考察:mRNAワクチンの影響とCOVID-19ウイルスの変遷
AKIRAです。
本日は考察回です。内容はかなり長くなります。
問題提起:ワクチンはコロナパンデミック収束に貢献したのか?
私は、mRNAワクチンモデルがパンデミック開始からずっと、ワクチンとしての役割を果たしたのかについて大いなる疑問を持っています。
疑念:mRNAモデルの一般的利用は唐突に始まった
mRNA技術自体は、最近の研究界隈で唐突に用いられるようになったわけではありません。しかし、ワクチンモデルとして一般利用されるのがあまりにも性急すぎた点は、疑念を抱かざるを得ません。
どうしてこんなにも「急ぐ」必要があったのでしょうか?
疑念:代替手段の検討はなかったのか?
mRNAワクチンモデルが普及する前、これまでに用いられた手法(不活化ワクチンやステロイドパルスなどの姑息的療法)はなぜ検討されなかったのか?
コロナ旧株(例:229Eなど)のタンパクモデルでのワクチン作製は考慮されなかったのだろうか?
主張:新技術の適応を急いだことはコロナウイルス強毒株の変異を促進させる要因になってしまったのでは?
私の中では、このような疑義が生まれています。その考えに至った経緯を本記事で記述していこうと思います。
仮説:mRNAワクチンはコロナ変異を「一方向に」収束させてしまったのでは?
自然選択によるウイルス変異の一般的な考え方
通常、ウイルスの変異はランダムに起こると言われています。例えば、RNAウイルスはRNAそのものの不安定性やRNAを合成する酵素の複製ミスで変異が入ると言われます。
しかし、これだけだといわゆる「生き残る」変異体は完全にランダムになってしまい、様々な種類のウイルスが自然に残ってしまうのです。
いわゆるイス取りゲーム理論です。

こちらの図のように、オリジナルとする武漢株がヒトやその他動物に感染することで様々な変異体が生じますが、しばしば生じたそれら変異体は生存枠が限られているために、淘汰を受けることになります。

最終的に、この生存枠を勝ち取る変異体が流行株となります。つまり、それぞれの変異体は、この生存枠という「イス」をとるイス取りゲームをやるわけです。図1aでは、生存枠は一枠のみになっていますが、複数枠ある場合もあります。これは新型コロナの場合も例外ではありません。
また、当然ながら彼らに競争意識なんてものはなく、これは自然という第三者による無作為な選定によるものです。
mRNAワクチンによる選択圧

しかし、図2のようにmRNAワクチン接種によってスパイクタンパクの強力な抗原提示が行われると、ウイルスは「スパイクに多くの変異が起こった変異体」を生み出さない限り、ヒトの免疫を回避できないので生存が難しくなります。逆を言えば、「スパイクに変異を起こせば生存有利である」ということでもあります。そのため、スパイク変異を優先的に起こした変異体は生存有利になります。
一方、ランダム変異はスパイク変異に比べてスパイクの変異が少ないため、スパイク変異の変異株に対して生存不利になります。
これによって、スパイク変異を多く持っているウイルス変異体が生存枠を勝ち取りやすくなります。私はこれまでの記事でこの「選択圧」がかかっているお話をしてきました。詳しくは、下の記事(↓)に関連リンクがありますので読んでみてくださると幸いです。
まとめると、mRNAワクチンがスパイク変異を多く持つ変異ウイルスを「生き残らせた」。つまり、mRNAワクチンは変異の方向性を一方向に収束させたことになります。
事実確認:コロナウイルスの変遷
オミクロン株の病態
コロナウイルスは、重症呼吸器症候群といった肺の重度炎症を引き起こすウイルス病原体として知られます。
このことは、武漢株、α株、β株、デルタ株のいずれの変異体においても同じ病態像を示します。人類は、これを食い止めるためにmRNAワクチンを投入したわけです。
しかし、オミクロン株以降、事態は急変しました。
重症呼吸器症候群は肺の病態、つまり下気道感染症です。
ところが、オミクロン株になってから炎症は下気道ではなく上気道、すなわち咽頭や喉頭(鼻やのど)へとシフトしていったのです。この原因として、スパイクの構造がACE2受容体に対する結合よりものど・鼻粘膜に引っかかりやすいような構造に変異を起こしたためだと言われています。
当初、私はオミクロンはデルタの派生だと思っていた。
当時、私はオミクロン株の出現でスパイクタンパクに多くの変異が入っているという情報を耳にしました。念のため、文献を載せておきます。
この時、私はオミクロン株の急激な変化と病態像の変化から、またワクチンによって強い選択圧がかかって強毒株が出てきたのだと思いました。
しかし、実際にオミクロン株系統は上気道感染症にとどまり、感染力こそ増加したものの急性毒性は著しく抑えられました。
そして、ふと変異株の変遷を見つめ直していた時に気づいたのです。実は、オミクロン株はデルタ株から由来したものではなく、武漢株由来のウイルスだったのです。
正確な進化の図
ウイルスの進化は、出現した変異体とそれまでに発生している株との遺伝子の相関を見ることで関係性を見出します。
例えば、デルタ株が武漢株を親株に持つと言われている理由は、デルタ株のもつゲノム遺伝子の配列の多くが武漢株に一致しており、変異を起こした部分だけが異なっているためです。
つまり、二つの株で遺伝子がどれだけ似通っているかを比較して判断されます。これを遺伝子の距離、という風に表現し、距離が近ければ由来株の可能性が高く、遠ければ遺伝的な変異の関係に乏しいということになります。
オミクロン株はデルタ株と武漢株で比較した時、デルタ株よりも武漢株に配列が近しいと言われています。
つまり、正しい進化の経路は図3の上ではなく、下のようになるということになります。

