💰「正解探し」をやめた時、お金の使い方が変わる――『アート・オブ・スペンディングマネー』が教えてくれる“人生の描き方”
人生の後半に差しかかり、「これからのお金の使い方」を
あらためて考えたいと思うようになりました。
そこで手に取ったのが『アート・オブ・スペンディングマネー』です。
本書は、
「どう増やすか」ではなく、「どう使うか」に焦点を当てた一冊です。
投資や節約のテクニックだけではなく、
「限りある人生の中で、お金をどう使えば後悔なく生きられるのか」
を静かに問いかけてくれます。
今回は、序章①『 答えは「アートだ」』について、
印象に残ったポイントをまとめてみたいと思います。
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■「お金の使い方」は“アート”である
このパートで語られる中心的なメッセージは、とてもシンプルです。
「お金の使い方には、唯一の正解はない」
著者は、「お金を稼ぐこと」はある程度、
再現性のある “サイエンス” だと説明します。
たとえば、
・長期投資
・分散投資
・低コスト運用
などには、一定の「型」や「合理性」があります。
しかし、「お金をどう使うか」には、
その人ごとの価値観や人生観が深く関わります。
つまり、お金の使い方は “サイエンス” ではなく、
“アート” なのだというのです。
ここでいう「アート」は、おしゃれや感性という意味ではありません。
人によって答えが違い、唯一の正解が存在しない領域。
それが「アート」という言葉の意味です。
■同じ支出でも、価値は人によって違う
同じ金額を使っても、
・ある人には人生を豊かにする支出
・ある人にはただの浪費
になることがあります。
旅行に価値を感じる人もいれば、
家で静かに過ごす時間に幸せを感じる人もいます。
高価な時計に満足感を覚える人もいれば、
本や学び、人との時間にお金を使いたい人もいます。
だからこそ、
「この支出は正しい」
「この使い方は間違っている」
と、一律に決めつけることはできません。
大切なのは、
「自分が納得できる使い方かどうか」
なのだと、本書は語りかけてきます。
■正解はない。でも「間違いやすい方向」はある
一方で著者は、
「お金の使い方に絶対的な正解はないが、
多くの人が陥りやすい失敗パターンはある」
とも指摘しています。
代表的なのが、
・SNSで見た誰かの暮らしへの憧れ
・「みんな持っているから」という理由
・見栄や比較によるステータス消費
です。
そうした支出は、一瞬の高揚感はあっても、満足感が長続きしにくい。
なぜなら、その基準が「自分の価値観」ではなく、
「他人からどう見られるか」になっているからです。
他人の物差しでお金を使い続けると、
どれだけモノを手に入れても、心は落ち着きません。
この部分は、現代のSNS時代だからこそ、特に考えさせられる内容でした。
■「自分の価値観」に沿った支出は、時間とともに豊かになる
本書では、自分の価値観に沿った支出は、派手ではなくても、
時間とともに満足感が深まると語られています。
たとえば、
・健康を守るための支出
・大切な人との時間
・学びや経験
・自然や芸術に触れる時間
・心が穏やかになる暮らし
などです。
それらはすぐに成果が見えるわけではありません。
しかし、人生を長い目で見た時に、
「やってよかった」と感じやすいお金の使い方なのだと思います。
ここで印象的だったのは、
「お金そのものが幸せなのではない」
という視点です。
お金は、あくまで “道具” であり、
・自立するため
・自由を守るため
・自分らしく生きるため
に使うものだという考え方が強調されています。
■「貯める」と「使う」は対立しない
この章では、「貯めること」と「使うこと」は対立するものではない、
という視点も紹介されています。
貯蓄は、未来の自由や選択肢を増やす行為。
支出は、今の人生を味わう行為。
どちらも、「自分の人生をどうデザインするか」という意味では、
同じ “アート” の一部なのです。
だからこそ、
・ただ我慢するだけの節約
・不安だけを原動力にした貯蓄
ではなく、
「自分はどう生きたいのか」を基準に、
お金を考えることが大切なのだと感じました。
■まとめ
――「いくら持っているか」より、「どう使ったか」
この章を読んで感じたのは、人生の豊かさは、
「いくら持っているか」
だけでは決まらないということです。
むしろ、
・どんな経験をしたか
・誰と時間を過ごしたか
・何に心を動かされたか
・自分らしく生きられたか
のほうが、人生の満足度に大きく関わっているのかもしれません。
『アート・オブ・スペンディングマネー』の「答えは『アートだ』」は、
お金の使い方を通して、「自分はどう生きたいのか」を
静かに問い直させてくれるパートでした。
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