスピック1ダースを忍ばせ、ランも特殊警棒とスタンガンを太ももベルトに装備していた。
『まだ本当に襲撃があるかわからないけど、本家に応援頼むよ』
カズがスマホを取り出して本家に電話を入れた。
『そうだな。立膝組もそこそこの頭数居るからな。ミオ、石頭の立石のアニキにも声かけといた方がいいかもしれないぞ。襲撃はここだけとは限らないからな』
ヒロがミオに石頭一家への襲撃も視野に入れて、立石尚樹への連絡を促した。
『そうだね。連絡入れとく』
ミオもスマホを取り出し尚樹に電話をかけた。
『尚樹?』
『ミオか、どした?』
『ギャングの連中から物騒な情報入ってきた』
『物騒な情報?』
『うん、立膝組による、ウチらレインボー組とパブスナックレインボーの店への襲撃情報が入ったの。膝折が警察が張り付いていて動けないから、金で立膝組にウチらの襲撃を頼んだらしいの。もしかしたら石頭にも襲撃の可能性あるから気を付けていて』
『そうか。膝折もしつけぇ野郎だな。そっちは本家に応援頼んだか?』
『うん、カズさんが頼んでる』
『わかった。こっちも警戒しとくけどレインボーに襲撃あったらすぐ連絡してくれ!』
『わかった』
ミオはそう言って通話を切った。
それから10分後、頭鬼組本家から10人の組員がパブスナックレインボー前に到着した。
2トントラック1台を店の前にガードとして停めて全員がパブスナックレインボーの店内に入った。
裏口と前回の膝折一家による襲撃に、壊れて応急修理だけしてある店の入り口に見張りを立て頭鬼組とレインボー組は立膝組による襲撃に備えていた。
【同時多発の襲撃】
一方、立膝組の組員はギャング達に200万の札束をチラつかせ、火炎瓶を3本渡してパブスナックレインボーに投げ込んだら報酬として200万渡す、と言った。
若いギャング達も帯の付いた札束に目が眩み、火炎瓶を受け取った。
『あと5分で着くからタイミングよく投げろよ。そしたら200万渡す』
『分かりました』
5分後、立膝組組員が運転する車からパブスナックレインボーが視界に入った。
『よし、火着けろ!』
助手席側をパブスナックレインボーに向け、助手席と後部座席のギャングが火炎瓶に火を着けて、店に向かって投げた時、運転していた立膝組組員は車を停めてドアを開けて車から降りた。
『立膝組が来た!』
店の入り口で見張りをしていた頭鬼組の若衆が叫ぶと同時に、店の前に停めていたトラックが火炎瓶により火に包まれた。
店の前で止まった、立膝組員が運転していた車とギャング二人を置き去りにして、運転していた立膝組員は後ろから来たセダンの車に乗り込もうとした時、置き去りにされた車の助手席にいたギャングの男が、残りの火の着いた火炎瓶を助手席から身体を出し、考える間もなく後ろから来たセダンに投げ付けた。
パブスナックレインボーの前に車を乗り捨てた立膝組員がセダンに乗り込む時に火炎瓶が直撃したため、セダンの車内は火に包まれて、セダンの運転手と助手席の男、パブスナックレインボーの前に車を乗り捨ててセダンに乗り込もうとしていた男達は火だるまとなった。
『逃げるぞ!』
パブスナックレインボーの前に乗り捨てられた車の助手席に乗っていたギャングの男が運転席に座り、車をホイルスピンさせながら走り去っていった。
店の裏口から消火器を持って出てきたカズ達は、トラックの消火を最優先にして鎮火に務めた。
セダンに乗っていた火だるまになった立膝組員三人は道路を転げ周っていたところ、通りすがりの車のドライバーにより助けられたが、火傷はひどい状態だった。
店の前のトラックは上辺が燃えただけで、容易に消火できた。
『ユキ!店にもう一つ消火器あったから、あのセダンの消火頼む!』
『オッケー!』
レインボー組5人は、店への延焼を防ぐためバケツリレーで慌ただしく動いていた。
『ティップ!消火器何処だ!?』
『トイレの横!』
ユキの声に応えるティップ。
『お、あった!持ってくぜ!』
『オッケー!』
ユキは消火器を手に取り、裏口から飛び出してセダンの車内に消火剤を噴射した。
辺りに白い粉と煙が拡がったが、消火器1本で鎮火できた。
遠くから消防のサイレンと救急車のサイレンが聞こえてきて、そのサイレンはすぐに大きな音となって近付いていた。
立膝組員3人は酷い火傷を負ったが、3人とも意識はあり火傷の痛みに声を上げて苦しんでいた。
道路には上辺だけ燃えた札束が二つ落ちていたのをヒロは見ていたが、そのまま放置した。
消防車は念の為セダンに大量の水を放水して、警察はレインボー組、頭鬼組組員に事情聴取を始めた。
同じ頃、石頭一家にもギャングの襲撃があった。
だが、石頭一家には警察が張り付いていたため、ギャング十数人のうち七人が検挙された。
頭鬼組本家にもギャングと立膝組による発砲事件が起きていた。
これ程までの襲撃は今までに無かった。
例え悪事を働かない頭鬼組とは言え、ヤクザの組織である頭鬼組を警察は警戒するようになった。
それを裏付けたような、報道の街頭インタビューでの若い女の頭鬼組発言が注目されるようになってしまった。
頭鬼組、石頭一家はヤクザとして仁義を欠いた膝折一家と立膝組への報復を露わにするのである。
続く。。。
【登場人物】
関東頭鬼組
組長 頭鬼洋次郎(48)
若頭 阿久津龍一(38)
若頭補佐 石垣正樹(36)
舎弟頭 新島浩二(37)
相談役 相田真二(38)
構成員
荒巻和幸 通称カズ(23)
三澤謙二 通称ケン(25)
須藤弘道 通称ヒロ(23)
小林幸弘 通称ユキ(23)
他 30名
パブスナック レインボー組メンバー💕
メッチ
木ノ内健(20)(きのうちたけし)
(めんちきることが多い。メリケンサックを持つが何でも武器にする)
ナッチ
中沢義男(20)(なかざわよしお)
(よくナイフをちらつかせる)
ティップ
榊枝真二(20)(さかきえだしんじ)
(ダーツの矢を数本いつも太股に隠している)
ミオ
安桜芙美乃(20)(あさくらふみお)
(アイスピックを両足太股に6本常時備えている)
ラン
一之江将一(20)(いちのえまさかず)
(通販で買った伸縮警棒とスタンガンを持つ)
タクシードライバー
坂下一雄(さかしたかずお)
石頭一家
代表 石頭博 (49)(いしずひろし)
舎弟頭 水谷雄一(38) (みずたにゆういち)
若頭 三浦翔吾(37)(みうらしょうご)
若頭補佐 小澤誠 (36)(おざわまこと)
相談役 立石尚樹(35)(たていしなおき) (ミオの恋人)
組員40名
膝織一家
代表 膝織忠義(ひざおりただよし)
膝織一家舎弟頭 八木亮一(やぎりょういち)
若頭 安曇孝信(あずみたかのぶ)
比較的真当なスナック、ボッタクリホストクラブ、ボッタクリキャバクラ三店舗を運営する、膝織忠義の息子膝織義之(ひざおりよしゆき)

