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【間違いばかりのカメラ選び②】すぐに超望遠レンズを買う人

こんにちは♪Aliceです。
間違いばかりのカメラ選びシリーズ、前回は『競馬場がキヤノンの一眼レフばかりな理由』をお届けしました。

驚くほど多くの反響を頂き、
『私も何となく周りの人と同じカメラにしていました。』
『ミラーレスは駄目だよ!と聞いて信じてしまっていました』

など、色々なリアクションを頂きました。
【知らぬが仏】という言葉もありますが、真実を知って正しい道筋に修正すれば良い未来が見えると思います。

そこで今回は、
『すぐに超望遠レンズを買う人』
について書いてみます。

1.超望遠レンズとは

概ね世の中一般では、焦点距離が400mmから超望遠と定義すると思います。
代表的なレンズで言うと、いわゆるヨンニッパ(400mm f2.8)や100-400mmなどのズームレンズが各社から発売されています。

ヨンニッパ・200mm f2.8・85mm f1.8
サイズが違い過ぎる
ヨンニッパは3,860gもある

100-400mmズームレンズでは概ね1,500g以下に収まっており、中には1,100g台のレンズもあります。
何とか手持ちで長時間構えていられる重量です。

2.APS-Cカメラだと話が違う

ただしその焦点距離の話は、35mmフルサイズのカメラでの話です。
APS-Cセンサーのカメラでは、焦点距離が
キヤノンは1.6倍
キヤノン以外は1.5倍

になります。
初心者の方は、それをご存知ない事が大変多いです(仕方ないです)。

要するに、レンズの焦点距離が200mmであれば、
キヤノンのAPS-Cでは320mm
キヤノン以外のAPS-Cでは300mm

での撮影になると言う事です。

EOS R7に装着すると160-640mm!
もはや超超望遠!

※この時点で、何を言っているのか判らない方もいらっしゃると思うので、軽く説明します。

①APS-Cカメラとは

プロやハイアマチュア向けの大型カメラと異なり、小型・軽量・安価で提供する為に存在する小型カメラの事です。
【advanced photo sensor-classic】
の頭文字でAPS-Cと総称される小型の映像センサーを搭載しています。

フルサイズ(正式にはフルフレーム)に対し、小さなセンサーでデジタル画像を生成する事になるため、画質面では当然不利になります。
その代わり、小型・軽量・安価になります。

文献: https://www.klv.co.jp/corner/image-sensor-size.html

②『私のカメラはAPS-Cなの?』

と言う方もいらっしゃる可能性があるので、代表的なAPS-Cカメラを挙げると、
【キヤノン】
EOS R7・R10等ミラーレス
EOS kissシリーズ・90D・80D・7DmarkⅡ等一眼レフ

【ソニー】
α6400・α6700等ミラーレス

【ニコン】
Z50・Z30・Zfc等ミラーレス
D500・D7500等一眼レフ

【フジフィルム】
X-T5・X-S10・X-H2s等ミラーレス

これら全てAPS-Cカメラです。
ご自身のカメラが上記に無い場合、APS-Cかフルサイズか、もしくはそれ以外かはメーカーのカタログ等でご確認下さい。

EOS R10とソニーα6700の例

3.なぜすぐに超望遠レンズを買ってしまうか

③アドバイス出来る人が少ない

前回記事にしたように、競馬場のような『◯百万円級の高価なカメラを持っているがカメラに全く詳しく無い人』が多い環境だと、
焦点距離何mmのレンズを使えば『どこでどういう構図になるか』
アドバイス出来る人が少ないのです。

そこで、EOS 1DX MarkⅢと400mmや600mmと言った白い大砲のようなレンズを持った人達に聞くと、
『最低400mmは必要!出来れば600mmあった方がいいよ!』とか言われてしまいます。

600mm f4など巨大な白い大砲レンズがゴロゴロいる世界

④ここが落とし穴

前述の通り、APS-Cカメラでは焦点距離が1.5倍または1.6倍になってしまいます。

2025年現在でも一眼レフカメラが主流の競馬場において、SIGMAやTAMRONの【150-600mm F5-6.3】という超望遠ズームレンズを所持している方が非常に多いです。

白い大砲レンズを持った人に600mmあった方がいいと言われ、インターネットで検索して見つけたのがSIGMAやTAMRONの150-600mmで、しかも中古なら6〜7万円程度と、すぐに買えない事はない金額!という事で購入に至る訳です。

ですが、ご自身のカメラ本体はAPS-Cであり、焦点距離が1.5倍(1.6倍)になる事を本人は知りません。

しかも、いざレンズが手元に届いてみたら、レンズ単体で2,000g前後と大変重く、三脚禁止の競馬場で手持ち撮影では腕力が足りない事も本人は知りません。

RF24-240mmはAPS-Cカメラに装着すると
38-384mmのズームレンズに!

