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コンデジが人気の理由とは?一眼カメラが売れなくなった理由との因果関係を紐解く!

こんにちは♪Aliceです。
先日、ネオ一眼とも言われるカテゴリーのSONY RX10Ⅴが発表されました。
実売32万円台と高いですが、24〜600mmものズームレンジでテレ端600mmでも開放f4と明るく、売れそうですね。

600mm f4が32万円台と考えればお値打ちか!?

今日はレンズ一体型のコンパクトデジタルカメラが爆売れ状態なのに、レンズ交換式一眼カメラが売れない理由をお話ししてみようと思います。

コンデジは高くても売れるのに、何故一眼カメラは売れないのか?
その理由はちょっと長くなりますが、結論を一言で示すと『カメラ+レンズが高いから』です。

1.GRⅣを筆頭にコンデジが品薄

RICOH GRⅣ、未だに凄い人気で品薄ですよね。
予約抽選で、当たらないと買えないので、ネット上には『GRⅣまた外れた』という声が飛び交っています。

FUJIFILM X100Ⅵや先代のX100Ⅴも然り、またCANON Power Shotシリーズなども品薄が続いており、入荷はするものの、新品も中古も一瞬で売り切れる状況です。

また、10年以上前の中古コンデジがフリマアプリでは当時の新品価格を超える高額で取引きされていたりします。
驚きですよね。

GRⅣモノクロームは在庫があるようだ

2.スマホのカメラで十分では?

『カメラなんてスマホで十分!』と言われるほど、スマホのカメラ性能は進化しています。
天の川を撮れてしまう程です。

集合写真では全員にピントが合うように被写界深度を調整してくれるし、逆光では暗部を自然に持ち上げ、順光では白飛びを抑えてくれます。
速い動きモノは動画で綺麗に撮れます。
望遠性能も、iPhone17Proなど最近の機種はかなり改善されています。
Rawで撮影して編集する事も可能です。

何よりも、スマホで撮れば即時SNS等にアップロード出来る点が圧倒的に有利です。

iPhone17Proで撮影して無加工
一眼カメラでは逆光で車が真っ暗になる
スマホは自動でHDR撮影してくれる

3.一眼カメラが売れなくなるまでのストーリー

『スマホで十分』なのに、なぜわざわざ別にカメラを買うのでしょうか?
・スマホより分厚いし荷物が増える
・バッテリーを充電しないといけない
・撮ったらスマホに転送しないといけない
スマホのカメラで撮る事に対して、様々な負荷が増えますよね。

理由には、2008年7月11日に日本国内でiPhoneが発売されてから、一眼カメラが売れない時代になるまでのストーリーがあると個人的に考察します。

アクアパーク品川のドルフィンパフォーマンス
ナイトバージョンは真っ暗!
スマホやコンデジでは撮れない写真

①スマートフォン=カメラ普及率の急上昇

ガラケーの時代から、携帯電話にカメラは備わっていました。
ただしそれは『撮影』というクオリティには程遠く、証拠とか報告と言った用途のためのカメラでした。

『撮影』は一眼レフカメラで、プロの仕事か一部の写真愛好家だけの行為でした。
ただし、コンパクトデジタルカメラを持っている大人は多かった記憶です。
当時は携帯電話のカメラよりコンデジの方が断然画質が良かったので、『旅行に行くならコンデジは持っていかないと』という時代だったのでしょう。

キヤノンPowerShot V1も大人気な高級コンデジ

スマートフォンより先に普及したのは、一般家庭向けのデジタル一眼レフカメラです。
軽量コンパクトなAPS-Cデジタル一眼は、望遠レンズもセットになったダブルズームキットでも59,800円で買えたものです。
パパ・ママが運動会で子供を撮影したり、中学生や高校生くらいの鉄道ファンも一眼レフカメラで撮影するようになりました。

この頃が、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ販売台数のピークだと思います。
運動会か観光地では、誰も彼もEOS kissやニコンD3100などを持っていました。
キヤノンvsニコン、一眼レフのシェアでは互角だった頃の話です。

一眼レフはマニアか運動会専用カメラだった

ただし、この一眼レフカメラを持っている一般家庭は、全国民における割合では低い方でした。
尚且つ、運動会や旅行以外では家で眠っているだけの存在です。
要するに、『撮影』を日常的に行う人口の割合は、まだまだ相当低かったという事です。

