夏至|一雨ごとに野菜は大きくなる、は本当のようだ。
雨だ。朝からずっと降っている。
庭を歩くと紫陽花が咲き始めていた。まだ見頃にはほど遠いが、始まりの知らせのように見えた。
今日は週末だが、早くから出かける用事があった。電車に乗って手帳を見る。数日前に新月を迎えて皐月に入っていることを確認する。「夏至の頃、日本の空は曇りがち」という言葉を見つけた。さらに、「聴雨(あめをきく)」という禅語が目に入った。

今週のスクールでは、クラス内で印象的な出来事があった。
発端は子ども同士の衝突である。心配になったクラスメートが呼びに来たので、部屋に向かう。
しばらく様子を見ていたが、どうやらおさまりそうにないので、当事者の二人を連れて話し合いの場を作る。それぞれが話す内容には食い違いがあり、またお互いに勘違いがあることもわかった。
話し合いでは、どう声をかけたらいいものか、正解があるわけでもなく、ひたすら暗中模索していくほかない。
ようやく口から出た言葉は、「両方が嫌な思いをしていることを、両方が理解することが大事なんちゃうかな」だった。子どもたちは2人とも、ちゃんと聞いている。しばらくは、誰もしゃべらない。
「蹴ってないのに蹴ったって勘違いをしていたかもしれない。それは自分でもよくないと思う」
「どんなに腹が立っても手を出したらダメだと思う。ごめん」
「勘違いをしないように工夫したらもっといいと思う」
2人が交互に、泣きながら、頭を抱え、手をぐっと握りながら話してくれた。
話し合いが始まってから20分ほどが過ぎていたように思う。明日からまた一緒に遊べるかなぁと聞くと、二人とも「うん」と頷いた。
日頃から、子どもたちには『話し合いは聴き合いやで』と伝えている。
話し合うこと。聴き合うこと。うまくいくときと、いかないときがある。
暦に学ぶ野菜づくりの知恵を読む。
旧暦五月は悪月(あしげつ)と呼ばれ、僻邪(へきじゃ)の風が吹くといわれています。よこしまな風とは病気を運ぶ風、人間も植物もこの時期は病気になりやすい時期です。
*中略
一日一度は野良まわりをしましょう。「主人の足音は肥料より効く」という諺もあります。「百の肥やしより、一時の旬」、適期の手当てを忘れない。野良まわりは野(畑)をよくする立派な畑仕事。
もう一度、庭に出る。
雨の音が聞こえる。雨水を溜めるバケツも鳴っている。

コットンの苗がキリっと立っている。黒大豆の芽も土を割って顔を出してきた。一雨ごとに野菜は大きくなる、は本当のようだ。

一夜明けて、夏至の朝。
雨は上がっているようだ。台所にいると、葉っぱの影が揺れているのを感じた。散歩に出ると晴れ間が見える。日当たりの良さそうなほうへ歩きだす。家に戻って野菜を見る。ミニトマトの支柱が傾いている。向こうの苗は倒れそうになっているではないか。麻ひもを取り出して、念入りにお世話をする。気づいたときに動けると、心が落ち着きやすいように思う。今日も忙しくなりそうだ。

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