【映画批評】7月に出会った映像作品たち
こんにちは!おいしいヘルシー料理が好きな、ちょこです。
私は映画鑑賞も大好き。ただ、ケチなので、あまり映画館には行かず、サブスク登録(ネトフリ、アマプラ、ディズニー+)して元を取るためにもたくさん見るタイプです。
7月は映画7本、アニメ1作品、ドラマ1作品、計9作品を鑑賞。先月の6月鑑賞した映像作品の量より、だいぶ減りました.....。映画の他にもお出かけや読書もあったため、これだけでした😅
7月に見たものを今さら(もう8月中旬w)に投稿する理由としては、一つひとつの作品の感想を丁寧に書いていたら、遅くなってしまうからです笑
ま、その分ちゃんと自分の言葉でまとめられたので、いいとしよう。
観た作品
アニメ
ヤニねこ(3話まで)
映画
パディントン 消えた黄金郷の秘密
グリーン・ブック
ふたりで終わらせる(It ends with us)
キュア〜禁断の隔離病棟〜(A Cure for Wellness)
紙の月
ドリーム(Hidden Figures)
2046
ドラマ
Dopesick アメリカを蝕むオピオイド危機
ここからネタバレを含みます!!
今月のベスト3
1位 Dopesick

このドラマは、アメリカで起きた「オピオイド依存」を題材にした作品です。一番恐ろしいのは、これが違法薬物の密売ではなく、FDA(アメリカ食品医薬品局)に承認され、医師が処方するれっきとした医薬品「オキシコンチン」によって引き起こされた問題だということです。
「善良な人々」が壊れていく、リアルで残酷な過程
オキシコンチンの有効成分は、脳のμ(ミュー)オピオイド受容体に作用し、痛みを和らげるだけでなく多幸感をもたらします。「痛みが治ったのに、薬をやめられない」。これは意志の弱さではなく、薬によって脳や身体が変容し、依存が形成されてしまうからです。
観ていて一番苦しかったのは、家族や仕事を大切にするごく普通の人々が、少しずつ薬に支配されていく姿でした。レズビアンというセクシュアリティに悩みながらも懸命に生きていた少女ベッツが、薬のために簡単に男性に身体を売るようになってしまう。
最初は営業担当者に激怒していた医師でさえ、自らが依存してからは薬をねだるようになる。「この人はこんなことをする人じゃなかったのに」という思いが募り、ただ「薬物依存者」と一括りにできないからこそ余計に辛いのです。
ベッツが亡くなった時、お母さんが漏らした「正直、ホッとした」という言葉も身につまされる思いでした。娘が死んで嬉しいわけではない。
何度助けようとしても薬に戻ってしまう娘を見続ける苦しみからようやく解放される。そんな家族の痛切な本音に、この問題の残酷さが凝縮されていました。裁判で被害者家族が語る姿を見ても、そこにあったのは数字ではなく、一人ひとりの人生でした。
利益至上主義の製薬会社と、止められなかった制度の欠陥
なぜこんな危険な薬が販売できたのか。当時は「慢性的な痛みも積極的に治療しよう」という医療界の流れがあり、FDAも依存リスクを十分に調査・理解できていなかった背景があります。
しかし、最大の責任はパーデュー製薬(サックラー家)にあります。彼らは依存性について楽観的なイメージを植え付け、利益のために積極的に処方を促しました。ただのカネの亡者です。
そして、これを止められなかった「制度」の問題。日本では国民皆保険制度のもと、国が薬価などを細かく管理し、テレビCMができるのもベンザブロック等の一般用医薬品に限られます。一方、アメリカは医療と市場競争の結びつきが強く、処方箋が必要な薬でも一般向け広告が打てます。企業が悪質な販売戦略を取った時、規制当局が機能しなければどうなるのかをまざまざと見せつけられました。
利益追求と倫理の衝突
オキシコンチンは「普通の医療」の中で使われていた正規の薬でした。会社が利益を追求すること自体は悪ではありませんが、それが人の命や健康よりも優先された時、取り返しのつかない悲劇が起きます。
これは医薬品業界に限った話ではありません。私自身、農園でのインターンやアルバイトを通して、組織が大きくなるにつれて「届けたい価値」という理念よりも売上などの数字が強くなり、手段だったはずの「利益」が目的にすり替わってしまう怖さを少し感じたことがあります。
企業の利益追求と、人の生活や健康を守ることが衝突した時、どうやってブレーキをかけるのか。企業の倫理だけでなく、確固たる規制や制度がいかに重要かを深く考えさせられる作品でした。
かなり暗い気持ちになるので、何話も続けて見るのはオススメしません笑
2位 ドリーム(Hidden Figures)

いやー、これは感動しましたね!!
とにかくこの黒人女性の3人キャサリン、ドロシー、メアリーがカッコいい。皆んなNASAで働いていて、(それだけで賢すぎる)、宇宙への有人飛行計画に携わっています。
しかし、「黒人」かつ「女性」というだけで、能力は見てもらえずに差別される日々。
そんな時に、既存の白人男性の脳みそだけでは解決できない問題の解決のためにキャサリンが選ばれるのです。
ドロシーも大型計算機の使い方を誰よりも先に習得したり、メアリーも不可能だと言われていた白人学校を卒業したり、差別に負けずに必死に生き抜く女性たちに心打たれました。
また、差別が蔓延っているからこそ、見た目で判断しない白人の人々や、家族との絆が際立って、物語をより深いものにしています。
全ての人が一度は見てほしい映画です。
3位 ふたりで終わらせる(It ends with us)

