スキー ジャンプ男子ノーマルヒル2回目(ミラノ・コルティナ五輪)小林 陵侑連覇なるか?二階堂蓮の金か?
上位11人が5.6ポイントの中に入る大混戦で1回目を終えたスキージャンプ男子ノーマルヒル。
スキージャンプ 男子ノーマルヒル 1st ROUND
1位 ライムント 102.0m 135.6pts
2位 フーベール 102.5m 134.6pts
3位 スンダル 103.5m 132.9pts
4位 トマシャク 103.0m 132.8pts
デシュバンデン 106.0m 132.8pts
6位 二階堂 蓮 101.0m 131.1pts
7位 小林 陵侑 100.5m 130.8pts
8位 プレブツ 100.0m 130.6pts
9位 リンドビーク 103.5m 130.4pts
10位 中村 直幹 103.5m 130.2pts
ジャンプは飛距離が一番、得点に反映されることから1位ライムントと比較してみると、中村は2.7m差、小林は2.4m差、二階堂は2.2m差。
ただ、ジャンプは0.5m刻みなので中村は3m、小林と二階堂は2.5m、ライムントよりも飛べば直接対決ではトップに立てる。
ただ、前の記事に記載したが、今大会の男子ノーマルヒルは一筋縄にいかない様相を呈している。
1位ライムント、2位フーベールの飛距離はこの10人の中で6位と7位。実は飛型点がランキングを左右しているのだ。
ライムントとフーベールの飛型点はともに54.5。これは飛型点だけでみると全体のトップスコア。そして4位につけるデシュバンデンも54.5をマークしている。それに次ぐのはもう1人の4位のトマシャク(54.0)。
さらに風によるポイントも飛んでみないとわからない。2009年から風による不公平感をなくすために導入された追い風であればプラス、向かい風であればマイナスのポイントがつくウィンドファクターが設けられている。
この試合では秒速1mの風が前部で吹いていると9.0ポイント、後部で吹いていると13.5ポイントが与えられ、それぞれのジャンプの時の状況で飛ぶごとに計算されて加算される。
これは平等な条件のもとで飛行し、運などの要素をできるだけ排除することを目的に作られているが、観ている側からすると風を感じないため、わかりにくい。それが、順位に影響しているのだ。
このジャンプ台では基本的に追い風となっているので加算になっていることがほとんどだが、1回目の成績をみると、ライムントのwind pointは8.5、一番飛んだデシュバンデンは2.3。
ここだけで6.2ポイントの差が生まれているため、ウィンドポイントだけでも逆転できてしまうのだ。
とはいえ、選手にできることはミスを極力減らして遠くへ飛び、いかに飛型を良くし、テレマークを綺麗に入れるか。ということになってしまう。
2回目は1回目の順位で30位だった選手から飛ぶ。今回は30位の選手が2人いるため31人で争うことになった。ゲートは15に戻された。
1、T.フランツ(アメリカ)
101.5m 飛型点 18.0 18.0 18.0 WP 8.4 2nd 129.4 pts Total 251.9pts
2、J.コルビー(アメリカ)
100.5m 飛型点 17.5 17.5 17.5 WP 12.3 2nd 129.8 pts Total 252.3pts
3、宋 祺武(中国)
93.5m 飛型点 17.0 17.0 17.0 WP 12.3 2nd 114.3 pts Total 237.2pts
4、A.ラニシェク(スロベニア)
97.5m 飛型点 17.5 18.0 18.0 WP 13.4 2nd 125.9 pts Total 249.6pts
5、E.ミレジ(フランス)
95.5m 飛型点 17.0 17.5 17.0 WP 10.9 2nd 117.4 pts Total 241.4pts
6、F.トゥルンツ(スイス)
100.0m 飛型点 18.0 18.0 18.0 WP 11.6 2nd 129.6 pts Total 253.6pts
7、N.キテサホ(フィンランド)
101.0m 飛型点 18.0 18.0 18.0 WP 6.9 2nd 126.9 pts Total 250.9pts
8、S.クラフト(オーストリア)
100.0m 飛型点 18.0 18.0 18.0 WP 5.9 2nd 123.9 pts Total 248.0pts
9、V.パロサーリ(フィンランド)
103.0m 飛型点 18.5 18.0 18.5 WP 7.6 2nd 132.6 pts Total 257.0pts
10、H.カプスティク(スロバキア)
98.5m 飛型点 17.5 17.5 17.5 WP 7.6 2nd 121.1 pts Total 245.7pts
11、S.ハウスビルト(スイス)
