アルカラスvsルード / テニス試合解説と現地レポートvol.2 / 2025ジャパンオープンシングルス準決勝
未だに有明でアルカラスを4試合も観れたことが信じられません。
来日するか疑っててごめんなさい。
金曜夕方の2回戦途中から、火曜夜の決勝戦まで有明に通い詰めました。
その中で、マイベストマッチだった、準決勝のアルカラスvsルード戦について、試合解説記事を書きます。
選手紹介
両選手とも以前の記事で紹介していますので、詳細はそちらを参照してください。
両者の対戦成績は、アルカラスから見て4勝1敗。
直近の対決は昨年11月のATPツアーファイナルでしたが、この時はルードが勝利を収めています。
何と言っても印象深いのは、2022年全米オープンの決勝戦です。
勝った方が、初めてのグランドスラム優勝と世界ランキング1位の称号を手に入れるという大一番で、当時19歳だったアルカラスが勝利を掴みました。
今年のジャパンオープンで、アルカラスは左足首を負傷、一方ルードは状態がかなり良いと感じていたので、ルードに30%くらいの勝率があると予想していました。
試合解説
当日の会場の雰囲気を交えて、試合解説をしていきます。
9月29日(月)の有明コロシアム、第2セッションの第2試合に組まれたこのカードは、18時過ぎに始まりました。第1シードと第4シードの上位対決となり、平日にも関わらずチケットは完売。
両選手入場の時点で、会場のボルテージは既に高まっていました。
コイントスを務めたのは、元卓球選手の石川佳純さん。
去年も錦織選手の試合を、有明コロシアムで観戦していました。
近年、中国を脅かすまでに日本の卓球が強くなった一因に、錦織が世界と戦う心構えをアドバイスしたことがあると言われています。
ちなみに、コイントスをフライングしそうになって自分でコインを回収する、お茶目なシーンが残っています。
🎾#木下グループジャパンオープン🎾
— 木下グループジャパンオープンテニス (@japanopentennis) September 29, 2025
シングルス準決勝💥
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄#カルロス・アルカラス 🆚 #カスパー・ルード
コイントスは #石川佳純 さんです🏓💛#木下JOテニス #kinoshitajotennis pic.twitter.com/fgTkOcXAJJ
第1セットは序盤からお互いにスコアが「30-30」になるゲームが多く、緊迫した出だしとなりました。
アルカラスのネットプレーからの絶妙なドロップショットや、ルードをネットにおびき出してからの頭上を抜くロブショット、ベースラインぎりぎりを狙ったボレーなどが決まりました。
一方のルードも、バックハンドの鋭いダウンザラインのウィナーなどで応戦しました。
最初のチャンスは、アルカラスに訪れました。ゲームカウント「2-2」となったゲームで、デュースに持ち込み2度のブレイクポイントを握りました。しかし、4度にわたるデュースの末、ルードがこのピンチを切り抜けます。
ゲームカウント「3-3」となったゲームでも、アルカラスがスコアを「15-40」として2本のブレイクポイントを握りましたが、ここもルードが耐えてサービスキープに成功しました。
均衡が破れたのはその次のゲームで、ルードのスーパーショットが連発しました。ベースラインぎりぎりのフォアハンドのダウンザラインウィナーや、左右に動かされながらもアルカラスの頭上を通すロブを決め、スコアを「15-40」とし、ブレイクポイント2本のうち1本目で見事ブレイクに成功しました。
勢いそのままに、ゲームカウント「5-3」のサービングフォーザセットも1本目のセットポイントを決め切り、第1セットはルードが先取しました。
私の想像以上にルードのパフォーマンスが良く、会場も騒然としていました。
さすがのアルカラスも、怪我した状態では勝つのが難しいのか?という疑念を感じ始めていました。
第2セットはアルカラスのサーブから始まりましたが、ここも早速ルードがブレイクポイントを握りました。このチャンスを許すとアルカラスは苦しくなる正念場でしたが、しっかりサービスキープに成功したのは、さすがトップ選手の意地でした。
アルカラスから見てゲームカウント「1-0」となった直後のゲームで、アルカラスにビッグチャンスが訪れます。
スコアを「0-40」とし、ブレイクポイントを3本握ると、2本目のブレイクポイントで強烈なフォアハンドのクロスショットを放ち、ブレイクに成功しました。
その後は両者ほぼラブゲームに近い安定したサービスキープを続けました。
ゲームカウント「5-3」のアルカラスのサービングフォーザセットで、センターへのサービスエースを決め、第2セットはアルカラスが取返しました。
セットカウント「1-1」のイーブンとなり、勝負はファイナルセットに委ねられました。
最終第3セット、最初にチャンスが訪れたのはルードでした。
ルードから見てゲームカウント「2-1」となった場面で、スコアを「15-40」とし、ブレイクポイントを2本握りました。しかし、ここはアルカラスが耐えてサービスキープに成功します。
直後のゲームで、今度はアルカラスにチャンスがやってきます。
フォア側に動かされながらも、目いっぱい体を伸ばして返球したスーパーショットで、ブレイクポイント2本のチャンスを手繰り寄せました。
デュースに持ち込まれたものの、このゲーム3本目のチャンスを活かし、ブレイクに成功しました。
こうなると、状況は俄然アルカラス有利となりました。
お互いにブレイクポイントが訪れないまま、ゲームカウント「5-4」でアルカラスのサービングフォーザマッチとなりました。
1本目のマッチポイントで、強烈なフォアハンドのダウンザラインウィナーを決め、見事アルカラスがジャパンオープンの決勝進出を決めました。
試合時間は2時間10分でした。
見事なプレーを見せた両者に、観客から盛大な拍手が送られました。

YouTubeに6分程のハイライトがアップロードされています。
試合を通して感じたのは、アルカラスのドロップショットの精度の高さでした。
ルードもフットワークが良いので返球できている場面もあるのですが、フォアハンドショットとの緩急の差が尋常ではなく、対応するのは相当苦労したことが推察されます。
スタッツ
最後にテニスアプリ「TNNS」でスタッツを確認します。
アルカラス
Winners : 47
Unforced Errors : 40
1st Serve In : 64% (51/80)
1st Serve Points Won : 78% (40/51)
2nd Serve Points Won : 55% (16/29)
Break Points Saved : 75% (3/4)
Pressure Points Won : 38% (5/13)
ルード
Winners : 20
Unforced Errors : 32
1st Serve In : 71% (64/90)
1st Serve Points Won : 69% (44/64)
2nd Serve Points Won : 58% (15/26)
Break Points Saved : 78% (7/9)
Pressure Points Won : 62% (8/13)
このスタッツを見た第一印象として、私はルードの方が良い数字なのでは?と思いました。
ブレイクポイントのセーブ率、プレッシャーポイント獲得率が、ルードの方が高かったためです。
しかし、ウィナーの数に倍以上の差があり、10%未満の差ですがファーストサーブのポイント獲得率がアルカラスを有利にしたことが、ブレイク回数の差として現れ、アルカラスが苦しみながら勝利を手繰り寄せたと言えます。
日曜からジャパンオープン女子が、20日からは東レPPOが始まるので、そろそろそちらの記事も書きます。
