シナモンが足りない深海魚
わたしがスパイス沼民になって半年。
あ!今、自分と世界が違いそうで読むのやめかけた?
イキってるわけじゃない。知識もない。
ただ、おいしさと楽しさに気づいた程度。
チャイ飲んだり、スパイスカレー作ったり、クミンにハマって何でもかんでもクミンかけてる。そんなレベルの話。
おしゃれ気取りでもなんでもなくて、ただわたしに合った。
それだけ。
クミンに出会う前から好きなスパイスはあった。
それがシナモン。
シナモンクッキーやシナモンロール、アップルパイのシナモン。
これらは見たら手が伸びるやつ。
その「手が伸びる」を簡単に思い出させてくれるのが、赤いパッケージのLotus。
忘れた頃に食べたくなるアイツである。
(知らない人は知らないままで大丈夫!)
今日は、お菓子の売り場の棚を横目にレジに向かっていると、アイツと目が合った。
一瞬止まった。
久々の再会である。
再会のお祝いに手に取ろうとて、値札を見る。
ん?知ってる値段じゃない。
オマエもかー!
どんどん高級になっていく市販のお菓子たち。
売り場では特に後ろ髪を引かれるほどの未練もなく「さようなら」と、小さく手を振って店を後にした。
……のに。
帰宅後、思い出すのはアイツの事。
別れたばかりなのに、食べたい欲が消えない。
よし!シナモンクッキーを作ろう!
未練は行動に変わった。
とは言っても手作りが安いわけでもない。
クッキーはバターをたくさん使うし。
でも今は、食べたい欲が勝っている。
ネットでレシピを適当に探してみた。
適当に開いたレシピにはアーモンドプードルを使うレシピだった。
普段ならここで別レシピ検索に走る。でも家にあった。
しかも消費期限近いのでそのレシピにすることにした。
アーモンドプードルは100均で買った少量タイプ。
レシピでは50g 、手元の袋は20g
…OK。
気にしない、足りない30gは小麦粉で。
そんな感じで、レシピ通り作っていく。
わたしはA型のくせに、適当も持ち合わせている。
バターを常温に置く?
軽くレンチンでいいよ。
みんなやってるよね!?そう信じている。
そんな感じで手を動かしていく。
クッキー作りは計量さえしていればあとは混ぜていくだけなので簡単。
シナモンを増やしたい。
でもレシピ通りだと強さが分からないので、生地をちょっと舐めてみた。
……よく分からない。
とりあえずレシピ通りで。
生地が完成して寝かす工程。
30分ねんね。
正直、自分で食べるなら生地を寝かせなくていいと思ってる。
そういうところが脱A型。
あとは型抜きして焼くだけ。
シナモン入れた生地は茶色で土粘土みたい。
少し生地が柔らかくて型抜きに手間がかかったけど、そこは譲れなくて無心で型を抜いた。
170度で18分。
10分過ぎたあたりから、いい香りがしてくる。
待ち遠しい時間。
待ち時間にAIと会話してみる。
「シナモンクッキーに合う飲み物は?」
チャイは?って聞いたら「チャイはスパイス強いから違うのがいいよ!」って言われた。
以前買ったレモングラスの話を覚えていて、レモングラスティーを勧めてくる。
想像したら最高!と思い、焼き上がる前にレモングラスの細い葉をサラサラと鍋に入れた。
ピー、ピー、ピー
お待ちかねの時間。
アイスレモングラスティーを用意して、いただきます。
アーモンドプードル20gでも入れたので、サクサクでとても好み。
……でも。
致命的なほど、シナモンが物足りない。
そこ最重要なのに。悔しい!リベンジ確定。
とりあえず今日は美味しいから、それでよし!
そう思いながら何度目かの手をお皿に伸ばす。
そこには、少し手こずって型を抜いた深海魚の形のクッキー。
ちなみにお気に入りはダイオウグソクムシ。
横ではレモングラスティーが爽やかな顔で苦笑いしてる。

