見出し画像

自動運転トラックが走り始めた。中小運送会社はどこへ向かうのか。

運送業専門行政書士の横山輝明です。

トラックニュースから気になるニュースを見つけました。

https://www.trucknews.biz/article/s073004/

物流の前提が、静かに変わり始めています。

アース製薬、鈴与、T2の3社が、レベル2自動運転トラックを使った中継輸送の実証を行いました。茨城県から兵庫県まで約440km。東名・名神高速を自動運転で走り、「1日1往復」の運行が成立したといいます。

派手なニュースではありません。ですが、物流に携わってきた人ほど、この意味の大きさに気付くのではないでしょうか。

28年間、水道工事、古紙回収、危険物輸送と、さまざまな現場で仕事をしてきました。仕事は違っても、共通していたことが一つあります。

「人が動かなければ、荷物は動かない。」

それが物流の当たり前でした。関東から関西まで走るなら、拘束時間、休憩、宿泊まで考えて運行を組む。長距離ドライバーなら、「1人では片道が現実的な限界」という感覚は説明するまでもありません。

だからこそ、「1日1往復できた」という今回の結果には重みがあります。輸送能力だけ見れば約2倍。数字以上に、物流の前提が少し動いた瞬間でした。

今回特に印象に残ったのは、「トランスゲート」という中継拠点の存在です。

神奈川県綾瀬市と兵庫県神戸市西区に拠点を設け、高速道路は自動運転トラック、一般道は人が運転するトラックが担当する。全部を無人化するのではありません。人が得意な仕事は人が担い、自動運転が得意な区間だけ任せる。

物流は理屈だけでは動きません。荷主の時間指定、荷役条件、渋滞、天候、休憩場所。現場には、教科書には書かれていない条件がいくつもあります。「全部を置き換える」のではなく「使えるところから使う」。この発想だからこそ、現実味があります。

T2は2027年度以降、レベル4による完全無人の幹線輸送を目指しています。実現すれば、高速道路の物流は少しずつ姿を変えていくでしょう。

一方で、今回名前が並んでいるのはアース製薬、鈴与、T2。いずれも大きな企業です。車両への投資も、中継拠点の整備も、多くの中小運送会社がすぐ取り組める規模ではありません。

では、中小運送会社の役割は小さくなるのでしょうか。

そうは思いません。

高速道路の幹線輸送が変わっても、荷物を届ける最後の区間は残ります。地域密着の配送、荷主との細かな調整、急な依頼への対応。現場で積み重ねた経験が求められる仕事は、これからも必要です。

中小運送会社が考えるべきなのは、自動運転に勝つことではありません。どう共存し、どの役割を担うのか。その答えを持つ会社が、これからの物流を支えていくのだと思います。

2024年問題は、人手不足を考えるきっかけでした。今回の実証は、その先にある物流の姿を少しだけ見せてくれました。

自動運転が当たり前になる日が来たとき。変わるのはトラックだけではありません。運送会社の役割そのものが、静かに変わり始めているのかもしれません。


士業・運送会社経営者の皆さま、ぜひお気軽につながってください。

🔗 LinkedIn | 📘 Facebook

📩 メール・お問い合わせはこちら
💻 行政書士あおばと合同事務所 公式サイト 📱 公式LINE



いいなと思ったら応援しよう!

横山輝明 水道工事13年・古紙回収8年・危険物輸送7年、現場28年の経験をもとに運送業・物流の話を書いています。「面白かった」「参考になった」と思っていただけたら、次の記事を書く励みになります。

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー