80歳の母、人生初の一人暮らし。安心をくれる「緊急通報ボタン」
はじめに
今年の4月から80歳の母が一人暮らしとなった。
母が20年ほど前に再婚した夫の急逝によるものであるが、母にとって一人暮らしは”人生初のチャレンジ”だ。
体の衰えや持病を抱え、生活のひとつひとつが全力投球である。
私は母の家の近くに住んでいる。夕飯を一緒に食べる日もあれば、泊まる日もある。それでも、自分が帰ったあとの夜、母は一人だ。
もし倒れても、いつ誰が気づくのか分からない。その一点だけは、どうしても消えなかった。
高齢の親がひとりで暮らしているという方なら、この感じは分かってもらえるかもしれない。
在宅安心システムという見守りの本質
母の住む市には、高齢者在宅安心システムというものがある。
この高齢者支援事業は、自宅に一人でいる高齢者に”もしもの事態”があった際、緊急事態の可能性を外部に知らせることができるというもの。
在宅中に万が一があった場合でも、長時間そのまま気づかれずに放置されてしまうという最悪の状況は避けられるのだ。
このシステムは、高齢者の母、見守る側の私たち家族に大きな安心感をもたらしてくれる。
緊急通報ボタン
その在宅安心システムのメインが、この緊急通報ボタンだ。
これは設置型の親機と持ち運びタイプがセットになっている。


基本は、持ち運びタイプを自分の手もとに置いておき、トイレや浴室などへの移動時に携帯していく。寝ている時、入浴中、トイレの中など、いつなんどき体調の変化があるかわからない。
体調の急変などで、母が一人では対処できない状態になってしまった場合、ボタンを押すとあのCMでよく見かけるALSOKに通報がいくようになっている。
また、不審者の侵入など一人暮らしの高齢者にとっての不安ははかり知れない。防犯対策としても、この緊急通報ボタンの意義は非常に大きいものになる。
緊急通報ボタンを押した後の流れ
✅母がボタンを押す
↓
✅ALSOKが母の携帯電話に連絡をする(安否確認)
↓
✅電話での状況により、ALSOKが自宅へかけつける
↓
✅スペアキーを渡してあるため、緊急連絡先に承諾を得た上で自宅の中へ入る
↓
✅母の状況により、救急要請をしてくれる
↓
✅緊急連絡先への連絡
特に、この緊急時の見守りは私たち家族だけでは到底及ばない。
市などの高齢者支援事業のサービスを利用して民間などの外部に助けていただくことで成立する。
何ごとも100%の安心、安全を担保することはできない。ただ、そのリスクを少しでも下げられるという事実が、母と家族の心の安定につながる。
置き忘れをしないための工夫
緊急通報ボタンは、移動するたび首にかけたりして携帯する。
万が一の時に手もとになくては、このボタンの大きな役割は果たせない。
紛失、置き忘れ、物忘れ、人間は歳を重ねるにつれて、いろいろな物事を忘れやすくなっていく。80代の母となれば尚のことである。
この緊急通報ボタンは「母の命を守ってくれるかもしれない」。
だからこそ、絶対に絶対に置き忘れたり、失くさないための工夫を私のできる範囲でやってみた。
🌼家の中で移動する時は、必ず携帯する
🌸置き場所を決める(5カ所)
🌺必ずその場所に置く、手すりにかける
この3点を決めごとにして、毎日の習慣になるようにしてもらった。
押し付けがましくならないように意識しつつも、お母さんを守るために、これだけは守ってほしいというニュアンスで決めごととして母に強く伝えた。
押し付けがましくしたくない気持ちと、命を守るために強く伝えたい気持ち。この2つのちょうどいいバランスが、本当にむずかしい。
置き場所に決めたのはこの5カ所





基本は、必ずこの5カ所のどこかに置いてあることになる。もしも、緊急通報ボタンが見当たらない時は、「このどこかにあるはず」という仕組みである。
まとめ
一人暮らしをしている高齢者は世の中にたくさんいます。
その中のひとりに、あなたの大切な方がいるのなら、あなた自身も不安や心配になることが多いと思います。
その人に何かあっても、すぐにかけつけられない。
そんな時には、市区町村などの高齢者支援事業の存在が、あなたの心を軽くしてくれるかもしれません。
しかもこれは、介護保険のサービスではありません。
私の母の場合も、介護保険の認定とは関係なく、「65歳以上の一人暮らし」といった市の条件に当てはまったことで、申請して使えるようになりました。
「うちはまだ介護認定を受けていないから」と、あきらめる必要はないということです。
緊急事態の時に、ボタンひとつでSOSを外部に知らせることができるのは、本人にとっても、私たち家族にとっても最後の救いになります。
皆さんの住んでいる市区町村でも、このような事業を行なっている所もあるかと思いますので、万が一の時のために調べておいてもいいのではないでしょうか?
ちなみに私がこの制度を知ったのは、母の担当ケアマネジャーさんが資料を持ってきてくれたからでした。自分から探しにいかなければ、たぶん今も知らないままだったと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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