JR盲腸線を青春18きっぷで攻略する<西日本編>
はじめに
青春18きっぷを利用するにあたって、鬼門となるのが盲腸線の乗りつぶしである。終点で折り返し再び乗車済みの区間を戻るのは、乗車する楽しさよりも義務感が上回るし、なおかつ移動の効率が悪い。
近年の整備新幹線の開業によって並行するJR在来線が次々に三セク化され、盲腸線を含むJR飛び地路線は増加の一途を辿る一方である。これによって益々青春18きっぷで旅行しづらい状況になりつつあるのは異論無いであろう。
今回は、全国の路線終点となる駅が私鉄を含む他の鉄道路線と接続しない盲腸線について、折り返し乗車せず路線バスや船または徒歩を利用することで、他のJR路線に乗り継げる方法は無いか調査した。但し青春18きっぷを使わず、徒歩以外では別途路線バスや船運賃が必要となるため、それぞれの旅程にてその費用が旅の目的に合うか、または路線乗りつぶしの効果が上がる場合には是非ご利用頂きたい。
なお、終点折り返し駅などから路線バスや船または徒歩にて乗り継ぎできない場合や、数駅程度戻ることによって他のJR線乗り継ぎ可能である場合、列車本数の多い東京都・神奈川県下のJR盲腸線は除く。また、利用がメジャーな高速バス利用もあえて記載する必要は無いであろう。
筑豊線 若松駅から戸畑駅へ
北九州市渡船事業所が運営している若松渡船を利用し、鹿児島本線戸畑駅に移動が出来る。若松駅から800m程東に渡船乗り場がある。6時~22時台の7~20分毎に出発するのでほぼ待たずに利用でき、乗車3分運賃100円なのもありがたい。港から戸畑駅までは500m程である。なお、渡船北側にある若戸大橋は徒歩利用は出来ないので注意。

香椎線 西戸崎駅から博多・姪浜駅へ
福岡市が運営している渡船を利用し、福岡市地下鉄空港線中洲川端駅に移動が出来る。西戸崎駅から徒歩1分で西戸崎港に、渡船は1日15便で15分所乗車で450円である。下船した博多ふ頭からは博多駅までバスもあるが、徒歩20分程で駅7番出口付近に到達できる。中洲川端駅から博多まで2駅、姪浜まで8駅である。
香椎線 宇美駅から博多・南福岡駅へ
西日本鉄道が運営している路線バスを利用し、33または37系統で博多バスターミナル1Fに移動できる。日中は最低でも1時間に1本はあるため、乗車は容易である。博多バスターミナルは博多駅の隣のビルにある。11系統に乗車すると南博多駅に移動が可能である。但し平日の日中4本のみであるため、注意が必要である。

三角線 三角駅から宇土・熊本・長崎駅へ
産交バスが運営している路線バスを利用し、鹿児島本線宇土駅に戻ることができる。但し三角駅前の三角産交バス停から乗車し、1時間弱1,040円も掛かるし1日5本のみなのであまり現実的ではない。一方三角駅から600m、徒歩8分にある五橋入口バス停から快速あまくさ号(1日10往復)の乗車で熊本駅に直通できる。1時間強の乗車1,340円である。熊本駅の乗り継ぎで急ぐ場合には、こちらが便利であろう。
一方時間は掛かるが、長崎に移動する方法もある。上述の五橋入口反対側バス停から快速あまくさ号に乗車(15分1,660円)し、終点の本渡バスセンターで富岡線に乗り換え、乗車(1時間1,010円)し富岡港で下車する。富岡港から1日4往復の苓北観光汽船(45分2,030円)で茂木港で下船、近くのバス停から1時間に1本程度の長崎交通バスで乗車30分300円で長崎駅前に到着だ。旅程に天草観光を挟む場合には有効でろう。
指宿枕崎線 枕崎駅から鹿児島中央・伊集院駅へ
鹿児島交通が運営している路線バスを利用し、鹿児島中央駅に戻ることができる。1日7本1,580円で所要1時間20分程度なので、列車より1時間以上早く移動が可能だ。また鹿児島本線伊集院駅へも1日5本1,690円で所要1時間40分、コスパはかなり高めであると言えるであろう。

日南線 志布志駅から都城・鹿児島中央駅へ
鹿児島交通が運営している路線バスを利用し、日豊本線都城駅へ移動できる。1日3本で所要時間1時間20分程度なので、旅程を組む場合には注意が必要であろう。一方鹿児島中央駅への直行便バスはフェリー会社さんふらわぁが運営している、志布志港9時10分発サンフラワーライナー1日1本所要約2時間2,100円のみである。志布志港へは駅から2㎞弱なので、徒歩20分程度で到達可能だ。
このほか鹿児島中央駅には、鹿児島空港で乗り換える方法で到達可能だ。1日5本のみだが1時間50分1,960円で空港に到着する。空港からは日中10~20分の高頻度となる、所要20分強1,400円の運行で鹿児島中央駅に到達できるが、費用が掛かりすぎなのが難点。空港から帰路につく場合には有効であろう。
小野田支線 長門本山駅から小野田駅へ
朝2往復、夕方1往復の難関盲腸線である。折り返し便も朝はわずか7分で、十分な滞在は叶わない。このため船鉄バスが運営している路線バスを利用し、山陽本線小野田駅へ移動しよう。1時間に1本、乗車40分程度で400円なのでかなり有効であろう。

可部線 梅林駅から玖村駅へ・中島駅から下深川駅へ・可部駅から広島駅へ
利用者ならご存じであろう、可部線と芸備線は太田川を挟んで一部区間で近接している。このため折り返し乗車の際には、近接区間まで戻り徒歩にて芸備線に移動しよう。梅林駅から玖村駅へは1.8㎞徒歩約22分、中島駅から下深川駅へは2.2㎞徒歩約27分で移動が可能だ。
路線バス利用の場合可部駅まで戻り、広島交通の路線バスで広島駅に移動することが可能である。所要45分の乗車で490円、1時間に2~3本の頻度なので可部線とほぼ同等のスペックで運行されている形となり、あえて路線バスを利用する必要は無いかもしれない。
境線 境港駅から松江駅へ
一畑バスが運営している路線バスを利用し、山陰本線松江駅へ移動が可能である。但し直通できる路線バスは1日2往復(所要40分1,050円)しかないため、旅程を組むにあたっては注意が必要である。なお、美保関コミュニティーバスで宇井渡船場および美保関バスターミナルを経由して一畑バスで松江駅に出る方法もあるが、時間が掛かる。

宇野線 宇野駅から岡山・高松駅へ
両備バスが運営している路線バス玉野渋川特急線を利用し、駅前の宇野港バス停から岡山駅に移動が出来る。1時間に2本の頻度で1時間強の乗車、660円である。
ただ戻るのが嫌な場合には、四国に渡る方法もある。但し高松に直通するフェリーはすでに廃止されているので、直島(宮浦港)乗り継ぎとなる。四国汽船が運営しているフェリー1日15便20分300円を利用して直島に渡り、直島から1日5便50分520円(高速船3便30分1,220円)の同社フェリーで高松港に到達できる。
鳴門線 鳴門駅から徳島駅へ
徳島交通が運営している路線バスを利用し、高徳線徳島駅へ戻ることができる。複数路線があり1時間当たり2~3本で、鳴門線より本数が多く利用しやすいのだが、所要時間1時間程度で870円掛かるため、鉄道の折り返し利用では不都合な場合に限られるであろう。

牟岐線 阿波海南駅から奈半利駅へ
阿波海南駅からは阿佐海岸鉄道のDMV車両で甲浦駅へ、ここで鉄道モードからバスモードに切り替えを体験し、1駅乗車で海の駅東洋町に到着。ここで高知東部交通が運営する路線バス1日数往復程度に乗り換え、乗車40分1,310円で室戸世界ジオパークセンターへ、更に安芸営業所行1日十数往復程度にバスに乗り継ぎ乗車1時間強1,420円で土佐くろしお鉄道奈半利駅に到着する。乗車するバスによっては室戸岬を経由する便もあるので、景勝地を堪能しても良いであろう。
次回は近畿・中部・北陸・関東・甲信地方の盲腸線めぐりである。
※画像資料:photolibrary フォトライブラリー
※地図画像:NAVITIME ナビタイム
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今後も鉄道情報をこまめに収集し、皆様の参考になる記事をご提供させていただきます。