新・四字熟語〈秋春冬夏〉の笑いにおける構成(コンポジション)について
本稿では、新・四字熟語〈秋春冬夏〉の笑いにおける構成について、考察していきます。
新・四字熟語〈秋春冬夏〉について
まず、この〈秋春冬夏〉という四字熟語ですが、これは僕の創作で、〈春夏秋冬〉をアナグラムしたものです。そして、『新・四字熟語』という作品集を発表しようと思っていたところ、「#青ブラ四字熟語」という企画を見つけ、投稿しました。これは山根あきらさんという方が「青ブラ文学部」で開催された会で、以下のものです――
この投稿では、〈秋春冬夏〉の意味を――
1・物事の順序や秩序が乱れきっている様。
2・季節さえもアナグラムで作られていることから転じて、「言葉が世界を創っていく」ということ。
としました。新・四字熟語は笑い・ギャグを目指しているのですが、今回の場合は「1・物事の順序や秩序が乱れきっている様」です。笑いは「おかしさ・おかしみ」なので、それを最大限にするような構成はどういうものか、以下に書いていきます。
〈春夏秋冬〉の一番「変な」アナグラム法
先述の通り、〈秋春冬夏〉は〈春夏秋冬〉のアナグラムで、意味は「物事の順序や秩序が乱れきっている様」です。そして、〈春夏秋冬〉のアナグラムのうち最も「順序」「が乱れ」ている並べ方はどれか、見ていきましょう。まず、〈春夏秋冬〉のアナグラムの仕方は、4×3×2×1=24通りあります。それを以下に挙げます(一個一個しっかりとは見なくていいです)――
春夏秋冬
春夏冬秋
春秋夏冬
春秋冬夏
春冬夏秋
春冬秋夏
夏春秋冬
夏春冬秋
夏秋春冬
夏秋冬春
夏冬春秋
夏冬秋春
秋春夏冬
秋春冬夏
秋夏春冬
秋夏冬春
秋冬春夏
秋冬夏春
冬春夏秋
冬春秋夏
冬夏春秋
冬夏秋春
冬秋春夏
冬秋夏春
といった具合です。念ため、〈秋春冬夏〉(14)は太字にしておきました。1~6が春から始まるもので、7~12が夏、13~18が秋、19~24が冬です(各季節6通りです)。この中から、〈春夏秋冬〉の順序が最もおかしいものを探していきましょう。
「春」で始まるのは✕
最初に、「春」で始まるのは✕です。理由は簡単で、〈春夏秋冬〉は春から始まるから、です。季節が春から始まるのは普通なのであり、「普通」=「おかしくない」=「つまらない」です。だから、春から始まる1~6は選択肢から外れます。
「冬」で終わるのも✕
同様に、「冬」で終わるのも✕です。このアナグラムを〈冬〉では終わらせたくありませんね。なので、7・9・13・15は消去されます。
しかし、では、「夏」が二番目に、「秋」が三番目に来るものは✕なのか? なるべくなら避けたい、ですが、今の段階ではそこまで厳しく取り締まれないかもしれません。
「春→夏」「夏→秋」「秋→冬」「冬→春」という順番も✕
「春→夏」「夏→秋」「秋→冬」「冬→春」と続くのも✕です。この進み方は普通だからです。すると、さらに10・11・16・17・18・19・20・22・23が消去されます。
では、一周巡っての「春→夏」「夏→秋」「秋→冬」も✕なのか? これはすべてを確認したわけではないのですが、24全パターンでも、一周巡った時に通常通りの進み方になることが多いので、ある程度は仕方ないかもしれません。(皆さん、ぜひ確認してみてください。)
残った5つの選択肢を検証
そうして、ここまでに残った5つの選択肢を検証していきましょう。まず、その5つを挙げます――
8・夏春冬秋
12・夏冬秋春
14・秋春冬夏
21・冬夏春秋
24・冬秋夏春
最初に、〈24・冬秋夏春〉を見てみます。これは〈春夏秋冬〉の順序を逆にしたものです。こういった逆行は好きでよく使うのですが、今回の場合ではやや安直かもしれません。そのため、✕にします。
次に〈21・冬夏春秋〉について。これも✕なのですが、その理由は〈春秋〉という語です。「春秋時代」や「文藝春秋」という既存語があるので、「普通」です。これは選べません。また、〈冬〉で始まるのもやや安易です。
〈12・夏冬秋春〉について。これは〈春夏秋冬〉の順番がすべて崩れていて良いです。そして、これを〈春夏秋冬〉の一番変なアナグラムとすることができるかもしれません。しかし、そこは「笑い」で、笑いならオチを強くしたい。すると、「夏」でガツンと落としたくなります。すると、〈14・秋春冬夏〉の方が笑いとしては強いはずです(「春」でふんわりと終わるよりも)。また、「冬→夏」というコントラストの強さがあります。笑いとしてなら、〈14・秋春冬夏〉が一番相応しいと思います。それと、12は「秋」が三番目に来ていますが、14は全部バラバラです。
残るは〈8・夏春冬秋〉です。これはどうでしょうか? ここまで挙げてきた要件をすべてクリアしていると思います。また、一周巡っての季節順も躱しています(「秋→夏」)。〈14・秋春冬夏〉では実は、「夏→秋」と繋がってしまいます。14の欠点はこれです。では、〈8・夏春冬秋〉が一番おかしいアナグラムなのか? そうとも言えます。しかし、そうとは言えない点もあります。結論は、「五分五分」となるかもしれません。まずはそうとは言えない点を見てみましょう。〈8・夏春冬秋〉を2周させてみると、夏→春→冬→秋→夏→春→冬→秋 となり、〈24・冬秋夏春〉と同じ逆行形になります。8は実は〈春夏秋冬〉をひっくり返したものでした。しかし、前述の通り、14は「夏→秋」と繋がってしまうので、この点はマイナスです。そのため、8と14は勝敗をつけにくいのですが、そこは「笑い」で、「夏」でガツンと落とした方が良いと僕は思います(「秋」でしみじみ終わるのも良いですが)。
おわりに
ということで、〈春夏秋冬〉の一番おかしいアナグラムを〈14・秋春冬夏〉としたのですが、皆さんはどう思いますでしょうか? ぜひコメント欄で教えてください。
ちなみに、投稿した「#青ブラ四字熟語」では既存の四字熟語は選考外ということだったので、念のため、投稿前に〈秋春冬夏〉という四字熟語がないか調べてみました。そして、四字熟語自体は無かったのですが、YouTuberで「秋春冬夏」という方がいました。初音ミク系の動画を作っているみたいですが、この人もこのように〈春夏秋冬〉のアナグラムをしたのでしょうか?
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