外国人ドライバーは早い者勝ちになる。政府の新方針で運送会社が変わる
行政書士の横山輝明です。
これは外国人政策のニュースではありません。
私には、運送会社の採用戦略が変わるニュースに見えました。
政府は2026年7月24日、在留外国人の受け入れを数値で管理する仕組みづくりに着手しました。
詳しくは読売新聞の報道をご覧ください。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260724-GYT1T00332/
外国人受け入れの議論は、移民政策ではありません。日本経済を支える労働力をどう確保するかという経済政策です。その影響を最も早く受けるのが、慢性的な人手不足に悩む物流業界です。
私は水道工事13年、古紙回収8年、危険物輸送7年。28年間、運送業の現場で仕事をしてきました。現在は運送業専門の行政書士として、許可申請や法令遵守の相談に向き合っています。
だからこそ、今回のニュースは他人事には思えませんでした。
数だけ増やしても、現場は回りません。
私が気になったのは、「受け入れ」ではなく「管理」です
政府が目指しているのは、外国人を増やすことだけではありません。
人数を管理する時代へ移ろうとしていること。
私はそこに一番注目しました。
物流だけではありません。
建設。介護。農業。
人手不足に悩む業界は、同じ変化に向き合うことになります。
そして運送業は、その影響を最も早く受ける業界の一つです。
「123万人」という数字だけでは見えてこない
特定技能と育成就労を合わせた受け入れ上限は、2028年度末までで最大約123万人とされています。
数字だけを見ると、多くの外国人材が来るように感じます。
しかし、その123万人が運送業に何人来るのかは決まっていません。
今後、業種ごとに受け入れ枠が管理されるようになれば、採用は今より計画的に進める必要があります。
つまり、外国人材が増える時代ではなく、限られた人材を企業同士で奪い合う時代になる可能性があります。
「人が足りなくなってから探す。」
その考え方では間に合わない可能性があります。
「何から始めればいいのか分からない」
外国人採用を考える運送会社は増えています。
でも、多くの社長が最初に口にする言葉があります。
「何から始めればいいのか分からない。」
実は、この一言こそ最初の壁です。
現場には3つの壁があります
① 日本語の壁
配送先との電話、運行指示書、事故対応。
日常会話とは違う日本語が求められます。
② 免許の壁
外国免許の切り替えには時間も費用もかかります。
大型・中型免許の取得支援まで考えている会社は、まだ多くありません。
③ 法令の壁
在留資格、運送業法、労働基準法。
どれか一つでも理解が不足すると、会社全体のリスクになります。
「知らなかった」が会社を追い詰める
以前、こんな記事を書きました。
「点呼なんてなくても仕事は回る。」その会社は摘発されました。
https://note.com/aobato_office/n/n255f25a2ddb6
行政処分の現場では、「知らなかった」は理由になりません。
留学ビザの資格外活動時間を超えて働かせてしまう。
日本語力を十分確認しないまま配送を任せてしまう。
在留期限の確認が漏れてしまう。
どれも現場では起こり得る話です。しかし結果として、会社の信用や事業そのものに影響することがあります。
「増やす」と「厳しく管理する」はセットです
今回、入国警備官50人、入国審査官180人の増員も決まりました。
受け入れを進める一方で、管理も強化する。
この二つは切り離せません。
だからこそ、適正に外国人を雇用している会社ほど、これから評価される時代になります。
日本語能力試験だけでは足りません
配送現場には、配送現場の日本語があります。
「○番ホームへ横付けしてください」
「検品が終わるまで待機してください」
「パレットは回収です」
学校で学ぶ日本語と、現場で必要な日本語は違います。運送業には、実務に合わせた教育が必要です。
地方だからこそ可能性があります
地方では、「人が来ないから仕事を断る」。
そんな話を耳にする機会も増えました。
一方で、外国人材は地域に定着しやすいという面もあります。
だからこそ重要なのは、採用ではなく定着です。
選ばれる会社になることが、これからの競争力になります。
私自身も動き始めています
先日、外国人ドライバーの採用支援に取り組む経営者とオンラインで話す機会がありました。
採用だけではありません。
免許取得、住居、生活支援まで一貫して取り組んでいました。
「人手不足をなんとかしたい」という言葉が印象に残りました。
立場は違っても、向いている方向は同じでした。
私も行政書士として、この方と連携しながら運送業の人手不足問題に取り組んでいきたいと、真剣に考えています。
今やるべきこと
制度が始まってからでは遅いかもしれません。
まずは在留資格の管理体制を整える。
次に、自社で特定技能や育成就労を活用できるか確認する。
そして社内マニュアルや教育体制を見直す。
今始めた会社ほど、数年後に大きな差になります。
まとめ
制度は変わります。
しかし、本当に問われるのは制度ではありません。
会社の準備です。
これから残るのは、外国人を採用できる会社ではなく、外国人から選ばれる会社だと私は考えています。
外国人材は、人手不足を埋める存在ではありません。これからの運送会社の競争力そのものです。
あなたの会社は、その準備ができていますか。
https://note.com/aobato_office%0A
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水道工事13年・古紙回収8年・危険物輸送7年、現場28年の経験をもとに運送業・物流の話を書いています。「面白かった」「参考になった」と思っていただけたら、次の記事を書く励みになります。この記事は noteマネー にピックアップされました

