🎸 LAST SOLO — 8【連載音楽小説】
第8話 ナオキの家族へ——許しと贖い
本選まで、あと4日。
HOLLOW SCREAM の4人は、
ナオキの実家へ向かっていた。
AIで“ナオキの音”を使うこと。
本選で“彼の未完成曲”を演奏すること。
それを、
ナオキの家族にちゃんと伝えておきたかった。
隠すことじゃない。
でも、許可を得られる保証はどこにもなかった。
◆ 1. ナオキの家の玄関
『……行くぞ』
ユウマの声は震えていた。
インターホンを押すと、
出てきたのはナオキの母、中澤由紀子。
少しやせた肩。
けれど、目は強い。
ユウマの顔を見るなり、
由紀子はそっと微笑んだ。
『……ユウマくん。
みんな……来てくれたのね』
部屋に通されると、
ナオキの写真が飾られていた。
ライブでギターを抱えて笑っているナオキ。
その横には、メンバーと写った一枚。
リョウの目が赤くなる。
◆ 2. 打ち明ける意思
しばらく他愛のない会話が続いた。
だけど、伝えたい本題はひとつ。
ユウマは耐えきれず、膝に手を置いた。
『……あの、由紀子さん。
ナオキの……“音”なんですけど……』
由紀子は優しい目で見つめた。
『ええ』
ミオがゆっくり言葉を探した。
『本選で……
ナオキくんの未完成曲を……演奏したいんです。
それと……
ナオキくんが残したギター音源をAIに学習させて、
彼のタメやフレーズを再構築して……
いっしょにステージに立たせたいと思ってます』
言ってしまった。
重い沈黙が落ちる。
時計の秒針だけが、静かに進む音。
◆ 3. 母の涙
由紀子は、写真のナオキを見つめた。
手が震えている。
『……そんなことを、考えてくれていたのね』
ユリが、たまらず言った。
『……勝手なことかもしれません。
でも……ナオキくんの音を、
私たちは消したくない……』
リョウも唇を噛みしめた。
「AIの真似なんかじゃないっす。
ナオキの“その先”を、
俺たちは……皆んなにも、ナオキにも見せてやりたい……。そう思ってます』
由紀子はそっと目頭を押さえた。
『……ナオキね、
死‥‥‥、あの‥、あの日の一週間前に言ってたのよ』
4人は息を呑む。
『“俺はまだ、バンドのみんなに置いていかれたくないんだよ”って』
ユウマの目から、零れそうだった涙が落ちた。
『……ナオキ……』
由紀子は涙をこぼしながら、優しく笑った。
『ナオキはね、
あなたたちと音や歌を作るのが、
世界でいちばん幸せだったのよ』
数秒の沈黙——
『だから。
続けてあげて』
4人は涙をこらえられなかった。
『ナオキの音を……
あなたたちの中で、
未来へ持っていってあげて』
◆ 4. 父の言葉
奥の部屋から、
無口なナオキの父、 剛(つよし) が姿を見せた。
普段はあまり感情を出さない人だった。
が、その父が久しぶりに、メンバーと向き合った。
『……ナオキはな。
いつも自信がねぇって言ってた』
ユウマが目を上げる。
『君らの前だと強がってたんだろうが……
あいつは毎晩ギター抱えて練習してたよ。
夢にしがみつくように』
父は写真のナオキに視線を落とした。
『だから……
生きられなかった息子の代わりに、
君たちがナオキの夢を背負ってやってほしい』
父は拳を握り、
『頼んだぞ‥‥‥ナオキの仲間たち』
メンバー皆がナオキの父を見た。
そして数秒の沈黙のあと。
『実はナオキが居なくなって、
会場に行くのを辞めようと思ってたんだ』
そう言ってナオキの父、剛は妻の由紀子を見た。
由紀子には、夫である剛の次の言葉を察して、黙ってうなずいた。
『‥‥‥うん‥‥‥でも、君たちの意思を聞いて、
俺たちも会場には行こうと思う。ナオキもステージに立たせてやってくれ!』
その言葉を聞いた瞬間、
ユウマは声を上げて泣いた。
リョウもミオもユリも泣いていた。
◆ 5. “許された”四人は、強くなる
帰り道、
ユリは涙のあとをぬぐいながら言った。
『……ナオキくんのご両親、強いね……』
ミオは鼻をすすりながら笑った。
『うん……。
ホントはご両親が一番辛いのにね。
ナオキの音、聴いてもらおう……』
リョウが空を見上げた。
『だな……ナオキの音は、まだ死んでねぇ。
生きてるんだ……。
ナオキの師匠である親父さんたちに、認めてもらおうぜ。
ナオキも……必死に……頑張ってた。
ナオキⅡも、今は必死に‥‥てか、AIに必死は無いな。でも、今は俺、認めるぜ、
ナオキⅡを。
アイツも頑張ってるもんな』
リョウは空を仰ぎ、涙を堪えた。
ユウマは歩きながら呟く。
『その“必死”を……
俺たちが継がなくちゃな』
そして最後にこう言った。
『ナオキを……
本選のステージに連れていこう』
皆がうなずいた。
つづく。。。
次回
第9話「最終リハ——AIが“ナオキの影”を超える時」
AIはまだ“不完全”。
しかし、本番直前に“奇跡”のような瞬間が訪れる。
ナオキの曲が、
AIの中でひとつの生命を宿す。
☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆
SUNO AI MUSIC
【Missing Piece】
作詞 作曲 編曲 Echo.EXE
【Verse 1】
止まったままの時間を
誰も動かせずにいた
笑う写真の向こうで
まだ呼んでいる気がした
弱さごと抱きしめて
強くなれたはずなのに
失って気づいたもの
胸の奥で叫んでる
【Pre-Chorus】
「置いていかれたくない」
あの日の響きがまだ
背中を押すから――
【Chorus】
Missing piece
まだ足りないまま
欠けた音で未来を描いても
おまえの声が
ここにあるから
歩き続けられる
泣きながらでも
Missing piece
埋められなくていい
痛みさえ今は仲間だから
おまえの夢の続きを
俺たちが見せるよ
【Verse 2】
間違えた選択でも
届くと信じたいから
どんな明日が来ても
逃げずに奏でていく
涙ごと響かせて
震えた音すら愛して
失った日じゃなくて
繋いだ日を選びたい
【Pre-Chorus】
おまえが残したフレーズ
今も胸で鳴ってる
止まらない鼓動
【Chorus】
Missing piece
まだ足りなくても
欠けたままの音で構わない
おまえがいれば
この痛みさえ
歌になるから
夜を越えていく
Missing piece
埋められないから
今も俺たちは おまえを探して
終わらない続きを
一緒に鳴らすよ
【Bridge】
“行けよ” と笑って
背中押す声
届くよ 届いてるよ
ナオキ――
【Final Chorus – Key UP】
Missing piece
欠けたままでいい
おまえの不在(いない)痛みを抱いたまま
夢の続きを
響かせるから
この手で未来を
つなげていくんだ
Missing piece
ずっと――そばにいる

©️ 2025 Echo.EXE / Suno AI
今回も、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました😊
また来てね(@^^)/~~~💕
安桜芙美乃
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