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カルシウム過剰摂取で骨のカルシウムが減少する??カルシウムパラドックスについて

前々回、前回とマグネシウム亜鉛について説明し、特にサプリメント(サプリ)を紹介してきました。

私はかなりサプリを利用する方ですが、数あるものの中で絶対に飲まないサプリがあります。
それがカルシウムサプリです。

その理由は、カルシウムサプリを安易に摂取すると、結果的に骨のカルシウムが減少する可能性があるからです。

一見すると矛盾しているようですが、これは「カルシウムパラドックス」と呼ばれる現象として知られています。

本記事は、カルシウムサプリの安全性や有効性を否定・評価するものではなく、栄養学的な議論や考え方の一例を紹介することを目的としています。


A.カルシウムパラドックスとは何か?

現在使われているカルシウムパラドックスという言葉には、主に次の意味があります。

血液中のカルシウム過剰または正常に保たれているにもかかわらず、ではカルシウム不足し、一方で血管などでは石灰化が進行する状態。

この現象は、もともとカルシウム摂取不足にもかかわらず血中カルシウムが維持されている状態を指して使われていました。
当時は、その血中カルシウムが骨から溶け出したものであると十分に理解されていなかったため、パラドックス(逆説)と呼ばれたのです。

現在では、カルシウムの過剰摂取や栄養バランスの崩れによっても、同様の状態が起こることが知られています。

B.カルシウムサプリ摂取のカルシウムパラドックス

カルシウムサプリを摂取した場合、条件によっては次のような経過をたどることがあります。

1.カルシウムサプリを摂取する

2.食事由来カルシウムに比べ、血中カルシウム濃度急激に上昇する可能性がある

3.余剰なカルシウムが、血管壁や軟組織の細胞外基質沈着しやすくなる(石灰化)

4.腎臓が血中カルシウムを排泄し、血中濃度一時的に低下する

5.血中カルシウムを一定に保つため、副甲状腺ホルモンが分泌される

6.副甲状腺ホルモンの作用により、カルシウム血液中移動する可能性がある

このように、カルシウムを摂取しているにもかかわらず、骨のカルシウムが減少するという現象が起こる可能性があります。

ただし、これはすべての人に必ず起こる現象ではありません。
マグネシウム不足ビタミンK不足腎機能低下高用量単回摂取などの条件があって起こりやすくなります。

C.ビタミンDとカルシウムのセット摂取は避ける

ビタミンDのサプリには、カルシウムが配合されていたり、セットで販売されているものが多くあります。

ビタミンDはカルシウム吸収を高める重要な栄養素ですが、カルシウムを同時に過剰摂取すると、血中カルシウム濃度の急上昇を招く可能性があります。

そのため私は、ビタミンDとカルシウムのセットになったサプリは避けるようにしています。

D.ステアリン酸カルシウムについて

安価な錠剤のサプリの成分表示を見ると、多くの製品にステアリン酸カルシウムと記載されていることがあります。

これはカルシウム補給を目的とした成分ではなく、錠剤を固めるための食品添加物です。
含有量は微量で、吸収率も低く、骨形成や石灰化に影響を与えるものではありません。

なお、骨は主にリン酸カルシウムで構成されていますが、ステアリン酸は脂肪酸であり、リンとは全く関係ありません。

E.カルシウムサプリと心血管石灰化の懸念

カルシウムの過剰摂取、とくにサプリによる摂取については、一部の研究で心血管イベントとの関連が報告されています。

これは、カルシウムが単純に血管にくっつくからではなく、次の現象が関与する複雑な石灰化プロセスが関係しています。

  • 炎症

  • 酸化ストレス

  • マグネシウム不足

  • ビタミンK不足

  • 石灰化抑制タンパクの機能低下

現時点で因果関係が完全に証明されているわけではありませんが、安易なカルシウムサプリ摂取には慎重であるべき理由の一つです。

私の記事よりもForbsの方が信頼性が高いので、カルシウムサプリの過剰摂取で動脈硬化の可能性という記事を紹介しておきます。

F.食事由来カルシウムとサプリのカルシウムの違い

重要なのは、すべてのカルシウムが同じではないという点です。

  • 食事由来カルシウム
     吸収が緩やかなので、血中カルシウム濃度が急変しにくい

  • サプリのカルシウム
    吸収が速い
    ので、血中カルシウム濃度が急上昇しやすい

この違いが、サプリ特有のリスクにつながります。

G.カルシウムを多く含む食品

カルシウムという栄養素はやはり食品から取ることが理想的です。
最後にカルシウムを多く含む食品を挙げます。
(mg/可食部100gあたり)

  • ひじき(乾) 1,400 mg

  • あおのり(乾) 1,000 mg

  • わかめ(乾) 750 mg

  • 昆布(乾) 700 mg

  • 煮干し 2,200 mg

  • しらす干し 520 mg

  • 桜えび(干し) 2,000 mg

  • 干しえび 1,200 mg

  • パルメザンチーズ 1,300 mg

  • プロセスチーズ 630 mg

  • エメンタールチーズ 1,000 mg

  • 牛乳 110 mg

  • ヨーグルト(無糖) 120 mg

  • 高野豆腐 660 mg

  • 木綿豆腐 120 mg

  • 小松菜 170 mg

  • モロヘイヤ 260 mg

  • チンゲン菜 100 mg

  • ごま 1,200 mg

  • アーモンド 260 mg

カルシウムは海藻に意外に多いのですが、吸収率は低いです。
私は桜えびを毎日、みそ汁に入れています。

私はカルシウムサプリを摂取しないという選択をしていますが……
これはあくまで私個人の判断であり、骨粗鬆症や低カルシウム血症など、医師の指示まで否定するものではありません。

ただし、骨に良いからという理由だけで、安易にカルシウムサプリを飲むことには注意が必要だと考えています。
カルシウムは単独で考える栄養素ではなく、マグネシウム、ビタミンK、ビタミンDなどとのバランスが極めて重要です。

以下の商品は、特定の疾病の予防・治療を目的として紹介するものではありません。
本記事の内容と直接的な因果関係を示すものではなく、あくまで栄養素に関する一般情報として掲載しています。

本記事は健康と栄養に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断、治療、予防を目的とするものではありません。
体調に不安がある場合は、医師等の専門家にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は2月5日(木)午前10時です。
老化スピードが加速する年齢について書きます。
少しでもご参考になれば、スキを押して下さい。

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