4.手ブレとISO高感度ノイズの嵐

焦点距離600mmは、APS-Cカメラではなんと1.5倍の900mm!
キヤノンのAPS-Cであれば960mm!!
四捨五入したら1,000mmです!!

何もかもがドアップ過ぎて、ファインダーに何が映っているのか、どこにレンズを向けているのか判らなくなるレベルの超超超望遠です。

400mm単焦点レンズで撮影したので
厩務員さんが見切れてしまった例
400mmでも過剰なほど望遠

しかも、カメラとレンズで合計約3kgと重いので、腕力が足りない人だと被写体にレンズを向け続ける事すら困難です。

こう言った超望遠レンズには、強力な手ブレ補正機構が備わっていますが、焦点距離が長ければ長い程、手ブレにはかなりシビアになります。

前述のSIGMAやTAMRONの150-600mmレンズは、あくまでフルサイズ用の最大焦点距離600mmのレンズであり、APS-Cカメラで900〜960mmでの使用を重視した設計ではありません。

そのため、手ブレ補正がONでも非常にブレ易く、一見綺麗に撮れているようでも拡大して見るとブレている、という写真を量産する事になります。

1200mmで撮影したカワセミ
ちょっと風が吹いてもブレる超望遠
呼吸してもブレそうなくらい

また、900〜960mmでもフルサイズカメラでの600mmと同等に解像するようにも設計されていません。
手ブレなのか解像度が低いのか、どちらか判らないけれど、どれもモヤっとした解像感の不足した写真ばかりになってしまいます。

更に、手ブレが怖いからとシャッタースピードを1/1,000秒・1/2,000秒と上げていく事でISO感度が高くなります。
物理的にAPS-CカメラはISO高感度性能がフルサイズカメラと比較して劣るため、ISO1,600辺りで解像感が低下し、ISO3200も超えるとノイズで画質はザラザラ、もはや『撮った』という証拠写真にしか使えないような低画質になってしまうAPS-Cカメラが殆どです。

よってISOはあまり上げたくないけれど、手ブレも怖い、競馬場なら秋冬のメインレース時刻(15:30頃)は日没頃で暗い…と八方塞がりになる事は目に見えています。

5.APS-Cカメラが悪い訳では無い

ここまでで、APS-Cが悪者扱いのように感じた方もおられると思いますが、違います。
APS-Cは、フルサイズカメラに対して『小型・軽量・安価』であると言う大きなメリットがあります。

APS-Cのメリットを無視して、フルサイズ用の大きく重いレンズをAPS-Cカメラに組み合わせてしまうから、APS-Cカメラの本来の性能を発揮出来ないのです。

APS-Cカメラ専用に設計された小型・軽量なレンズ、もしくはフルサイズ用の中でも小型・軽量なレンズを組み合わせる事で、貴方のAPS-Cカメラは本来の性能を発揮して翼が生えたように躍動する事でしょう。

6.150-600mmズームレンズが悪い訳でも無い

同じく、SIGMAやTAMRONの150-600mm F5-6.3ズームレンズが悪者扱いされているかのように感じた方もいらっしゃるでしょうが、違います。

前述の通り、最長焦点距離600mmのレンズを900〜960mmで使用する事で、本来の解像力を発揮出来ていないのですが、それ以前の問題として、
三脚座が標準装備されているレンズは『三脚に装着して撮影して下さい』
という意味だと認識して下さい。

機動力が必要な野鳥撮影でも三脚か
最低限でも一脚は無いと手ブレ量産

手ブレ補正機構があったとしても、超望遠域の手持ち撮影ではどうしても微少なブレが発生しがちです。

最近のTAMRON50-400mmズームレンズ(1,155g)など、400mm級でも三脚座がオプションのレンズがありますが、手持ちでブレずに撮れる限界の重量が
【レンズ+カメラで2kgまで】
と思って欲しいです。
(鍛えて腕の筋肉モリモリの方はもっと限界が高くなります)

基本的に三脚座が付属しているレンズは三脚に据え置いて、もしくは一脚で補助して撮影すべく設計されていると思って下さい。

なので、ブレて解像感が足りないのはレンズのせいでは無く、三脚や一脚を使わない貴方の責任なのです!

