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【2040年ロードマップ】新たな「地域医療構想策定ガイドライン」を解説!変更点と重要タスクまとめ

【2026年最新】2040年「新たな地域医療構想」を徹底解説|策定ガイドラインの変更点・ロードマップ・医療機関の対応

厚生労働省より、2040年を見据えた**「新たな地域医療構想策定ガイドライン」**が公表されました。

これまでの地域医療構想は、団塊の世代が75歳以上となる「2025年」を一つの目標として、主に入院病床の機能分化・連携を進めてきました。

しかし、2040年に向けては、85歳以上の高齢者の増加や生産年齢人口の減少など、地域の医療提供体制を取り巻く環境が大きく変化します。

そこで新たな地域医療構想では、病床だけではなく、外来医療、在宅医療、介護との連携、人材確保などを含めた地域全体の医療提供体制を見据えた取り組みが進められます。

本記事では、新たな地域医療構想について、

  • 2040年に向けて何が変わるのか

  • 「包括期機能」とは何か

  • 必要病床数の算出方法はどう変わるのか

  • 「急性期拠点機能」はどのように確保されるのか

  • 2040年までのロードマップはどうなっているのか

  • 医療機関や都道府県はいつまでに何をするのか

  • 今後の未解決の課題は何か

というポイントに絞って、専門的な内容をできるだけ分かりやすく整理します。


目次

  1. 2040年に向けた「新たな地域医療構想」の背景と目的

  2. 新たな地域医療構想で何が変わる?3つの重要ポイント

  3. 2040年までのロードマップと重要タスク

  4. 今後の検討事項・未解決の課題

  5. 【FAQ】新たな地域医療構想のよくある質問

  6. まとめ|2040年に向けて地域医療はどう変わるのか


1.2040年に向けた「新たな地域医療構想」の背景と目的

日本の医療提供体制は、大きな転換期を迎えています。

これまでは、団塊の世代が75歳以上となる**「2025年」**を一つの目標として、病床の機能分化や連携が進められてきました。

しかし、2025年以降も高齢化や人口減少は続きます。

特に2040年に向けては、地域ごとの人口構造や医療需要、医療人材の確保などについて、これまでとは異なる課題への対応が求められます。

2040年に向けて何が変わるのか?

大きなポイントは、次の2つです。

① 医療・介護ニーズが複合化する

85歳以上の高齢者が増加することで、高齢者救急や在宅医療の需要が増加する一方、多くの地域では急性期医療の需要が減少します。

つまり、地域によって必要とされる医療機能が変化していくことになります。

② 医療従事者の確保が難しくなる

生産年齢人口の減少に伴い、医師、看護職員、薬剤師などの医療従事者を確保することが、ますます難しくなります。

そのため、単に病床数を調整するだけではなく、限られた医療資源を地域全体でどのように活用するかが重要になります。

こうした**「地域ごとの人口構造や医療資源の差」**に対応し、すべての世代が安心して暮らせる「地域完結型」の医療・介護提供体制を構築することが、新たな地域医療構想の大きな目的です。


2.新たな地域医療構想で何が変わる?3つの重要ポイント

新たな地域医療構想では、特に押さえておきたい変更点があります。

ここでは、次の3つに整理します。

  1. 「包括期機能」の導入

  2. 必要病床数算出に用いる病床稼働率の変更

  3. 「急性期拠点機能」の確保


① 「包括期機能」の導入

今回の大きな変更点の一つが、**「包括期機能」**の導入です。

従来の病床機能では、「回復期機能」が位置付けられていました。

新たな地域医療構想では、回復期機能について、

  • 治療を行う

  • 入院早期からリハビリテーション等を行う

  • 早期の在宅復帰を目指す

といった「治し支える医療」を提供する機能と、従来の回復期機能を併せて、**「包括期機能」**として位置付けます。

つまり、単純に「回復するための病床」というだけではなく、治療からリハビリテーション、そして在宅復帰までを意識した機能として整理される点が重要です。


② 必要病床数算出に用いる「病床稼働率」が変わる

必要病床数を算出する際には、病床稼働率が重要な要素となります。

新たな地域医療構想では、実際の病床利用率の低下や、新興感染症等への対応に必要となる**「一定の余裕」**を考慮し、必要病床数を算出する際の病床稼働率パラメータが改定されます。

設定される病床稼働率は以下のとおりです。

さらに、医療DXの取組や入退院の円滑化等による効率化を踏まえ、

  • 高度急性期・急性期:+1%

  • 包括期:+2%

  • 慢性期:+0.5%

の効率化分を見込むこととされています。

病床数だけを見るのではなく、実際の医療提供体制や効率化も考慮して必要病床数を考えることがポイントです。


③ 「急性期拠点機能」の確保

もう一つの重要なポイントが、**「急性期拠点機能」**です。

手術や救急医療などの症例を集約し、医療の質を確保するとともに、持続可能な働き方を実現するための機能として位置付けられます。

確保の目安は、

人口20万~30万人程度につき1か所程度

とされています。

ただし、人口規模が小さな地域では、構想区域を広域化したり、都道府県をまたいだ連携を行ったりすることも視野に入れます。

つまり、地域ごとに医療機能をすべて完結させるのではなく、必要な医療機能を集約し、地域間で連携する考え方も重要になります。


3.2040年までのロードマップと重要タスク

新たな地域医療構想は、2028年度中までに策定することが求められています。

2040年に向けて、都道府県、医療機関、地域医療構想調整会議などが、それぞれの役割を担いながら準備を進めていくことになります。

主要なタスクを整理すると、以下のとおりです。

特に重要なのは「2028年度」

新たな地域医療構想において、一つの大きな節目となるのが2028年度です。

各医療機関が2040年に担う予定の機能を検討し、地域医療構想調整会議などで協議を行ったうえで、新たな地域医療構想が策定されます。

その後、2029年度頃には、第9次医療計画の策定へとつながっていきます。


4.今後の検討事項・未解決の課題

新たなガイドラインによって方向性が示された一方で、今後さらに具体的な検討が必要となる課題もあります。

① 精神医療に関する地域医療構想

改正医療法により、精神医療が地域医療構想に位置付けられました。

一方、具体的な内容については、2026年度中を目途に国がガイドラインを策定した後、検討が始まることになります。


② 医師以外の医療従事者の確保

医師だけではなく、看護職員や薬剤師などの確保も重要な課題です。

養成や確保に関する取り組みについては、現在、国において需給推計や検討が進められています。

その状況を踏まえ、今後、協議の場を含めた検討が必要となります。


③ 在宅医療の圏域と拠点の役割

在宅医療についても、今後さらに具体化が必要です。

特に、

  • 構想区域と調和する「在宅医療の圏域」

  • 「積極的役割を担う医療機関」

  • 「連携を担う拠点」

について、具体的な定義や役割をさらに整理していく必要があります。


④ 救命救急センターのあり方

人口減少地域では、救命救急センターの機能をどのように維持するかも課題となります。

救命救急センターとしての機能を維持するのか、それとも二次救急を中心とした体制へ移行するのか。

第9次医療計画に向けて、今後も継続的な検討が進められます。


5.【FAQ】新たな地域医療構想のよくある質問

Q1.従来の地域医療構想と2040年の新たな地域医療構想は何が違う?

A.病床の機能分化・連携だけではなく、地域全体の医療提供体制を対象とする点が大きな違いです。

2025年を目標とした従来の地域医療構想では、主に「入院病床の機能分化・連携」に焦点が置かれていました。

一方、2040年に向けた新たな地域医療構想では、医療計画の上位概念として位置付けられ、病床だけではなく、

  • 外来医療

  • 在宅医療

  • 介護との連携

  • 人材確保

などを含め、地域全体の医療提供体制を対象とします。


Q2.医療機関はいつまでに自らの機能を決める?

A.遅くとも2028年度までに最終決定して報告することになります。

各医療機関は、自ら検討したうえで、2040年に担う予定の機能を医療機関機能報告において報告します。

その後、地域医療構想調整会議において、客観的なデータを踏まえた協議が行われます。

そして、遅くとも2028年度までに最終決定して報告することになります。


Q3.「包括期機能」が導入されると病床報告はどう変わる?

A.従来の回復期機能を再整理し、治療からリハビリテーション、在宅復帰までを支える機能として「包括期機能」が位置付けられます。

医療機関は、診療報酬上の入院料である地域一般入院料や回復期リハビリテーション病棟入院料等を目安としながら、実際の医療提供の実態を踏まえて、客観的に病床機能を判断して報告します。


6.まとめ|2040年に向けて地域医療はどう変わるのか

2040年に向けた新たな地域医療構想は、少子高齢化と生産年齢人口の減少が進む日本において、持続可能な医療提供体制を構築するための重要なロードマップです。

今回のポイントを整理すると、次のとおりです。

新たな地域医療構想の重要ポイント

① 「包括期機能」を導入

従来の回復期機能を再整理し、治療や入院早期からのリハビリテーション、早期の在宅復帰を目指す「治し支える医療」と従来の回復期機能を併せて位置付けます。

② 必要病床数の算出方法を見直し

病床稼働率について、高度急性期78%、急性期83%、包括期87%、慢性期92%とし、さらに効率化分を見込みます。

③ 急性期拠点機能を確保

手術や救急医療などを集約する急性期拠点機能について、人口20万~30万人程度につき1か所程度を目安として確保します。

④ 2028年度が大きな節目

各医療機関が2040年に担う機能を検討するとともに、各都道府県が2028年度中までに新たな地域医療構想を策定します。

⑤ 2029年度頃には第9次医療計画へ

新たな地域医療構想を踏まえ、具体的な実行計画として第9次医療計画の策定につながります。

2040年に向けて、地域医療は「病床をどうするか」という視点だけではなく、地域に必要な医療機能をどう確保し、限られた医療資源をどう組み合わせるかという視点がより重要になっていきます。

今後、各地域ではデータ分析や構想区域の点検・見直し、医療機関が担う機能の検討などが進められます。

2040年の地域医療を考えるうえでは、「2028年度までに何を決めるのか」だけでなく、「その決定が2030年、2035年、2036年にどうつながっていくのか」までロードマップとして捉えることが重要です。

今後も、厚生労働省の資料や制度の動きを追いながら、地域医療構想・診療報酬・医療政策のポイントをできるだけ分かりやすく整理していきます。


出典:地域医療構想策定ガイドライン


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本noteでは、医療政策について、一次資料をもとに継続的に整理・解説しています。

単発のニュースや通知だけでなく、通知・疑義解釈・実務対応まで追いかけながら、点と点をつなぎ、制度の流れが理解できるよう発信していきます。

以前、厚生労働省の「地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」で「新たな地域医療構想 とりまとめ(案)」が示された際にも、記事にまとめました。

その中で、国は改正医療法を踏まえ、新たな「地域医療構想策定ガイドライン」を策定することとしていました。

このたび、その「地域医療構想策定ガイドライン」が公表されたため、改めて内容を整理し、記事としてまとめました。

医療政策や診療報酬改定は、数か月後、数年後につながる伏線が数多くあります。変化の流れを継続的に追いたい方は、ぜひフォローしておいてください。

参考になりましたら、「スキ」で教えていただけると今後の励みになります。

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