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今日ときめいた言葉534ー「米国貫く『暗い流れ』100年前と重なる大統領による抑圧」

(2025年11月8日付 朝日新聞 オピニオン&フォーラム 米国貫く「暗い流れ」歴史家・ジャーナリスト アダム・ホックシールド氏の言葉)

「暗黒のアメリカ」(みすず書房、秋元由紀訳)の著者

ちょっと前に「アメリカは揺り戻す」という記事を書いた。
100年以上前、第29代大統領ウォーレン・ハーディングはトランプ大統領に先駆けて「アメリカファースト」を唱え、関税政策を提唱していた。彼は、前任の大統領ウッドロー・ウィルソンの国際協調主義路線を否定していたと。

そのウィルソン大統領について、我々は「国際連盟」創設の提唱者であり、世界平和と国際協調主義の推進者だと思ってきた。だが、ウィルソン政権下ではアメリカ史上「類を見ないほどの愛国的な熱狂と政治的抑圧があった」のだと述べているのが、ホックシールド著「暗黒のアメリカ」である(と記事にある。まだ読んではいないが😅)こうした負の歴史は高校の教科書には書かれていないとも述べている。

ウィルソンは複雑で矛盾をはらんだ人物らしく、極めて理想主義的な面がある一方で、検閲とか政治犯の投獄といった抑圧政治を行なった。そうした抑圧は世界平和の実現に必要なことだと考えていたようだ。

ホックシールド氏は著書の中で、アメリカには国の歴史を貫く「暗い流れ」があると指摘する。「一つは自警団の暴力。もう一つは移民に対する怒り。3つ目は特に右派に顕著ですが、目立った政敵を、投獄や検閲で沈黙させようとする傾向である」

その「暗い流れ」は、現在の政権に受け継がれているという。

<自警団の暴力>2021年の連邦議会議事堂を襲撃したトランプ支持者、極右団体は、100年前に「非愛国者」を取り締まった自警団(アメリカ防衛連盟)のイデオロギー的子孫と言っていい。

<移民に対する怒り>トランプ大統領の政治は移民への怒りを育て、あおることに依拠し、覆面をかぶった移民税関局(ICE)が全米で人々を逮捕している。

<政敵を沈黙させる>ほぼ毎日のように政敵を投獄するように検察官に求め訴追が起きている。例えば、元FBI長官の起訴など。
のように。

さらに1917年にスパイ防止法を制定し、社会主義者や反戦活動家を標的にして、多くの人々を投獄した。この法律は、政権反対派を投獄し、報道機関を検閲することを可能にするツールとなった。大幅に修正されたが現在でも有効で内部告発者を沈黙させるために利用されてきたという。「先例として習うのにスパイ防止法ほど悪い手本はない」と日本に警告している。

100年前のアメリカ社会と比べて違うのは、連邦裁下級審には政権に不利な判決を下す裁判官がいて奮闘していることだが、連邦最高裁ではそうならず、独裁者が生まれる懸念がある。

だが100年前にも「暗い流れ」に抵抗した人はいた。彼らから、悪や不正を見たときには声を上げなければならないことを学び、異議を唱えて自身が苦しむ結果を招いても、その行為は他の人を鼓舞するのだという。

民主主義にとって堅実で批判的で十分な情報に基づいたジャーナリズムは絶対不可欠である。100年前に比べて、私たちははるかに多くの市民的自由を手にしているが、大統領が『法の支配』を軽んじる時、市民は懸念を持ち、声をあげて自分たちの権利を主張すべきであると述べている。

果たして日本のジャーナリズムは民主主義を守れるほどのものなのか?どうも心許ない。以下は外国人ジャーナリストの言葉である:

日本の記者クラブは閉鎖的で、外国プレスやフリーランスは部外者で、役人の方が「同僚」のように近しい関係のようだ。日本の記者は、権力におもね過ぎている。「アクセスジャーナリズム」=オフレコでリークしてもらう手法。これに頼り過ぎているから表では批判や追求をしない。(2023年9月14日付朝日新聞)


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