それが、iPhoneを筆頭に急速にスマートフォンが普及してから一変しました。

今や日本人のスマートフォンの所有率は91.8%(2025年実績・総務省発表)と言う時代になり、それなりのクオリティで写真が撮れるカメラを日常的に持ち歩いている人口の割合が9割を超えている事になってしまいました。

iPhoneが世の中を変えた

②スマートフォン=カメラの普及で起こった事

それは、誰もが『撮影』と言う行為を、何の抵抗も無く行うように変わった事です。
前述した通り、それまではプロの業務(写真館や報道・ウェディング等)か一部の写真愛好家だけのニッチな行為/趣味でした。
一眼レフカメラやコンデジを持っていても、運動会や旅行など『特別な体験』の時だけ使うモノでした。

それが、街中でシャッター音(スマホの電子音)が聴こえるのが当たり前になりました。

それにより、盗撮など昔は殆ど無かった犯罪や、個人情報や機密情報の漏洩など、様々なデメリットがありましたが、激変したのは『撮影』と言う行為に対するマインドだと私は思います。

写真は誰でも撮って良い・撮れるモノに変わったのです。

富士山が見えた!と思ったら
即スマホで写真を撮れる時代

③スマホがカメラ業界に与えた影響

全国民の約9割がカメラを持ち歩き、当たり前にシャッターを切る『1億総カメラマン』状態になり、急激に成長したのが『写真投稿サイト』です。

それまでは企業による写真コンテスト等、本当にごく一部の写真愛好家の中だけで腕を競い合っていましたが、『撮影』『写真』というものが身近になり、PHOTOHITOやGANREF等、インターネット上に自身が撮影した作品を展開し、評価を受ける事が出来るようになりました。

また、Instagramを筆頭にプロ以外の人が撮影した写真をSNSで目にする機会が圧倒的に増えました。

それにより、
『こんな写真を私も撮ってみたい』
『私にも撮れそう』

というマインドが多くの人に芽生えたと思います。

『いいね!が沢山貰えそう』
『私、実はプロの素質があるんじゃない?』

と考えた人も多いでしょう。

アクアパーク品川のドルフィンパフォーマンス
どうやって撮るの?と良く聞かれる

それで、インターネットで『どのカメラを買えばこの写真が撮れるのだろう?』と調べて買う、という流れに繋がります。
私のSNSにも、見知らぬ人から『この写真を撮ったカメラとレンズを教えて下さい』と言ったDMが頻繁に届きました。
(PHOTOHITOやGANREFは、機材や露出の情報も載せられる点が良かったです。)

この時点では『スマホで十分』と言う発想はあまり無かったのではないでしょうか。

④一眼カメラの価格高騰

円安など為替の影響もあり、カメラメーカー各社が一斉に価格改定(値上げ)を行い、更にモデルが新型になる度に大幅に値上げするようになりました。

また、2010年代は主力商品だった筈の安価なAPS-Cカメラは姿を消しました。
前述の、ダブルズームキットが59,800円だった時代を知っている身からすると信じられない程、一眼カメラは高価になってしまいました。

SONYα7シリーズを例にあげると下記の通りです。

α7シリーズは初代の15万円がα7Ⅴでは37万円!
α7Rシリーズでは初代の22万円が
なんとα7RⅥでは70万円に!!

キヤノンで言うと、一眼レフ時代にフルサイズのベーシック機であったEOS 6Dの新品価格が当時14万円台でした。
それがミラーレスになり、性能は底上げされているもののベーシックのEOS R6 MarkⅢが38万円台になってしまいました。

カメラの価格は約13年で3倍に跳ね上がりましたが、日本人の所得は3倍どころか2倍にもなっていません。

EOS R6 MarkⅢも含めて30万円超のカメラを
ベーシックと呼ぶ事に抵抗がある

この一眼カメラの販売価格上昇により、『1億総カメラマン予備軍』だった筈が
『カメラって高すぎるよね?』
『スマホで十分じゃない?』
と言う意見が世間を支配するようになってしまいました。

⑤スマホで十分!だった筈が何故コンデジへ?

Instagramを筆頭に、『日常的に写真をシェアする』と言う行為が浸透した日本人の中に、ミラーレス一眼カメラは高すぎて買えないけれど、
『スマホ写真では物足りない!』
『カメラは欲しい!』
『エモい写真が撮りたい!』

と言う人が多数存在したのだと思います。

写真は好きでも趣味に何十万・何百万も使えるのか?

そこでフォーカスされたのがコンデジだった訳です。
拘る人はRawで撮ってレタッチも出来るし、Bluetoothでスマホに即時転送可能です。
何より
『私はカメラで撮影している』
と言う、スマホと差別化するマインドで満たされるのではないかと思います。

⑥カメラメーカーの大失敗

せっかく『撮影』『写真』と言う行為・趣味の間口が2000年代以前と比較して圧倒的に広がったにも関わらず、2020年頃から
『フルサイズメインへの移行』
『高単価商売への移行』
をメーカーが推進してしまったのです。

安価なAPS-Cカメラはラインナップから消え、FUJIFILM X-M5の15-45mmズームレンズキットですら13万円台、NIKON Z50Ⅱの16-50mmズームレンズキットだと16万円台になってしまいます。

…NIKON D3100くらいの頃は、望遠レンズも付属したダブルズームレンズキットで新品59,800円で買えたのです。
嘘みたいですよね。

18-55mm&55-300mmと2本のレンズが付属した
ダブルズームキットで59,800円など

友人から
『カメラ始めたいのだけど、5〜6万円くらいでいいの無い?』
等と良く相談されるのです。
そう言う人に限って、野鳥や競馬・スポーツなどを撮りたいのですが、
『新品で揃えるなら最低でも30万円は必要ですよ。性能も求めるなら40万円以上は…』
と答えると、
『は?30万?!カメラってそんなに高いの?』
と言うリアクション率が100%です。

これにより、せっかく『写真を趣味にしたい』と考えた人を意図せずに『門前払い』してしまっている事に、カメラメーカーは気付いているでしょうか?

世の中一般では、写真は好きでも写真だけが趣味では無い人が圧倒的大多数なのです。
この最低価格帯では、一眼カメラに入門できる人は限られて来ます。
お金が無いのではありません。
『カメラにそこまでお金を掛けたくは無い』
と考える人が大多数なのです!

スマホの普及により『写真を撮りたい人・カメラが欲しい人』が激増したのに、そのチャンスをモノに出来なかったのはカメラメーカーの失態だと私は考えます。

⑦そしてコンデジが人気になった

前述した通り、一眼カメラで一通り揃える程は無理!でもカメラは欲しい!という客層が、RICOH GRやFUJIFILM X100シリーズ等に殺到しました。

転売ヤーによる買い占めやフリマアプリでの高額転売など、様々な問題も生みましたが、それくらい欲しい人が居たと言う事でもあります。

『GRⅣもX100Ⅵも高いじゃないか』
と思った方も多いでしょう。
確かにGRⅣは約25万円・X100Ⅵだと28万円台です。

中古の先代X100Ⅴでも28万円もするが、それでも人気!

ですが、この価格は『レンズが付いている価格』なのです。
APS-Cだのフルサイズだの関係無く、
『一眼カメラはレンズも買わないといけないから高く付く』
と言うイメージがあるのです!

また、コンデジであれば『レンズ交換』がありません。

写真を『そこそこの趣味』にしておきたい客層にとってみれば、『レンズ交換』は嫌いな行為である人も多いです。

あと『どのレンズを買えば良いか分からないし、調べるのも面倒』という人も多いのです。

色々なレンズに交換出来て楽しい
と考える方が少数派

纏めると
『写真は撮りたい』
『スマホ写真とは差別化したい』
『フルサイズとかそう言うのは良く判らない』
『レンズを別に買うのは高いし選ぶのが面倒』
『レンズ交換とか面倒だし怖い』
という趣向の方がとても多く、そしてコンデジに流れたという事です。

その中には、
『画質とか新品・中古への拘りは無い』
『ちょっと古い方がエモい』

という人も多く、そう言う人がオールドコンデジに流れたと言う歴史です。

4.カメラが売れない理由は『カメラ+レンズが高いから』

結論、そういう事です。
写真を撮る→記録して残す&SNS等に載せるという行為が、誰にでも出来るようになり、『撮影という行為そのもの』が市民権を得たにも関わらず、カメラメーカーはレンズ交換式一眼カメラの普及よりも高単価商売へと舵を切りました。

ベーシックカメラ+開放F4の標準ズームレンズだけで52万円

執るべき戦略は逆だったと私は考えます。

安価かつ魅力的なレンズが多く有る

そのレンズを使いたいから一眼カメラが売れる

ユーザーが交換レンズをもう1本・更に1本と買い足して行く

これこそが理想ではないでしょうか。

今はもう、『この値段なら買える!欲しい!』と思えるレンズが発売される事が無くなったように思います。

※ここ数年では唯一、キヤノンRF45mm f1.2 STMだけがそう思えるレンズでした。

新品カメラとレンズを1〜2本だけで、50万〜100万円もするような世界に、趣味で参入しようと思いますか?

アクアパーク品川ドルフィンパフォーマンス
SONY α7Ⅴ+Zeiss Batis85mm F1.8

5.メーカーのマーケティングが失敗している

先日、あるポートレート系YouTuberが、メーカーの誇る高級プライムレンズをズラリと5本も並べ、レンズを交換しながらモデルさんを撮影し作例を見せる動画を配信していました。

その作品は確かに美しいし、撮り手のスキルも素晴らしいのですが、30万〜100万円もの高額なレンズとフラッグシップカメラとの組み合わせの作例を見せられた視聴者が、
『凄い!私もこれを買おう!』
とはならないと思うのです。

『高いレンズとカメラはさすがだね。』以上、終了!
という感想を抱く方が多いのではないでしょうか。

逆に、『本格的なポートレート撮影にはこんな高額な機材が必要なのか・・・』と負のイメージを植え付けてしまう可能性も無きにしも非ずです。

高額な商品の広告は、その客層に見合った写真家や俳優を採用すべきだと思います。

2008年発売だったニコンD90の広告モデルには木村拓哉さんが出演しており、CMからカタログまで大変人気があり、D90も当然人気のカメラになりました。

キムタクの広告やカタログが最高に格好良かった

それに対して昨今はどうでしょうか。
名も知れぬインフルエンサーやビデオグラファーがYouTubeで新製品を紹介していますよね。

著名な芸能人を採用したカメラメーカーのテレビCMや広告を見た記憶がありません。

カメラメーカー各社は、あからさまに広告宣伝費を削減しています。

30万・50万・100万円といったカメラ・レンズを購入する第一の客層は『大人=ミドル・シニア』な筈です。
その大人達に、名も知れぬインフルエンサーやビデオグラファーのプロモーションが響くでしょうか?

マーケティングとは、イメージ戦略でもあります。
高価な商品を、決して著名とは言えない若い方が的確な宣伝を行ったところで、残念ながら高価な商品には聞こえないのです。

カメラメーカーは商品の価格帯を大幅に吊り上げただけでなく、広告宣伝費を削減してまで利益を確保しようとしています。

逆に、そこまでしないと経常利益が出せない企業体力なのかも知れません。
だとしたら、カメラメーカーの未来は明るくありません。

分かりやすい例で言うと、大手飲料メーカーや化粧品メーカーは、昔から今でも著名な芸能人がテレビCMや広告モデルに起用しています。
それが出来なくなったカメラメーカーは、斜陽産業と捉えられてしまっても仕方ありません。

速い動きモノであっても一眼カメラは必須ではない
動画ならスマホでも撮れる

6.逆に成功しているカメラメーカー

DJIやInsta360が躍進しています。
コンデジと似た理由で、ポケットサイズのジンバルカメラやアクションカムも売れています。
発売されたばかりのDJI Osmo Pocket 4PやInsta360 Luna Ultraは大人気で、どちらも品薄状態です。

やはりこれらも10万円前後という『現実的な価格』と『レンズ一体型』・『スマホとの差別化』などを武器に、レンズ交換式カメラが高すぎて売れない代わりに、そのマーケットを奪い取る事に成功した訳です。

ハッセルブラッドを傘下に持つDJIは、現時点でドローンのトップメーカーでもありますし、レンズ交換式一眼カメラの衰退に乗じて益々勢力を拡大するものと思われます。

また、Insta360はコンデジを発売するという噂も出ています。

7.さいごに

一昔前は100万円級の大口径超望遠単焦点レンズを持っていると、
『ハハハ!クルマ買えるじゃん!』
と笑われたものですが、今では
『カメラに100万円?大丈夫?貴方は何になりたいの?』
正気を疑われるだけでしょう。

クルマは多くの人にとって生活必需品でも、カメラは(業務で必要な人を除けば)趣味の嗜好品です。

収入が大して増えていないのに、物価だけ高騰してしまった日本では、お金の使い方が慎重になっています。
コストパフォーマンスを考慮せずにお金を使う人は少なくなっていると思います。

クルマには大金を出せても、カメラには出せない、これは当然の事だと思います。

それなのに、レンズ交換式カメラの価格は高くなる一方です。
メモリー価格高騰や円安の影響で、今後更なる値上がりも予想されます。

今後スマートフォンの価格も上昇しますが、こちらは生活必需品です。
生活必需品の価格が上がると、財布の紐が堅くなるでしょう。

カメラメーカーは戦略を見直し、『手が届き易い価格帯』のカメラ(コンデジも含め)に注力しないと、イメージング事業が生き残れないのでは無いかと懸念します。

この記事がカメラメーカーのマーケティング担当者に届いて欲しいと、心から願います。


今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また次の記事でお会い出来ますように。

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