一応、この話をGeminiにも聞いてみました(↑)。どうやら本当にオミクロン株はデルタよりも武漢株に近い系統から派生したようです。
疑問:ではなぜデルタが流行った?
先ほどの図3の下側を見ていただければわかるように、武漢株からそれぞれデルタ、オミクロン株が派生しているという考えが正しい考え方のようです。
しかし、これでは少々不自然です。
デルタ株は当時、「mRNAワクチンから逃避した進化した武漢株」として人々に恐怖を植え付けました。私の先ほどのイス取りゲーム理論に置き換えると、デルタ株はヒト市場という「イス」を勝ち取った変異株だったのです。
しかし、それはオミクロンも同じこと。
ならば、
「なぜデルタ株流行期に重なるようにしてオミクロン株の流行がなかったのか?」
「どうして、オミクロン株はデルタ株流行がしばらく続いた後にやってきたのか?」
仮説:オミクロン株は武漢株亜種から派生した変異体なのでは?
そこで、私はこのような仮説に至りました。

つまり、武漢株からオミクロン株が生まれるまでの過程で、デルタ流行期にオミクロン株の直接の親株に当たる何かしらのマイナー株(図4の?)が存在したという可能性です。
根拠を二つ、解説します。
根拠1:オミクロン親株はワクチンによる選択圧がかかっていない
武漢から直接オミクロンが生まれたのならば、時間的な矛盾が生じてしまいます。なぜならば、すでにデルタ株という免疫を回避した強毒株が出現しているのに、これと同時にオミクロン株が流行ることはなかったためです。
となれば、この時期には武漢株から直接派生したオミクロンの親株が潜在的に存在していた、と考えるのが自然だと思います。そして、本記事の図2にある通り、デルタ株に対して生存有利にならなかった事実を考えると、この株は生存不利側、つまりワクチンの影響を与えられなかった、自然感染のみによる自然選択で発生したランダム変異株であると考えるのが妥当でしょう。実際、Geminiもオミクロンには武漢株やデルタ株に比べてスパイク以外の変異が多いことを示唆しています。
また、デルタ流行期に人類がデルタ株対応型のワクチン接種を行っていなかった事実にも注意が必要です。
実際に人類はこの時何をしていたかというと、「武漢株対応型mRNAワクチンブースター接種」をしていました。つまり、デルタ流行期のワクチン選択圧は「デルタ株に対してではなく、武漢株に対してかかっていました」。
当然、デルタ株にはワクチン接種による選択圧はかからないため、図1aのように、純粋な自然選択による淘汰がかかったことで、のちのオミクロン流行期にはオミクロンに対して生存有利な株が出現しなかった証拠にもなります。
根拠2:オミクロンの弱毒性
オミクロンは結果として、武漢・デルタに比べて「弱毒化」した形に収まりました。これは、私の仮説でオミクロン親株が自然選択によるランダム変異によって出現したものであるためだと考えられます。
つまり感染力と毒性のトレードオフで、自らの持つ毒性を削ることで感染力を強化し、デルタやそこから派生する変異株に比べて圧倒的感染力を備えたわけです。
この間、ワクチンの選択圧は一切かかっていません。オミクロンがワクチンによる選択圧の結果主流となった株であるであるのならば、スパイクに変異が集中するため、変わらず下気道感染症の病態像を示すでしょう。
しかし、結果は違った。
これはオミクロンが、ワクチンによって誘導された変異体のデルタとは違った進化をたどった結果だったのです。
つまり、武漢→オミクロン親株→オミクロンの進化過程にワクチンは関係がなく、結果としてそれが新型コロナの弱毒化へとつながったということになります。
弱毒化とその分増強された感染力をつけるためにはかなり多くの変異を重ねる必要があります。そのためには、スパイクだけでなくほかのウイルス遺伝子の変異が必要になります。これを達成するためには自然感染で起こる自然選択によるランダム変異とそれを積み重ねる時間が必要です。
オミクロンはその両方を満たした結果生まれた変異株であるというわけです。
結論:つまり、ワクチンはコロナウイルスの弱毒化に貢献しておらず、結果として収束させていない
以上のことから、mRNAワクチンはスパイクに変異を集中させることにより、デルタ株やオミクロン以降の強毒株を生じさせていた一方、デルタ→オミクロン移行期にコロナウイルスの弱毒化に貢献したのは自然感染(自然選択によるランダム変異)である可能性が高い。
根拠として、オミクロン株がデルタ株よりも武漢株の方に遺伝子相同性が高いこと。また、デルタ流行期にてオミクロン親株などのマイナー株が潜在的に存在しており、長い時間をかけて数多くの変異を蓄積させたオミクロンが台頭した事実もこれを示唆する。
mRNAワクチンモデルはコロナパンデミックをかく乱させ、収束させるどころか混乱を招き入れた。今すぐにmRNAワクチン開発の停止、およびパンデミック対策に対する根本的な考え方の見直しが要求されます。
ワクチンを打つ→新たな流行株の出現→また新たなmRNAワクチン→さらに新しい流行株・・・・。
この連鎖を断ち切らないと、ずっと同じことを繰り返し続けることになるでしょう。