98.5m 飛型点 17.5 17.5 17.5 WP 7.3 2nd 120.8 pts Total 245.6pts
ゲートを戻した理由は追い風が強くなっていると判断されたためかと思われる。ただ、キテサホが飛んだ辺りから戻っているように見える。
今シーズンW杯で3勝しているラニシェクや北京大会金メダリストなど輝かしい成績を持つクラフトが不本意なジャンプに終わる。
目立ったのはジュニア世界選手権のチャンピオン、パルザーリ。
1回目の二階堂 蓮を超え、4位の2人に迫る132.6をマーク。一気にジャンプアップすることが期待される。
12、A.アールト(フィンランド)
102.0m 飛型点 18.0 17.5 17.5 WP 4.6 2nd 125.6 pts Total 250.4pts
13、S.エンバッハー(オーストリア)
105.5m 飛型点 18.5 19.0 19.0 WP 4.7 2nd 136.2 pts Total 261.2pts
14、A.ベリンガー(ドイツ)
104.0m 飛型点 18.5 18.5 18.5 WP 1.9 2nd 129.4 pts Total 254.5pts
15、P.バシュケ(ドイツ)
101.5m 飛型点 18.0 18.0 18.0 WP 4.7 2nd 125.7 pts Total 251.8pts
16、T.ザイツ(スロベニア)
100.5m 飛型点 18.5 18.0 18.0 WP 5.9 2nd 125.4 pts Total 251.9pts
17、G.ブレサドーラ(イタリア)
102.0m 飛型点 17.5 17.5 17.5 WP 5.4 2nd 125.9 pts Total 252.7pts
18、F.ホフマン(ドイツ)
102.5m 飛型点 17.5 18.0 18.5 WP 5.8 2nd 128.8 pts Total 257.3pts
19、J.ヘール(オーストリア)
104.0m 飛型点 17.5 17.5 17.0 WP 6.9 2nd 130.9 pts Total 259.4pts
20、J.A.フォーファン(ノルウェー)
103.0m 飛型点 18.5 18.0 18.0 WP 5.8 2nd 130.3 pts Total 259.8pts
21、D.チョフェニヒ(オーストリア)
101.5m 飛型点 18.0 18.0 18.0 WP 4.0 2nd 125.0 pts Total 255.0pts
1回目20位〜11位の選手たちの中ではオーストリア勢が記録を伸ばした。
ここまでの順位はエンバッハーが261.2ptsで1位、フォーファンが259.8ptsで2位、ヘールが259.4ptsで3位。残すは日本の3人を含むトップ10となった。
22、中村 直幹(日本)
104.0m 飛型点 16.5 16.5 16.0 WP 3.8 2nd 124.8 pts Total 255.0pts
23、M.リンドビーク(ノルウェー)
104.5m 飛型点 17.0 17.0 17.0 WP 3.9 2nd 127.9 pts Total 258.3pts
24、D.プレブツ(スロバキア)
105.0m 飛型点 18.0 18.0 18.0 WP 3.2 2nd 131.2 pts Total 261.8pts
25、小林 陵侑(日本)
104.0m 飛型点 18.0 18.0 18.5 WP 2.8 2nd 129.8 pts Total 260.6pts
26、二階堂 蓮(日本)
106.5m 飛型点 19.0 19.0 19.0 WP 0.9 2nd 134.9 pts Total 266.0pts
10位〜6位の選手がビックジャンプを連発するが、中村は着地で体が潰れてしまって綺麗なテレマークが入れられなかったため、飛型点が低い。
そして、ランディングで喜びの感情を見せたプレブツ、小林 陵侑、二階堂。
しかし、得点が出た後のリアクションは三者三様。納得の表情だったプレブツ、えっ?という表情を見せた小林、雄叫びを上げた二階堂。
二階堂はここまでの最長不倒のジャンプに19点台の飛型点をマークしてここまでのトップに立った。残すは5人。
27、G.デシュバンデン(スイス)
107.0m 飛型点 17.5 18.5 18.5 WP 0.7 2nd 133.2 pts Total 266.0pts
28、K.トマシャク(ポーランド)
107.0m 飛型点 19.5 19.5 19.0 WP 1.9 2nd 137.9 pts Total 270.7pts
29、K.E.スンダル(ノルウェー)
105.0m 飛型点 16.5 16.5 16.5 WP 3.2 2nd 126.7 pts Total 259.6pts
30、V.フーベール(フランス)
