「お姉ちゃんだから」が嫌だった話
私は長女で、弟がいる。
子どもの頃、何かあるたびに言われていた言葉がある。
「お姉ちゃんでしょ?」
「お姉ちゃんなんだからちゃんとしなさい。」
悪気があって言われていたわけではないと思う。
親もきっと、
年上だから少し我慢してほしい。
弟のお手本になってほしい。
そんな気持ちだったのだろう。
でも、子どもの私にはその言葉がとても苦しかった。
私は「お姉ちゃん」になる前に、一人の子どもだった。
悲しい時は泣きたかったし、
悔しい時は怒りたかった。
それなのに、「お姉ちゃんだから」という理由だけで、自分の気持ちを後回しにしなければいけないような気がしていた。
だから私は、自分の子どもたちにはなるべく言わないようにしている。
我が家にも姉妹がいる。
もちろん、年上だからできることはある。
下の子のお手本になる場面もある。
でも、それは「お姉ちゃんだから」ではなく、
その子自身ができるようになったから。
叱る時も、褒める時も、
肩書きではなく、その子自身を見たい。
「優しくできたね。」
「自分で考えられたね。」
「困っていたから助けてくれたんだね。」
そんなふうに、その子の行動を伝えたい。
「お姉ちゃんだから」ではなく、
「あなたはあなた」でいてほしい。
子どもの頃に少し苦しかった経験が、
今では私の子育ての指針になっている。
過去は変えられない。
でも、自分が親になった今なら、
次の世代へ渡す言葉は選べる。
そして大人になってから気づいたこともある。
きっと弟にも、弟なりの大変さがあった。
「お姉ちゃんを見習いなさい。」
「お姉ちゃんはできるのに。」
そんなふうに比べられたことも、きっとあったはずだ。
兄弟姉妹は、どちらかが楽というわけではない。
立場が違えば、抱えるものも違う。
だからこそ私は、子どもたちを「姉だから」「妹だから」ではなく、一人ひとり違う人として見ていたい。
役割ではなく、その子自身を認められる親でありたいと思う。
