💰「お金を増やす」よりも大切なこと――『アート・オブ・スペンディングマネー』序章から考える“人生を豊かにする使い方”
人生の後半に差しかかり、
「これからのお金の使い方」をあらためて考えたいと
思うようになりました。
そこで手に取ったのが、『アート・オブ・スペンディングマネー』です。
本書は、「どう増やすか」ではなく、
「どう使うか」に焦点を当てた一冊です。
投資や節約のテクニックではなく、
「限りある人生の中で、お金を何に使えば後悔しないのか?」という、
本質的なテーマを問いかけてくれます。
今回は、その序章について、
印象に残ったポイントをまとめてみたいと思います。
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序章の概要
――「お金の本質」は “増やし方” ではなく “使い方”
著者はまず、前作的な位置づけにある「サイコロジー・オブ・マネー」が、「自由を得るためのお金の増やし方」をテーマにしていたことを
振り返ります。
一方、本書が扱うのは、「得た自由をどう使うのか」というテーマです。
世の中のお金の本は、どうしても
「貯める」「増やす」「節約する」といった内容に偏りがちです。
しかし本当に大切なのは、
「自分は、何にお金を使うと幸せなのか?」
という問いではないか――。
序章では、その問題提起が強く語られています。
そして、お金の使い方は、
その人の人生観や価値観を映し出す “写し鏡” でもあると示唆されます。
つまり、「何にお金を使っているか」は、
そのまま「何を大切にして生きているか」につながっているのです。
1.「逆死亡記事」という考え方
序章で特に印象的だったのが、「逆死亡記事」という考え方です。
通常の死亡記事は、その人が亡くなったあとに、
「どんな人生だったか」を第三者が振り返って書くものです。
しかし逆死亡記事では、
「未来の自分の死亡記事を、今の自分で書いてみる」
という発想をします。
つまり、
・人生の最後に何を大切にしていたいのか
・どんな人生だったと言われたいのか
・何に時間やお金を使えていたら幸せなのか
を、自分自身に問いかけるのです。
お金の使い方を考えることは、
実は「人生をどう生きたいか」を考えることでもあるのだと感じました。
2.幸せは「絶対値」ではなく「ギャップ」で決まる
序章では、
「幸せは絶対値ではなく、期待とのギャップで決まる」
という考え方も紹介されています。
たとえ同じ収入や同じ生活水準でも、
・期待と現実の差が小さい人
・今あるものに満足できる人
ほど、幸福度は高くなります。
逆に、どれだけ収入が増えても、
「もっと欲しい」
「まだ足りない」
という状態が続けば、満足感は得られにくくなります。
本書では後に、
「収入 < 期待 = 不幸」という考え方も登場しますが、
その土台になるのが、この “ギャップ” の視点です。
お金の問題は、単純な金額だけではなく、
「心の持ち方」と深く結びついているのだと思いました。
3.「経済的自立」の15段階という考え方
序章では、「経済的自立」を15段階で考えるフレームワークについても
触れられています。
これは、
お金に振り回される状態
生活費に追われる状態
時間の自由を持てる状態
お金を“人生の道具”として使いこなせる状態
などを段階的に整理した考え方です。
ここで大切なのは、「いくら持っているか」だけではなく、
「自分は今、どの段階にいるのか?」
を見つめ直すことです。
単純に資産額だけで幸福を測るのではなく、
「時間」「自由」「選択権」を持てているかどうかが重要
なのだと感じました。
4.「小さな節約」より大切なこと
本書では、「小さな支出にこだわりすぎない」
という考え方も示されています。
もちろん無駄遣いを減らすことは大切ですが、
それ以上に重要なのは、
・自分の時間を守る支出
・人間関係を豊かにする支出
・心が満たされる体験への支出
なのではないか、という視点です。
ただケチケチ生きることと、賢くお金を使うことは違います。
人生の満足度を大きく左右するのは、
「どれだけ細かく節約したか」ではなく、
「本当に大切なことに、お金と時間を使えたか」
なのかもしれません。
5.「自分にとっての正解」を探す本
序章では、「この本の読み方」についても触れられています。
著者は、「万人共通の正解」を押し付けようとはしていません。
収入や資産額が違えば、幸せの形も違う。
家族構成や価値観が違えば、お金の使い方も変わる。
だからこそ、
「自分にとっての正解を探す材料として読むこと」
が大切だと語られています。
すべてを鵜呑みにするのではなく、
自分自身の人生と照らし合わせながら考える。
それこそが、本書の大きなテーマなのだと思いました。
まとめ
――「何に使ったか」が人生を作っていく
お金を増やすことばかりに意識が向きがちな時代ですが、
本当に大切なのは、
「そのお金を、何に使ったのか」
なのかもしれません。
人生の最後に、
「良い人生だった」
と思えるかどうかは、資産額だけでは決まりません。
誰と過ごし、何を経験し、どんな時間にお金を使ったのか。
その積み重ねこそが、人生そのものなのだと思います。
『アート・オブ・スペンディングマネー』の序章は、
「お金」と「人生」の関係を、静かに見つめ直させてくれる導入でした。
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