102.5m 飛型点 18.5 18.5 18.5 WP 4.2 2nd 128.7 pts Total 263.3pts
31、P.ライムント(ドイツ)
106.5m 飛型点 19.0 19.5 19.5 WP 3.5 2nd 138.5 pts Total 274.1pts
デシュバンデンが二階堂を超えるジャンプを見せるが、飛型点が伸びずに1位タイとなる。そして、トマシャクも二階堂を超える飛距離を出し、ここでトップが変わる。
最終ジャンパーのライムント。完璧なジャンプ、そしてテレマークもきっちりと入れ、プレッシャーから解放されたようにうずくまりながらガッツポーズ。得点は1回目も2回目もトップ。カメラに向かって吠えた。
これにより、二階堂 蓮は銅メダル。日本のジャンプ競技は女子ノーマルヒルに続き、2種目連続のメダル獲得となった。小林 陵侑は8位入賞。
スキージャンプ 男子ノーマルヒル 結果
1位 P.ライムント(ドイツ) 274.1pts
2位 K.トマシャク(ポーランド) 270.7pts
3位 二階堂 蓮(日本) 266.0pts
G.デシュバンデン(スイス)
5位 V.フーベール(フランス) 263.3pts
6位 D.プレブツ(スロバキア) 261.8pts
7位 S.エンバッハー(オーストリア)261.2pts
8位 小林 陵侑(日本) 260.6pts
表彰式。3位が2人ということで銅メダルが2つ。それぞれの選手にきちんと渡される素晴らしい運営。ポールは用意することはできず、日本とスイスの国旗が同じ場所にくくりつけられ、掲揚された。
中村 直幹 15位タイ
「締めが良くなかったですけど、僕のジャンプ自体は良かったんじゃないかなと思います。」
「ちゃんとランディング入れなきゃいけないよなって思いました。」
「夏もここで試合やってるんですけど、シビアなのは知ってるんで、小っちゃいジャンプ台で結構ポイント差がつかないので、最後の最後まで大事になってくるところなので、そこで分かりながらも、なかなかうまく行かなかったところもありながらもっていった感じですかね。」
「僕、あんまり飛んでないんで、練習も結構スキップしてたりしてたんで、あまりジャンプ台に翻弄されずに頭の中のクリアなイメージを持ちたくて、そういう作戦でいってたので、それが今回よかったかなって感じでしたね。」
Q・今回の有観客での盛り上がりは。
「いましたね。なんていうんですかね。W杯の試合でももっともっと人が入る試合があるんで、あんまり特別観客が多くてとかはなかったんで、そこが僕にとって良かったかなと思います。」
「やること変わらないんでいつも通りやって行こうと思います。」
二階堂 蓮
「メダルは、まあ、想定内ではありましたけど、まさか同率で獲得できるとは思ってなかったんで、こういうのも含めてすごい嬉しいです。」
Q・テレマークを練習してきたことが実りましたね。
「本当にもう良かったですね。真夏から人的なテクニックをずっとやってきて、テレマークももちろん、去年までの課題だったので、夏からコツコツとやってきて良かったなって思います。」
「2本ともいいジャンプでしたし、強いていうなら飛び出し直後の板の開きが、あんまり良くなかったっていうのはありますけども、それでもメダルを取れるジャンプをできたっていうのは、今日は本当によかったんじゃないかなと思いますね。」
「やっぱ、父さんの前で獲れたの本当嬉しかったんで、強く抱きしめました。」
Q・本当にやめなくてよかったですね。
「本当よかったっすね。悔しい気持ちでその場の勢いでやめるとか、当時は言ってましたけども、こうやって支えてくれる人たちが、いて、僕を必要としてくれてる人たちがいるっていうことを、再認識できて、そこからまたリスタートできて、こうやってオリンピックでメダル獲れたのもみんなの支えのおかげだと持っているので、本当に親だったり、当時のコーチだったり、もういろんな人に感謝しかないですね。」
小林 陵侑
「すごくエキサイティングなゲームで、すごく、いい、楽しかったです。」
Q・ライムント選手や二階堂選手を讃える様子も
「すごく今シーズン調子を上げていたので、ここでちゃんとパフォーマンスをして、本当におめでとうっていう気持ちです。」
「今日は2本通してすごく合格点なジャンプだったので、もうちょっと精度を高めて、またビッグジャンプ観せれたらいいなと思います。」
Q・混合団体でも同じジャンプ台を使いますが、手応えを掴んで
「そうっすね。はい。楽しみです。」
Q・オリンピックの雰囲気は
「ま、でも、W杯よりは人が入ってないくらいなんで、ま、でもすごくいい雰囲気で、家族も観に来てたので、いいパフォーマンス観せられたらなと思います。」
Q・団体戦への意気込みを
「また、2本いいジャンプ揃えて。はい。それくらいです。」
