【あなたの知らない世界】書籍化作家のちょっと意地悪な創作論。「泣ける」は、創作の最強魔法陣だった|夏季休暇限定企画(#創作論 #Web小説 #なろう #カクヨム #文章術 #note #エッセイ #書籍化 #映画 #コミック #生成AI #画像生成AI)
ようこそ、夏季休暇限定「あなたの知らない世界」へ。
この夏だけの、不思議で少し考えさせられる世界をお楽しみください。
こんにちは。こんばんは。
普段はラノベを書いている「うら表紙」と申します。
今日は、
私たちが大好きな「感動」の裏側を、
少しだけのぞいてみたいと思います。
●涙って、意外と再現性が高い
皆さんには、思わず涙が出てしまった映画やドラマ、小説はありますか?
私は最近、
「東京MER」というドラマを視聴しながら、毎話嗚咽をもらしていました。
余命宣告。
親子の別れ。
果たせなかった約束。
命を懸けた自己犠牲。
記憶障害。
奇跡の再会。
このように並べたら、
皆さんにも「あの作品かな」と思い浮かぶ感動があるかもしれません。
私は昔、
「泣ける作品」というのは特別な才能が生み出す奇跡のようなものだと思っていました。
でも創作をするようになって、
その見方がガラリと変わったんです。
というのも、
人は「感動する要素」さえ揃えば
かなり高い確率で涙を流すからです。
●泣くと「名作だ」と思ってしまう理由
私は以前、泣いた作品に対して、
「これは名作だ!!」と無条件に評価していました。
でも、今なら思うのです。
それって本当に作品の評価だったのかな?と。
ひょっとして、「泣いた自分の体験」を評価しているんじゃないの?って。
心理学には「感情ヒューリスティック」という考え方があります。
人は強い感情が動くと、
その対象全体を高く評価しやすくなるそうです。
「泣けたから名作」
この判断は、
心理学的にはとても自然なものなのだそうです。
本来、名作が名作である理由は涙だけではありません。
伏線の巧みさ。
テーマの深さ。
構成の美しさ。
文章や映像の技術。
それでも涙は、
それらの技を一気に飛び越えて、
「すごく良かった」という印象を残してしまいます。
私はこれに気付いた時、
「涙って、思っていた以上に強力なんだな」
と思いました。
●「泣ける」が市場を動かす
だから市場でも、「泣ける」という言葉はとても強い武器になります。
SNSで、「号泣した」という感想が広がる。
それを見た人が観に行く。
また誰かが泣いて投稿する。
爆発的ヒットを起こす。
そんな流れを、私たちは何度も見てきました。
もちろん、
本当に素晴らしい作品だから泣けることもたくさんあります。
でも逆に、
「泣ける」という一点だけで、
作品全体が過剰に評価されているということもあると思うのです。
●ちょっと意地悪な創作論
創作する立場から考えると、
これはとても興味深い現象なんですよね。
もし評価されたいなら、
「泣かせる技術」を磨くのがすごく合理的だからです。
ただ、露骨に泣かせようとすると読者さんには必ず見抜かれます。
私は最近、かつて話題になり映像化もされた小説を読んでいて、
身内の死や愛する人の記憶障害、余命といった“泣かせの常套句”が
一冊に連続して投げ込まれていることで、
ページをめくる手がすっと冷えた出来事がありました。
このように、
「泣けと言われている感じ」がすると、
読み手は一気に醒めてしまうものです。
私はここに、創作の面白さがあると思っています。
涙そのものではなく、「自然にそこへ導く技術」。
そこにこそ、
作り手の技術が詰まっているのではないでしょうか。
●涙以外にも市場価値のバグがあるのでは?
そして最後に、私がすごく気になっていることがあります。
もし「涙」が市場価値を大きく動かす心理なら、
他の感情にも同じような仕組みがあるのではないだろうか。
人間の心理的バグを突いて、
市場価値を大きく押し上げる要素は、
きっと他にもあるはずです。
もし思い当たるものがあれば、
ぜひこっそりと教えてくださいませ(笑)
それでは、また明日。
あとがき:
私たちの涙は意外と安い。こんなことを書くとあちこちから怒られそうですが、年を取るほどすぐ感動してしまうんですよね。ニュースですら泣きそうになる時があるくらいで、若い頃のあの頑丈な涙腺はどこへ行ったのかと不思議になります。加齢とともに肌の水分は奪われていくのだから、できれば余計な水分は流したくないものです。涙腺もいっそ締め直せたらいいのに。
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カランコロン

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