これは本当に、「ブレイク・ライブリーだ!」と思って見ただけなんですが…笑
感想としては、人間を善人と悪人では割り切れないなぁと感じた映画でした。アメリカ映画・ドラマでよくあるテーマである貧困や暴力、結婚がテーマです。
登場人物みんな、いわゆる「自分ではどうする事もできなかった状況」にいた人達で、それぞれの傷を抱えて、苦しいのに、それでも少しずつ進んでいく姿が丁寧に描かれていて、個人的には好きでした。
なんでも白黒つけられるわけではない。でも、だからといって悪が許されるわけじゃない。その境目がきめ細やかに表されていました。
また、この映画の美術や演出も好きでした!出てくるお花屋さんやレストラン、お家も可愛いし、着ているお洋服もステキでした。特に秋のシーンが、やわらかなオレンジや茶色の色遣いで印象に残っています。
では、それ以外の映画・アニメの感想を簡単に言っていきます。
アニメ
ヤニねこ これはヤニカスの猫人間とその仲間たちの日常アニメ。こんなにだらしない生活をしている人(ねこ?)のアニメを久々に見たので、面白がって2,3話見ましたが、汚すぎて途中で断念。でも、オープニング曲のシーンがシャイニングやレオンを始めとする様々な有名映画のオマージュになっていて、それが感動しました。
映画
パディントン 消えた黄金郷の秘密 可愛いくまさん映画の第三弾!いやー、たまらん可愛さですね、パディントン。マーマレードが好きなのも、イギリス訛りの英語も全てにきゅんとします。なぜか今回、パディントン1,2に出てたお母さん役のサリー・ホーキンスがキャスト変更していたのがちょっと残念。いつも通りドタバタ映画で、最後はなんかいい感じに終わるという、安心安全な映画でした。
グリーン・ブック こちらも有名で見たかったやつ!二人の男の友情が少しずつ少しずつ深まっていくのを見られて、しみじみいい映画だなあと思いました。特に好きなシーンは、ドクター・シャーリーがトニーが書く奥さんへの手紙を手伝うところ。ドクター・シャーリーのステキな詩のような言葉選びが、トニーの不器用な愛情表現を美しく形を変えて、奥さんの心に届くのが良かったです。
キュア〜禁断の隔離病棟〜(A Cure for Wellness) これは結構気持ち悪い映画。不健康な顔の俳優1位(※私調べ)のデイン・デハーンが主人公です。NYの金融会社でブラック労働している主人公が、水で健康になると謳うアルプスの療養所に出かけたまま戻らない社長を連れ戻しに行くと、自分も滞在することになってしまい、病院の謎を探っていくお話。何か隠している病院の人々やおかしな治療法、不気味な建造物など、心がざらつく要素がたくさんありました。最近私が注目していた女優さん、ミア・ゴスも出演!ミア・ゴスもデイン・デハーンと同様に、奇妙で独特な表情を持つ俳優さんなので、こういうホラーやファンタジー映画にぴったりです。
紙の月 41歳で、大人の女性の色気が半端ない宮沢りえさんが主人公でした。銀行員の梅澤梨花が、顧客のお金を少しずつ横領していくお話。「あのコートほしいけど高いなあ。あのコスメ欲しいけど高いなあ」「後輩にお金を持っていることを自慢したい」。誰にでもある、「もっとお金があれば…」という欲望から「1万円だけなら…」という小さな盗みに繋がってしまう。「これくらいなら」という気持ちにブレーキをかけられなくなるのは、人間誰でもあるんだろうな。まあそれにしても使いすぎだけどね。
2046 はい…..私も見終わってから3部作と知った者です。笑 ウォン・カーウァイ監督作品の2つ目!キムタクが出ていたので気になって見ると、ちょこちょこよく分からないところがあり、見終わって、2046の前に2作品(『欲望の翼』『花様年華』)あったことを知りました。やっぱり、ウォン・カーウァイ監督の作品は、映像が本当に綺麗。時々画面が白黒になったり、ガラス越しに人物を重ねて撮ったり、光を丸くぼかして遠近感を出したり。幻想的である。
電話をするシーンも印象に残った。そういえば『恋する惑星』にも電話のシーンがあったし、電話という「直接会えない二人をつなぐもの」は、ウォン・カーウァイ監督の作品でよく出てくるモチーフなのかもしれない。そして、相変わらずセリフが曖昧。
でも、面白かったのが、ホテルの「2046」という部屋番号から、主人公が未来を舞台にした小説を書いていくところ。たった一つの部屋番号から想像を膨らませて、未来の世界やアンドロイドまで物語にしてしまう。現実の出来事と小説の世界がだんだん重なっていく感じが面白かった。最後のあるセリフから、この映画で描かれているSFは未来の話というより、むしろ「過去への執着」を描くための装置だったのかもしれないと思いました。綺麗で、ロマンチックで、どこか夢の中みたいなのに、ずっと寂しい。そんな映画でした。
今は留学中なので、電話番号の関係で、私はネトフリもディズニー+も見れません😢
だから、これから4ヶ月は大好きな映画とは距離ができます。映画の代わりに何冊か本を持ってきたので、それの感想でも書こうかな。タイの映画館にも一度は行ってみたい。
それではまた!
【筆者プロフィール】ちょこ
「おいしくてヘルシーな料理」を探求する農学部4年生。
持続可能な農業や食の市場流通を学びながら、ゆるヴィーガンを実践中。洋菓子店アルバイトの経験を元に、ギルトフリーなお菓子や料理をあれやこれやと考えるのが好きです。
地元農家と協働したマルシェ企画や農業インターンシップなどアクティブに活動する一方、休日は読書や映画の世界に没頭してエネルギーをチャージ。
現在、タイへ交換留学中。noteでは、日々感じたことや料理について発信します。雑談感覚でゆるく読んでください!

