今日ときめいた言葉458ー「内向きの大国へ 米は搖り戻す」
(2025年8月19日付 朝日新聞 「百年未来への歴史 米国という振り子」)
「世界に市場を開放しながら米国の生活水準を維持し、不平等な競争社会で産業の優位性を保つことはできない。貿易の障害をなくせば万事うまくいくという考えは魅力的な幻想であり、米国の基準を守るには我々の高い生産コストに合わせて輸入品に関税をかけねばならない」
これはトランプ大統領が言った言葉?
いや、違う。だがあまりに似ていて驚く。
これは100年以上前、1920年に第29代大統領となったウォーレン・ハーディングの就任演説の一部である。

彼は前任の大統領ウッドロー・ウィルソンの国際協調主義路線を「世界的な超国家政府は我々が大切にしているすべてに反する」として否定したのだ。
今我々はトランプの打ち出す政策に驚かされたり、怒りを掻き立てられたりしているが、アメリカという国はその建国以来、内向きの孤立主義が底流にあったのだということを再認識しないといけない。大きな誤解をしていたようだ。というか、無知だったのだ。
イギリスから独立したばかりの若い国家はその脆弱な体制を維持するために他国に干渉されないように、よって他国にも関与しないという外交方針を保持してきたのである。
そこにウッドロー・ウィルソンのような理想主義的な人物が大統領になって、「米国は経済力に見合う国際的責任を果たすべきだ」などと主張し、伝統的な孤立主義を打ち破ったのだ。第一次世界大戦にも参戦した。その時の彼の演説は格調高い。
「正義は平和よりも尊い。民主主義、小国の権利と自由、すべての国に平和と安全をもたらし、世界全体を自由にする正義を普遍的に支配させるために戦う。こうした任務のためであれば、私たちは命と財産、すべてを捧げることができる」
しかし、戦争が進むにつれて国民の支持を失なっていく。戦争の犠牲、ウィルソンの道徳的で国際協調的なエリート色に国民はうんざりしていた。そこに登場したのが「アメリカファースト」を掲げるハーディングである。史上最大の得票率で勝利したという。
エリート主義やグローバリズムへの反発は、現代のトランピズム(トランプ主義)ーハーバード大への助成金凍結、外国人学生・研究者の締め出し、政治エリート、高学歴、国際主義を忌み嫌うなどーに通じる。
「理想主義の反動から反エリート主義が加速する歴史は、百年前と韻を踏んでいる」
と記事は書いている。
だが重要なのは我が国はどうするのかである。このように揺れ動くアメリカに対して我が国はこれから先どうするのか。戦後80年吉田ドクトリンー軽武装・経済重視路線ーにどっぷり使ってしまい、方向転換しようにもどうしたらいいのかわからない状態。それなのに与党はコップの中の小さな問題に奔走して国政を顧みない。この国は百年の計も立てられないのか😮💨😮💨😮💨