SIGMAやTAMRONの150-600mmは、フルサイズカメラで三脚or一脚を使用して適切な露出で撮影すれば、素晴らしい高解像度を発揮する、コストパフォーマンスに優れた素晴らしいレンズです(私も持っていました)。

7.初心者は何ミリのレンズを使えば良いの?

ここまで長々と、APS-Cカメラや150-600mmレンズの弁護を行って来ました。

前述の通り、
【カメラ+レンズの重量が合計概ね2kg以下になる組み合わせ】
尚且つ
【1.5倍(キヤノンは1.6倍)した焦点距離が概ね400mm以下】
であれば、競馬場やサッカーJリーグのように三脚禁止のフィールドでも、(手ブレさえ気をつければ)カメラ本来の画質・レンズ本来の解像度を発揮出来る筈です。

※1.5倍したら400mmを超えてしまうレンズが多いので、総重量を2kg以下にする方を重視した方が、より選択肢が広がります。

ニコンの300mm f4は765gと軽量だが
APS-Cでは450mmの超望遠になる

各社から販売されている300mmまでのズームレンズであれば、概ね700g前後です。
カメラとの合計重量も1.5kg程度に収まりますし、APS-Cカメラであれば450mm(キヤノンは480mm)の超望遠になります。

競馬場やJリーグ・運動会などでも十分な焦点距離だと思います。

300mmレンズで撮影
焦点距離が長過ぎると被写体を見失い易くなる
300mmでも十分

Jリーグでの300mmの作例をご覧になっていかがでしょうか?
APS-Cカメラであれば、200mmのレンズを組み合わせれば300mm(キヤノンは320mm)になります。

200mmまでであれば、【70-200mm f2.8】という開放f値が明るいレンズが各社から販売されています。
競馬もサッカーや野球のナイトゲームもそれなりに暗い環境ですので、開放f値が明るいことは何よりも画質に貢献します。

大井競馬場のゴール前
200mm f2.8で撮影した例

よって、カメラがAPS-Cの方には特に、最もお勧めのレンズは70-200mm f2.8となります。
ただし、現行モデルの価格は30万円位してしまいます(キヤノンは45万円!)。
よって、【70-200mm f4】というf値が1段暗い代わりに、小型・軽量・安価になるレンズもラインナップされているメーカーが多いです。

スポーツ等の動きモノを撮影したい初心者の方が、無理せず高画質に撮れ易く、スキルを磨いていける最適な組み合わせがAPS-Cカメラ+70-200mm f4かも知れません。

競馬場やJリーグなど、『スタンド席の遠い場所から撮るには300mmじゃ足りないよ!』というご意見もありそうですが…

東京競馬場のスタンド1階席から
フルサイズ70-200mmで撮影

手ブレの嵐で使い物にならない写真を量産するのと、少し被写体が遠くても高画質で拡大して鑑賞出来る写真と、どちらが良いでしょうか?

8.いちばん伝えたいこと

遠く離れた位置から超望遠レンズで撮影するより、最大限近づいて撮影した方が確実に高画質・高解像にはなります。

だから私が今回1番伝えたい事は、初心者の方なら安易に400mmとか600mmの超望遠レンズを買って離れた所から撮るのでは無く、200mmで十分なので最大限被写体に近づいて撮る努力を優先して欲しい、という事です。

これ以上近づけない位置で、フルサイズかAPS-Cか、ご自身のカメラに合わせて出来るだけ軽量なレンズで焦点距離を考えて下さい。

APS-Cなら200mmまでのレンズ(換算300mm)、フルサイズなら300mmまでのレンズで、遠くの小鳥以外の被写体は十分だと私は思います。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできますように。

フェンス越しに300mmで撮影
フェンス越しに135mmで撮影

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